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3話 王都に婚約者がやって来た

誰かあの男のおバカ行動を止めて!

『図書館騒動』の後2人は、私の計画通りに婚約したわ。

それから暫くして私は、クリスに付き添われて所用で謁見する事になった。

とても緊張していたけどその謁見は、たいへん有意義なものでした。





三年後【王都公爵邸】



あの人は、王都の公爵邸に乳母と一緒にやって来た。

仕方なく婚約者として会いに行ったけどやっぱりバカだった。

「何故領地に居る俺様に毎月会いに来なかった⁈」

と会うなり怒鳴られたわ。

私は学園に初等部から通っているし、家族の付き添い無しに侯爵令嬢の私が何日もかけて公爵領まで何度も行くのは、無理がある。

しかも毎月って……

経費がいくらかかると思っているのよ!

「相変わらず勉強ばかりしているようだな。

俺様など家庭教師に『もう教える事は、無い』と言われたぞ!」

「……。」

いや、それは、見離されたんだと思う。



ここで他の公爵家の方々がいらっしゃれば良かったのだけど残念ながら公爵夫妻は、公務で外国へ行かれており暫くは、お帰りになれない。

お祖父様のご友人だった前公爵は、昨年から領地で寝込んでおられるし。

その為あの男と乳母は、やりたい放題!

公爵家に長く勤めている執事長のハンソンや使用人達がお気の毒ですわね。



【王都侯爵邸】エリー私室



「お嬢様あちらは、如何でした?」

優雅に紅茶を入れてくれるクリスを見つめながら

溜め息をついて答える。

「最悪だわ……。

あの人全然変わってなかったわ。

これから学園でも顔を会わせないといけないかと思うと憂鬱……。」



「それよりクリスは、公爵邸にいる母親に会いに行かなくていいの?

もう七年も会ってないんでしょ?」

そう尋ねるとクリスは、感慨深げに

「そうですね。僕は、この七年間毎月のように手紙を書きました。

しかし、母からまともな返事が返って来たためしは、ありません。

『産んでやったんだから恩を返す為に仕送りをしろ。』だの『ナルキスの自慢』ばかりです。

そんな人に会いたいとは、思いませんよ。」




何それ最低!!




「まさかそれで『仕送り』したの?」

と尋ねるとクリスは、あっさり否定した。

「いいえ。仕送りしようとしたらトマスさんに止められました。

『これは、君が自分で稼いだ自分のお金です。

それに公爵家では、十分に給金が払われているのですから仕送りなどする必要は、ありませんよ。』と言われ僕もその通りだと思って1銅貨も送ってません。」

流石は家の執事長!!グッジョブですね!




中等部入学式後【王都公爵邸】



「マリー!(乳母の名前)喜べ♪

入学試験の結果は、ダントツの1位だそうだ!!

それにあの忌々しいクリスのヤツは、中等部にいなかったぞ!!」

「まぁ♪流石は、坊っちゃまです♪

クリスは、侯爵家に移ったからと言っても所詮は使用人としてですからね。

学園に通う資格は、ありませんもの♪」

「そうだな♪」

「そうですとも♪」




その様子を見ていた執事長ハンソンは、思った。

『ダントツの1位って下からですからね。

後、クリス君が中等部にいないのは、既に卒業して高等部に進学したからです。

どうして何時も、こんな考えに至るのか?

それに坊っちゃまのあの低レベルの言動、とても大旦那様や旦那様の血を引いているとは、思えない!

あの公爵家直系特有の髪と瞳の色さえ無ければ

とっくに追い出しているところです!』



「よし♪今日は、俺様のトップ合格を祝してお祝いだ!!」



周りの使用人達から白い目で見られていることにも気付かずナルキスは、乳母のマリーと2人その夜遅くまで騒いでいた。

当然、この言動は、全て執事長ハンソンから外遊先の公爵夫妻に届けられ彼等の頭を悩ませたのでした。

まだ続く……

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