第6話 謎と疑問は比例対象。
えっと、名乗ればいいのかなぁ。身体は動かないから口も動かないだけどなぁ
どうしようかー。そう思っていると。
『そうか、我の覇気を受けているから身体が動かないんだな。それは謝罪しよう』
そう呟かれると急に体が自由になる。
『再度問おう童よ。其方は何者か。』
謎の生き物に話しかけられ意識が覚醒する。
地面を強く踏み応える。
「私の名はエレスティーナ・バイオレット。この地に住む領主ジルク・バイオレットの娘です。」
『エレスティーナか。うむ。エレスティーナ、何時はなぜここへ?』
そう問われたので私は経緯を話した。
『ふむ。エレスティーナよ。今の話嘘偽りはないな?』
「はい。バイオレット家に誓いまして。」
『理解した。次は其方の問いに答えよう。』
私は少し考え。最初の質問をした。
「貴方は、いえ、貴方様は何者なのですか?」
『その問いに答えよう。我が名はエレキシュリガルフ。この世を創りたもうた全能神に生み出されたこの世の守護者の一柱だ。この世の人々には光の神と言われている。』
まじかよ……。神様じゃないの。
この世の中には基本属性の魔法と特殊属性の魔法がある。まぁ個別魔法もあるけど。
そして基本属性と特殊属性の7種に対してそれぞれその神が存在する。
それが守護者。で、今の話を聞くにそのうちの一体ってことね。
四獣神より位は低いけど。力は絶大だ。
私は今の話を聞いて、もう一つ疑問に思ったことがある。ではなぜ守護者様がこんなところに?
「もう一つ質問を。なぜこのようなところにおられるのですか?」
『応えよう。全能神に言われたからだ。どうやら青龍が代替わりするみたいだぞ。とな。』
ここら辺にある青龍の祠付近がおかしいって父上が言ってたわね。
エレキシュリガルフは話を続けた。
『それで我は青龍のいる土地であるここへやってきたのだ。しかし少し疲労したのでこの場で休んでいたのだ。』
あーそれでこの場所にいたのか。んで、光の守護者が光り輝いていて、私はそれを窓から見たってことか。
『しかしエレスティーナよ。なぜ我を見つけることができたのかね。』
え?光ってたからですけど。って言おうとしたその時。
『我を見ることができる人間は光属性を極めたものだけだぞ。』
えぇぇぇ???????
ーーーーー
ちょっと待ってよく思い出そう。私のゲームの中での設定を。
確か基本属性全てと、属性魔法のうちの氷を使えるんじゃなかったっけ?
なのになんで光属性極めたとか言われたんだ?
分からない…。つーかゲームでは光属性使えるの第一王子の婚約者だけだった気がするんだけど…。
あのゲームの中ではその子が主人公でそれを操作してたんだけど。
ゲームの中の主人公の生い立ちは。
赤子の頃に捨てられて教会で育つ。
そして10歳の時に魔法に目覚める。
その後、協会から公爵家である、エルミッド家に引き取られる。
その後エルミッド家で指導を受けて12歳の時に魔法学園に入学して第一王子の婚約者となる。
そっから第二王子との内戦に発展して、最後は王子が皇帝となってハッピーエンド。
そういうストーリだった気がする。
私は他のゲームで言うなら悪役令嬢ってとこなんだよね。
とまぁ、思い出しながら考えたけど。うーん。わけわかめだね。
「とりあえず、光を極めないと見えないはずのエレキシュリガルフ様が見えるってことは私は光魔法を使うことができるということですね。」
『そういうことであっている。』
と、エレキシュリガルフは肯定した。
まぁ、たしかに光属性魔法なんて使ったことないから分からなかったけど。
じゃー今使ってみようかなぁ。そう思って詠唱を始めた。
この世界の魔法は詠唱で唱えるか、無詠唱で唱えるかによって威力や大きさなどが変わってくる。
詠唱を入れた魔法だと、威力が決まっており標準を定めやすくなる。しかし詠唱に時間がかかりやられるリスクがある。
無詠唱だと、唱えた人の魔力の大きさによって変わってくる。しかし標準がぶれて熟練の技が必要になる。
私は今回は初の試みなので詠唱を入れたというわけだ。
「光の神よ。いと賢き我に清き一途な光を与え給え。
閃光。」
するとポワァと、人差し指の先が光り輝いた。
なんと発動したのだ。
「うそ、光魔法できちゃった…。」
『だろう。エレスティーナは我を見れるんだから当然であろう。』
いやまぁ、そうなんだけどさ。設定だと使えないって。あれ?使えないって変えてあったっけ?
確か基本属性全てと氷属性が使えます。って書いてあった…。
光使えないとは書いてないじゃん!!!
そう考えていると、
『ふむ、魔力量が膨大でこんなにも魔法も綺麗だとは。決めたぞ!我は其方、エレスティーナと契約をする。』
「えええええぇぇぇーーー!!??」
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