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実家

作者: 杉将

 パイナップルを食べ、酸っぱい、と私が言うと、今日のパイナップルはハズレだと母が言った。冷蔵庫にイチゴがあるけど食べるか? と母が聞くので、大丈夫、と答えて、ハズレのパイナップルを食べ続けた。セントバーナードは犬の名前か、飛行機の名前か、と母が聞くので、飛行機の名前だと教えてあげた。後から考えると犬の名前のような気がしたけれど、黙ってテレビを見た。

 翌朝は十一時に起きた。私は寝過ぎたことを後悔したが、起きてもすることはなかった。リビングに行くと母がいたので、寝過ぎてしまった、と報告すると、ご飯あるよ、と母は言った。私は過去にいて、母は現在にいる、と思った。だが、当然そんなことは口にしない。母は尻をポリポリ掻いていた。後二日したら、この帰省も終わる。


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