第9話 最近不幸が続いている気がします。
身支度をして外に出ると、先ほど起きた時にいた兵が皆いなくなっていた。
そして私はお父様の近くへ向かって言った。
「お父様。準備ができました。」
「そうかい。ガル様もいいですか?」
『良いぞ。準備は万端だ。』
ガル、お前なんも準備してないだろ…。
青龍の祠までは馬で行く。昨日ぶりだね。ぴーちゃん。
ぴーちゃんは、「ヒヒーン」と鳴いてくれた。うん、やっぱり可愛い。
そんな私たちがイチャイチャしている途中でお父様が言った。
「では行こうか。青龍の祠へ!」
青龍の祠は青の洞窟というところの中にある。そこで馬から降りるので正確には青の洞窟までだね。
そして今回護衛として、私たちの他に武装した人たち5人が一緒についてきた。そのうちの1人が私に話しかけてきた。
「よう嬢ちゃん。初めましてだな。俺の名はエッグ。冒険者でランクはBだ。嬢ちゃんは今幾つだ?」
「お初にお目にかかります。エレスティーナです。現在六歳です。」
と、私は髪の毛がなく顔の形が卵の形をしたエッグさんに答えた。
「ほーう。6歳か。その年でもうお父さんの仕事を手伝ってるのか。偉いなぁ。うちのバカ息子も見習って欲しいなぁ。」
そう言ってエッグさんは私の頭を撫でてくれた。
「おいエッグ!なに俺の可愛いエレスティーナに触ってんだ。ここで死にたいのか?」
「おーう、大将。相変わらず我が子のことになると沸点が低くなることで。一旦じゃーな。エレスティーナ。」
そう言ってエッグさんは私の側から離れた。
「まったく、エッグのハゲめ。大丈夫だったかいエレスティーナ。」
「はい。全く問題ありません。」
「そうかい。何かあったらすぐに言うんだよ。ガル様も。」
『うむ。分かっておる。』
と、小さくなって私の右肩に乗っているガルが言った。
というか、お父様って大将って呼ばれてるのか。。。まぁ、領主だし。
だいたい一時間くらい馬で駆けていたら目的地の青の洞窟の近くまでついた。
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「大将。おはようございます。」
先に来ていた武装した人がお父様に話しかける。
「おはよう。状況は?」
と、挨拶を返しすぐさま状況確認をしていた。
そして話が終わると私たちのところに戻ってきて言った。
「ここに馬を置いて先に来ている奴らと合流する。良いな?」
「「「「了解!!」」」」
全員が馬から降りて武装した。
「馬はこちらで預かります。くれぐれもお気をつけて。」
「うむ。分かっている。馬達を頼んだぞ。」
うん。「仕事をしている人っていつもより二、三倍カッコ良く見える。」って、どっかの本に書いてあったけど本当だとは。いいものが見えた。
『そんなこと言ってないで、早く行くぞ。』とガルに言われた。
あれ?もしかして今の声に出てた?
私たちは洞窟の中に入り、走って祠に向かった。
「あれは魔法か?」
父上が言った。なんと私たちの先の道が歪んでいるのだ。
『そうだな。たしかにあれは魔法だ。けれど、普通の魔法ではないな。空間に干渉するといった個別魔法の類だろう。壊すか?』
ガルはそう父上に答えるように言った。
まぁ大きな声で言ってもガルを見えなければ聞こえないけど。
「お願いします。ガル様。」
そう言うと、ガルは歪んでいる空間を目で見た。何してんだろうか。
『なに、お礼は後で美味しいものを食べさせてくれれば良い。』
「もちろん。最高級のものを。」
本当にこの守護者様は、絵図ら的には餌付けなんだが、良いのかこれで…。
そう私が思っているとバリンっと音がなり歪んでいたところがなくなり、元の一本道になった。
え、ガル何したん?そんな私をよそに、お父様とガルは話していた。
「…個別魔法を使うことができる敵がいるのか。何かがいるのは確定だな。。。」
『…うむ。何かあれば我がエレを守ろう。』
「感謝します。ガル様。」
小声で話していたので、私の耳には入らなかった。
私たちは先に進んだ。
この青の洞窟中は広いが道が複雑になっているというわけではない。
たったの3回だけ右と左に分かれる道があるだけなのだ。
そして右→左→右の順番に行けば祠に着くらしい。
しかもこの青の洞窟はその名の通り所々青く輝いているのだ。
何でそうなっているのか私は知らんが。
走行している間に1回目の分かれ道についた。これは右なのでみんなで右に行きます。
いやーこの洞窟、青龍様の力が働いているらしく魔物が寄り付かないから安心して良いと言われた。
そのまま歩いて2回目の分かれ道についた。
次は左なので、左に行く。
その時、上から何か降ってきた。
「!!!水像断裂」
クシャァァァ。という音が響きながら上から降ってきたっものが真っ二つになって落ちてきた。
これは、、、
「蜘蛛の魔物……。」「なぜこんなところに出てきたんだ?」「この洞窟は青龍様の加護によって魔物は寄りつかないはずなのに一体どうして…。」一緒についてきたみんなが疑問を口に出す。
「まずい予感がする」
お父様がそう呟いた。
「みんな、気をつけて先を急ごう。」お父様が後ろを向いて言った。
その時私もいっしょに後ろを向いて、気がついた。
「あれ、エッグさん達は??」
見てみると、一緒についてきた護衛のうち半分がいなくなっていた。
それには一緒にいた護衛たちも気づいていなかったらしく、この現状に驚いていた。
「ばかな!?」「おい、なんでエッグさん達いないんだよ」「…付近に気配はありませんね」
「いないだと!?馬鹿な!まだたったの1回の分かれ道があっただけなのにでなぜ私たちと逸れるんだ…。」
いつも冷静なお父様が焦り、驚いている様子が伝わる声が聞こえた。
そしてわたしたちの後ろからカチャカチャという音が聞こえた。
『3、4、50はいるな。』
「そうですね。敵は複数、部下とは離れ離れ。なかなかどうして。ひどい状況ですね。」
どうやら退路が塞がれたようです。
うん。これは、、、、ピンチです。
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