2.銀髪男子と黒髪使用人を連れて帰ることになりました!
前々からいただいていた意見なんですけど、この章がコピペだった・・・というww
え?何で?と自分でも思いました。
思い出しました。
昔、大幅編集をしようと思って、まとめようとしたんですよ。
で、忘れていた結果です、はい。
・・・大変申し訳ございませんでしたあああああ!
修正しました。たー兄です。(唐突な自己紹介すみません)
「どうですの?容体は安定したの?」
さっきのリーダー使用人に問い詰め・・聞くと、裏返った声で返答が返ってきた。
「はい、危険な状態は脱出しました。」
見ると、銀髪の彼は着替えさせられて、床に寝ている。
頬や首は赤く、呼吸は荒い。
薄くて肉のない胸が大きく上下している。
いや今も十分しんどそうだね、うん。
「でも山場は越えたと言ってもですね、まだかなりの熱がありまして、何処かで治療する必要があります。」
立場が上の人に話すのに慣れていないのだろう。
敬語がたどたどしい。
何処かで治療・・・ねぇ。
我が家は・・・奥様いるし無理かなぁ。
「バロンズ家は?無理なの?」
答えたのは使用人ではなく、バロンズ家子爵だった。
「申し訳ございません。我が家では人一人分を養うことは・・・」
・・・なんだか可哀そうになってくる。
しかし、気持ちだけでは何の解決にもならないことぐらい、さすがの私でも知っている。
悩んでいると、聞こえるか聞こえないかくらいの音量で、子爵が呟くのが聞こえてしまった。
「邪魔だしな・・・。」
前言撤回。
可哀そうどころか、恐怖の谷に突き落としたくなるような人でした☆
・・・それにしても、ほかの子爵家や経済力がない伯爵家に頼んでも、負担になるだけだろう。
かと言って経済力がある伯爵家はいいのか・・・というと、まあ十中八九却下するだろう。
つまり・・・そういうことだね、うん。
「そこの貴方!さっさとその男性を抱えて外に出なさい。我が家で預かるわ。」
驚きながらも心底ほっとしているようなバロンズ家子爵。
始めからこのつもりで誘導していたのだろう。
そんな彼は無視して、さっさと扉から出る。
やはり、庭はさっきまで人が倒れていたとは思えないほど美しい。
見とれていると、後ろから声が投げかけれた。
「畏まりました。」
リーダーでさえ、伯爵令嬢の私にはたじたじだった。
けど、この人、ナイフみたいに鋭い声・・・ふふっ、面白いわね。
「リヒト・・・だったかしら。わたくしと一緒に我が家まで来なさい。そのまま雇うわ。」
さすがの彼でもこの言葉にはさすがに驚いたのか、わずかに目を見開いた。
・・・っしゃ、勝った。
一人優越感に浸っているうちに、周りで話が進んでいく。
「今回の夜会のために寄せ集めた一人です。ご自由にどうぞ。・・・ほら、今日の給料だ。」
子爵は、私に仮面の笑顔で丁寧に礼をした後、リヒトにポイっと給料袋を投げた。
受け取った彼は中身を確認することもなく、そのまま上着のポケットに袋を突っ込んだ。
そして、何の反論もなく私についてくる・・・やっぱり面白い。
見られないようフフフ、と笑っていると、目の前に見慣れた馬車が現れた。
「フィンター嬢~!申し訳ございません!遅れました。」
いや、外で待っていたとしたら申し訳なかったので、逆に遅れてくれて嬉しい。
ハーリリンは馬を止めた後、まず私に微笑みを向け(天使っ!)、横の二人に目を移す。
「そちらの方は?」
「わたくしが拾った男性と、バロンズ家の使用人よ。一人の看病をして、一人は雇うわ。」
私が最後まで言い切る前に、ハーリリンは空を仰いで片手で目を覆った。
瞳が見えなくても、顔にありありと「終わった・・・」と書かれている。
しかしもう遅い!私はもう、アクションを起こしてしまった。
過去は変えられないのだ。諦めろ、ハーリリン!
はっはっはっは!
「ああ、フィンター嬢らしいですね。・・・お先にどうぞ。」
リヒトに目を合わせ、扉を開けるハーリリン。
乗る前にリヒトはこっちに目線を流してきたが、私が頷くと銀髪の彼を抱えて乗り込んでいった。
そして、そのまま扉は閉まり、小さくなっていく馬車を見つめる・・・って、ん?
「っ、置いてくなぁあああああああああ!」
側近さんたちカッコいい・・・。
あと、フィンターに「奥様は許すのか!?」とツッコミたいです!