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第7話 いつも予想の斜め上。

「け。契約ですってーーーー。」


契約とは自我を持つ生き物と魂を同一化すること。

それはどちらかが死んだ場合どちらも死ぬということ。

よってこれは一心同体になることである。


契約の他に奴隷化というものがあり、それは相手に一方的に用件を飲ませたりするもので。

それに逆らうことはできない。また、歯向かうと痛い目にあうのでほぼ強制的に命令を実行しなければならない。


昔、本で奴隷化した人のことを書いた本を読んだことがあるが、その奴隷化されたものは最後には自我を失ったと書かれていた。

皮肉なもんだった。


そうこう考えてるうちに、

『うむ。契約完了だ。エレスティーナよこれからよろしく頼む。あぁ、我の名前はガルで良いぞ。』

契約が完了してしまった。


「ちょっとまってよ。勝手に契約しないで契約したら家とかご飯とかどーするのよ!あとそんなに体が大きくて、家のドアとか通れないわよ?」


『家はエレのところに住む。我は基本的に契約者の魔力を喰らう。よって食事の必要性はない。さらにさっきも言ったが、我は光の守護者。我を見るには最低でも光属性の魔法が使えなければいけない。まぁ、身体が大きいのはどうにかせねばなぁ。よし縮小化(スモール)。』


そう魔法を唱えたガルは、私の頭に乗れるくらい小さくなった。見た目は猫みたいな感じだ。


『さて、これでいいだろ。さーエレの家に帰ろー。』


身体が小さくなったせいか。言葉遣いも尊厳がなくなり、可愛くなった。

私はガルを受け入れるしかなかった。





ーーーーーーー





ガルを頭に乗っけて、家に帰ってきた。

「ただいまー。」


「おかえりなさいませ。全くこんな時間まで何をしてらしたんですか。」

と、この後メイド長に怒られました。






長い長いお説教が終わり、急いで風呂に入り、ご飯を食べて自分の部屋に帰ってきました。


「ねぇーガル。本当にご飯食べないんだよねー?」

『当然だ。我は魔力だけあれば十分だ。』


「そう言ってるけどさー。私がご飯食べてる時ゆだれ垂らして見てたよねー?」

『うっ、仕方ないだろう。美味しそうだったんだから。だいたい見ていたのだったら少しは分けてくれてもいいんじゃないか??』


「あれあれ〜?ご飯は魔力でいいんじゃなかったっけ??」

『むぅー。エレはひどいやつだな。』


「えへへー。明日からは少し多めに出してもらって、少し分けてあげるよ。」

『やったーーーー。』

と光の守護者様は大喜びしました。


『それはそうと、エレ。多分だけどお前の父も我のこと見えておるぞ。』

「え、本当に?」

『うむ。先の食事の時に我と目が何度もあった。エレと同じくらいの膨大な魔力量だったぞ。』


「お父様も光属性が使えるってことなるよね。それなら私も光属性魔法が使えるか。」

魔法の属性には遺伝が大きく関わってきている。なので良い魔法適性を持つものが政略結婚というのもよくあるのだ。でも突然変異が発生して使えるようになることもあるって本に書いてあったけど。


でもゲームの中ではそういう設定は無かったし…。

もしかしてこの世界はゲームの世界ではない??


そう考えているとガルが呼んだ

『おーい、エレ。我は眠たい。だからもう部屋の電気を消してくれ。』


「え?ガル、私の部屋で寝るの??」

『お風呂も入ったし、綺麗さっぱりなのに外で寝たらこの身体が汚れてしまうではないか。』


私と出会う前まで外で寝てたくせに何言ってんだこいつ…。

「まぁーいーや。じゃー、一緒に寝よー。あ、毛布の中入る??」


『我は自分の力で体温を調節できるから別に入らなくても大丈夫だぞ。』

「えーでも一緒に寝たいなぁ。」

『分かった。我は枕の上で寝る。何かあったら起こせ。』


「わーい。ありがとー。おやすみガル。」

『おやすみエレ。』

私はさっきまで考えてたことを一旦中断して眠りについた。



ーーーーーーーーーーーーーー


我の横でエレスティーナが眠ったことを確認して我は起き上がる。

それにしても面白い女だ。我が見えるとはな。


全能神の言ってた通り面白いことになったな。しかし、我が見える、、、か。


我はエレスティーナに二つ、嘘をついた。

一つはここにきた理由について、ぶっちゃけここら辺に来たのは青龍関係のことではない。


そしてもう一つ、我が見えるのは光属性を極めたもののみといったがそれも嘘だ。

本当は、、、いや、それはまだ言うべきではないか。

そう考え、我は楽な体制をとる。


時刻はまだ日を跨いでいなかった。

『寝るか』そうつぶやいて、

我は床に伏した。



ーーーーーーーーーーーーーー



『エレ、エレ。起きろ!』

夢の中なのにガルの声が鮮明に聞こえる。

「ううーん、ガルは元気だねぇー。」

『セレ、起きろ!!早く!……仕方ない。』


ガブッ!!い、痛い。


「痛い。いたいいたいいたい。痛いなぁもー。」

ガルに耳をかじられた。とても痛い。そして眠い。


「ちょっとー痛いんだけどーー。」

『それどころでは無い。問題が発生した。』

最初私は何を言っているのか分からなかった。けれどもう一度頭の中でリピートして目が覚めた。


「え?なんかあったの??」

『この家の周りが囲まれている。』

「えぇ!?ど、どういうこと??」


ガルにそう尋ねるとガルは、

『理由は分からない。けれど全員武装をしている。人数は、、、百人前後!』


「お父様に知らせなくちゃ!」

そう言って部屋を出ようとする私をガルは止めた。


『やめろ!もしかしたらもう屋敷内に侵入しているかもしれない。今は動くな!』

「でも、みんなが、みんなが!」

『大丈夫だ。お目の父は強いんだろう?あの魔力量で我も見えるくらいならばみんなを守ってくれる。きっと大丈夫だ。』


私はガルに諭される。うん、たしかにパパンは強いからこの屋敷にいるなら大丈夫だ。

きっとみんなを守ってくれる。


私はそう思った。

その時!私の部屋の外から走ってくる人の気配がした。


そして、ガチャリと私の部屋の扉が開かれた。





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