表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

15/28

13話 もう一つの指輪

引き続きクリス回(本編)


第四王子大暴走!

【王城・宰相府宰相補佐官室】



こんにちはクリスです。




殿下と共に朝から大量の書類を処理し、やっと休憩に入ったところだ。




「殿下、コーヒーを淹れましょうか?」

そう声をかけると殿下は

「あゝ、ありがとうクリス。

君の淹れてくれるコーヒーを飲むとホッとするよ。

それだけに残念で仕方ない……。」

いったい何が残念なのだろうか?

気にはなったが、コーヒーを淹れる為に席を立つ。




殿下はブラックで私は砂糖もミルクも入れる。

私がコーヒーを飲む度に、周りの人間から怪訝(けげん)な顔をされる何故だ?




私と同じ飲み方をされる方を1人知っている。

以前お仕えしていたロピアー公爵様だ。

所用で来られた公爵様を殿下が偶然お見かけし、何故か補佐官室で一緒にコーヒーを飲む事になった。




殿下にコーヒーを淹れるように言われたので、いつも通り淹れたところ公爵様はいたく気に入られ、王城へ来る度に補佐官室に来られるようになった。




もちろん忙しい時は対応できないのだが、殿下は何故か私にコーヒーを淹れるように即す。




そんなある日、いつもはペンダントにしている【父親の形見の指輪】のチェーンが切れた為、一時的に指にはめていた。

偶々通り掛かったエミール殿下に

「その指輪、どこで手に入れたのですか?」

と聞かれ『父親の形見で子供の頃から持っている。』と答えると殿下は怪訝(けげん)な表情を浮かべて

「それ、良くない物だから、外した方が良いですよ。

まぁ片方だけなら良いかもしれませんが…

もしもこの指輪のもう片方の持ち主がいた場合、気をつけた方が良いです。」

と言われた。




それから更に数日後、侯爵家からとんでもない知らせが届いた。

エリーお嬢様にナルキス様が学園の生徒の前で『婚約破棄をする』と宣言したというのだ!

しかもナルキス様が挙げた理由は、全て冤罪であったという。




その報告を聞いたシオン殿下も呆れていた。

「あり得ないだろう……。

しかも何の裏付けも取らずに、浮気相手の言う事を鵜呑みにするなど…。

あの男が公爵になったら、領地が潰れるのが目に見えている!」

私もそう思います。

とは、口が裂けても言えませんが……。




そのうちシオン殿下がとんでもない事を言い始めた。

「もうこの際、お前が公爵家継いじゃえばいいのに!

幸い叔父上にも気に入られてるし、顔もそっくり!

コーヒーの飲み方とか、もう親子にしか見えないぞ!」

何て事を言い出すのですか、貴方は!?

その言葉に呆れていると

「もしかしたら本当に親子かもしれんぞ?

そうだ、良い考えがある。

最近エミールが『サイド家(*①)』と開発した【鑑定の魔道具】というのを使わせてもらおう!」




「それにな…実は『ナルキスを廃嫡して、お前を養子に迎えエリー嬢を嫁に迎えようか。』という話が出ているんだ。」

「は?!ナルキス様を廃嫡?

私を養子に?

それよりもエリー()()()()()()()()()()

ちょっと何を仰っているのか理解できないのですが……。」

そんな事あり得ないでしょう。

「そう言いながらお前、随分と嬉しそうだぞ?

特に『エリーお嬢様を嫁に!』のくだり。」

そんなバカな!殿下に気づかれただと!

私のエリーお嬢様への気持ちは、誰にも知られてはいけないのに!

驚いている私に殿下は更に




「それにお前、学園の寮にいた時野良猫に名前付けて可愛いがってたろう白×黒ハチワレのメス。

『エリス』何て名前付けて♪」

な、何故それを!

「安心しろよ。あの猫は今、公爵家で飼われてる。」

えっ?何故公爵家で?

学園にいる時は、私にしか懐かなかったのに……。




「高等部入学式に行った叔母上がナルキスのあまりの残念ぶりに倒れてしまってな。

医務室で休んでいたら全力で慰めてくれたそうだぞ♪」

あゝエリス……

私だけだと思っていたのに…

「あ、叔母上にはちゃんと猫の名前は『エリス』だと教えて置いたから♪」




あまりの話に呆然としていると、殿下は私の肩に手をかけ

「じゃ、早速行こうか♪」

「何処へですか?」

「もちろん【鑑定の魔道具】を試しにさ!

なるべく沢山のデータが欲しいって言ってたから試しに使ってみよう!」

殿下…本当は仕事サボりたいだけでしょ!!





―――――――――――――――――――――



*①

【サイド家】


ハーシー&タークの実家


錬金術と魔道具の研究と製作を生業としている。

伯爵家。

まだつづく


次回は『魔法の指輪』の謎とクリスの出世の秘密に迫れ……るかな?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ