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私の秘められた魔力がうずく・・・!

新章追加したので、ちょっと番号おかしなことになっていますが大変申し訳ございません!

追々修正していきます。

「悲しい、苦しい、心配、嬉しい、楽しい、怒っている・・・そういった、感情です。」

 そう、それは・・・相手の声を聞いたり様子を見たりして知るものではないのか。

 彼には・・・知るすべがないのではないのか。

 止まった涙。

 反対に、あふれる疑問。

 そのすべての答えを持っているリヒトが、淡々と説明していく。

「魔力・・・というものをご存じですか?」

 魔力・・・伯爵家の六分の一、子爵家の十分の一の人が、持っている力らしい。

 なんか・・・火とか水を操れる能力があるとか。

 一般市民には魔力を持つ人はいないとかいううわさも聞いたことがある。

 でも、私の周りには魔力を持つ人はいなくて・・・。

 遠い世界のことだった。

 ハーリリンにおいては魔力自体のこともあまり知らないかもしれない。

「魔法が使える人の一部には、そういった感情の色を魔力の流れから感じ取る人がいるということは、ご存じですか?」

 ・・・そんな話、聞いたことない。

 感情の色を感じ取る・・・?

「それについてご存じではない人はとても多いです。感情の色を感じ取れるほどの魔力を持つ人は、本当にごく限られた人だけですから。」

 そして、目の前でウトウトし始めている彼が、その限られた人・・・という事だろうか。

「前々から、彼はその類の人ではないかとは思っていました。」

 ・・・あぁ、でも「察しがいい」的なうわさは聞いたことがあるな。

 まぁ、いくら察しが良くても自己中な彼は、美しい令嬢にしか能力を適応していないようだったが。

 にしても、魔力を感じ取って・・・ねえ。すごいなあ。

 魔力って見えるんだ。

 ・・・ん?魔力を感じ取って?

「あれ?でも、わたくしもハーリリンも、魔力なんて持ってないわよ?」

 ・・・うん、私あってるよね?

 だって、私達は魔力なんてものを持っていない。

 いや、欲しいなとは思うけど・・・思うけどさ!!

 現実甘くないね・・・。

 ぁあ、現実をちゃんと受け入れる私って大人・・・

「ああ・・・。よくいるんですよね。そういう勘違いをしている人。」

 って、どぅえ!?か、勘違いだと!?

 呆れたように首を左右に振ったリヒト。

 就寝台の横に置いていた椅子を、座り込む私達の前に引いてきた。

 そして、まるで貴族学園の先生みたいに、「いいですか?」と言いながら、ガッチリ視線を合わせてくる。

 リ、リヒト先生・・・!

 怖い怖い。

 っていうかリヒトって何歳なんだろう。

 私より下ってことはないよね・・・え、そうだったら凹むんだけど。

 年下に呆れられて教えられる令嬢とは。

 心からどーでもいいことで内心凹んでる私を一瞥して、リヒト先生は授業を始める。


「確かに、魔法を使える人(・・・・・・・)は伯爵家と子爵家の人間でも一部しかいません。そのほかは論外です。」

 うん、それは知ってる。貴族学園で耳に胼胝ができるほど聞いた話だ。

 にしても、論外って・・・。

 一般市民、大切!

「でも、魔力は誰であろうと持っているのです。例外はあり得ません。論外の人たちも含めです。」

 うんうん、魔力は皆持ってるよね・・・って、えええええええ!?

 え、ってことは・・・だよ?

「っ・・・つまりわたくし達も、魔力を持っているということですか!?」

 私が思考停止している間に、理解が早いハーリリンが、少し頬を赤く染めながら叫んだ。

 ・・・珍しいなぁ。ハーリリンが叫ぶなんて。そんなに魔力にあこがれてたんだ、私もだよ。

 ・・・ちがぁぁう!!

 待て待て待て待て・・・くっ、私に秘められた魔力がうずく・・・!

「・・・勘違いを重ねているようですが、魔法は使えませんし、ほとんど役に立たないですからね。魔法が使える人が利用するくらい・・・ですね、使い道。」

 なんだと・・・!?

 しゅん・・・。

「えっ・・・でも!みんなで力を合わせて魔法を・・・とかできないんですか!?」

 一瞬残念そうな表情を表に出したハーリリンだが、復活して突拍子もないことを言い出した。

「で、できるかもしれませんね・・・。」

「きゃぁっ、ほんとですか!?」

「えぇ、まぁ、可能性として・・・。」

 おぉ、リヒトが押され気味だよ・・・w

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