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第8話 想☆定☆外。

ドアが開けられた。

私は、もうダメだと諦め、目を瞑る。

そんな私の前にガルが立ち塞がる。


ドアから声が聞こえた。

「エレ、大丈夫かい??」


良く聞き慣れた声。あれもしかして、

「お父様!!」



「うん。まずは謝るね。そこの守護者様が敵だと思っていた武装集団だけど、あれは私の兵だよ。」


あぁ、やっぱり見えてるんだ。てか守護者とも見極めてるじゃん。お父様さすが。

「父上の兵なのはわかりましたが、なぜこんな時間に武装した人たちが大勢いるんですか?」


「うん、それはね。ちょっととある場所の様子が変だったから調査を依頼したんだよ。

それでその部隊が今うちの外にいるってことだよ。」

「でもなんでこんな時間に集めたんですか?」


調査というのは夕方述べていた青龍の祠関係のことだろう。しかし別に調査をするだけだったならこんなに兵が必要ないし、そもそもこんな夜中に準備をしなくてもいいはずだ。


しかもこの土地は、他の領地より比較的防衛設備がしっかりとしていて、この地のためにと戦ってくれる人も多いはずだ。


そんなことを考えていると、お父様が口を開く。


「これからの話は他言無用でお願いするよ。実は様子がおかしい場所っていうのが、この地にある青龍の祠なんだ。」

あぁ、私がさっきお父様の部屋に行った時に話されてたやつね。よし、とぼけとこっと。


「えぇ!?そうなんですか???それは大変ですね。私にも何かできることがあるなら言ってください。」

うん。これはお父様の中でも大変好印象を与えたであろう。


「そっか。ありがとう。じゃー、一つだけお願いしよっかなぁ。」

「何なりとどうぞ。」


「そこの守護者様についてだけど。」

いや、青龍の祠とか関係なくないかぁ。その話。まぁ、大切だけどさ。


「はい。この子は光の守護者のガルです。」

「光の守護者か。もしかして契約したのかい?」

「はい。ほぼ強制的に……契約しました。」

「…そうか。」


父上はため息をついてこう言った。

「その光の守護者様とお話しさせてくれないかな。」


「ガル。お父様が私とお話できるかって。」

『ふむ、よかろう。』


そういってガルはお父様の肩に飛び乗った。


「はじめまして。私の名はジルク・バイオレット。エレスティーナの父親です。」

『うむ。我は光の守護者エレキシュリガルフ。エレスティーナの契約者だ。よろしく親父殿。』

「失礼ですが、なぜうちのエレスティーナを……」


と話が続いているのを見て、私は。

「お父様。私は寝ていてもよろしいでしょうか。」


「おっと、すまない。いいよ寝てて。私は光の契約者様ともう少しお話させてもらうね。」

『親父殿、ガルで良いぞ。』

「ありがとうございます。それでですね……。」

そう話しながら2人は部屋を出て行った。





ーーーーーーーーーーーーーーーーー




窓から朝日が差し込んだ。

「うぅ、もう朝か。」

そう言って私はベッドから起き上がった。


『エレ!おはよう。』

「おはよぉガル。もう起きてたんだ。早いね。」


『我はエレ達人間と違って、少しの睡眠だけで何日も行動できるからな。』

「昨日は私よりも先に寝ようとしてたのに?」


『いやなに、久方ぶりに寝ようと思ったところにエレがやってきたからだな。』

「そうだったんだ。ところで昨日私が寝た後お父様とな…」

と私が話している途中に、


トントンとドアが叩かれた。

「はーい。入っていいよー。」

そう言うとドアが開いた。そして部屋に入ってきたのはパッパだった。


「エレ、おはよう。話はガル様から聞いてると思うけど、今すぐ急いで準備してくれる?」

「へ?なんの話ですか?私は今起きたばっかりで、ガルからも何も聞いてないんですけれども。」


「そうなのか。ではとりあえず大至急着替えて青龍の祠に行くために準備をしてくれ。」

「あ、はい。分かりました。」

「ではエレ、ガル様また後で。」

そう言ってお父様は部屋から出て行った。



「えっと、ガル。どーゆーことか説明してくれない?」

『ふむ。昨日エレが眠った後、親父殿の部屋に行って、色々と話したんだ。』


そういってガルは淡々と話し始めた。その話を聞きながら、私は着替えて自分で寝癖を直していた。

「へー。青龍様の祠の様子が変だから四獣神に近い存在である守護者のガルの力を借りてどーにかしてもらおうってことね。」

『そういうことだ。その代わりに我はここにエレと一緒に住んでご飯ももらえることになったから。』


ほうほう。だいたい内容はわかった。けどそれなら

「え?私いらなくない??」

『我の力を借りるんだからその契約者のお前も来るに決まってるだろう?』


「え?なんで。私が側にいなくちゃ力が制御されるとかそーゆー系?」

『別に…そういうわけではないが……。』


「まさか、、、『我が仕事をするのに、その我の契約者が家でのんびりしているなんてことさせてたまるか!』みたいなこと考えてたんでしょ?」


ガルは私からわざとらしく視線を逸らした。


「沈黙は肯定ということでいい?」

『……。』


私は窓から空を見た。快晴だった。

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