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第3話 領地が広くて迷子になりそう。

朝食を食べ終えた私は、自室に戻り領地視察に行くための準備をしていた。


「エレスティーナ。領地視察は馬に乗って行くから、動きやすい格好をするんだよ。」

そのように言われたので、半袖短パンの服を着た。今の季節が夏だから、これでも寒くない。


「準備できたかい?」

と、父の声が聞こえた。


「うん。できたよー。」

「そっか。では行こうか。」


うちの家では五歳になると、馬に乗る訓練が始まる。んで、だいたい半年くらいで乗れるようになる。

私の相棒は白馬のぴーちゃん。ぴーちゃんは、可愛い女の子だ。そして足が速い。この子に乗って私は今日の領地視察に行く。


いざ、領地視察へしゅっぱーつ。




ーーーーーーーーー





この世界に転生して、そのことを思い出した時が5歳、そこから一年経った今は、6歳だ。

この世界では、前の世界と同じく、四季があり、

春は、暖かく作物が実りやすく、夏は暑く前の世界でいうセミみたいな魔物もいる。

秋は涼しく、美味しいきのみなどが収穫でき、冬はとても寒い。

梅雨の季節があり、台風もあったりする。


父が治めるここ、バイオレット家の領地は、同じ伯爵領の中でも二倍くらい大きく、広大だ。

ここの農民は、農家を営んでいる人が多く、それなりに食料は安定している。


そしてバイオレット家の領地にはギルドがある。これによって冒険者達もうちの領地に住んでいる。

割合で言えば、うちの領地の半分くらいの3分の1くらいの人が冒険者なんじゃないかな。


うちの領地には大きな森がある。その森にはそこそこ魔物がいてそれを討伐するため、冒険者達がいる。それもかなり上位ランカーの人が。

だから魔物が襲いかかって領民に被害を出すことはない。おかげでこの領地は平和なんだよね。


あるところでは、冒険者ギルドがなく、魔物の量が多すぎて、魔物の反乱であるモンスターテンペストが起こった。


それによって多くの人たちが死んだ。もしそこに冒険者ギルドがあったなら戦える人がいたのなら多くの人は死ぬことはなかったのかもしれない。


けれど、冒険者を蔑ろにするバカ貴族どもは冒険者ギルドを置かない。

うん、アホだと思うよ。プライドと命をかけて結果両方失うことになるんだもんね。


そんなことを考えていると父上が

「着いたよ。ここが農民代表のボンさんの家だ。」


どうやら、代表の人の家に着いたみたいだ。家の中から老翁が出てきた。

「ようこそ、いらっしゃいました。我らがバイオレット伯爵様、同じく伯爵令嬢エレスティーナ様。」


私はぴーちゃんをボンさんの家の柵に手綱をくくりつけた。

ぴーちゃん少しの間待っててね。


ボンさんの家の中に入ると、中には3人の男性と2人の女性の姿が見えた。

みんな見覚えがあるなと思って見ていると、その中の女性のうちの1人が私の近くまでやって来た。


「エレスティーナお嬢様、朝方ぶりにございます。」

そのハキハキとした声にハッとした。この人私の家で料理長してる人だ!えっと名前は、、、


「へリアさん、どうしてこちらに?」

「私は朝はバイオレット家でお料理を、昼間はここで、伯爵の指示のもと環境整備などの取り締まりをしています。」

「なるほど。ではここにいる他の方々は?」

「はい、ご想像の通りにございます。」


うん、ここにいる方々みんな私の家で庭師やら執事やらやってくれてる人たちだ。


「へリア、いつまでお嬢様を立たせているんだ。」

と、うちで庭師をしているユースさんが言った。


「そうでした。お嬢様立たせてしまって申し訳ございません。こちらの席にお座り下さい。」

そう言って私に席を案内した。


「では、皆さん集まりましたので今期の定例会議を始めます。」

そうして、会議が始まった。


会議の内容は前期の会議で決めた子についての反省と課題を出し、それにどう対応するかを決めること。

そして、今季に行う予定の政策について話し合うというものだった。


前世の知識を持ってる私は、話にはついていけたけど、領地運営なんてゲームの中でもやっていなかったので、意見を出すことはできなかった。とても申し訳なかった。黙って綺麗な姿勢をして座っていた。


着々と会議は進んでいき、二時間余りで会議は終了した。

「お疲れ様でした。お嬢様。」

ボンさんが話しかけてきた。


「意見も出せずにずっと黙っていてすいませんでした。」

と、私は言った。


するとボンさんは驚いた表情で、

「お嬢様会議の内容を理解できたのですか。素晴らしい。意見を出せなくてもこの会議の意味を理解できるのならばそれは凄いことなのです。なにも意見を出すことが偉いわけではないんですよ。ちゃんと聞く人がいることによって会議というものは進むのだからね。」

と言ってくれた。


その言葉に嬉しくなった。私はお辞儀をしてお父様と一緒にボンさんの家を出た。

まぁ、貴重な体験ができたかな。










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