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スケルトン転生記  作者: ルーラル
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ようこそ

大体の状況は把握できた。つまり、冒険者登録を終えていない俺はまだ一般人。そんな俺に冒険者が喧嘩を売り、あまつさえ決闘騒ぎになったにも関わらず、それを止めなかった冒険者ギルドはまずい立場って事か。

わざわざ応接室に連れてきたのも冒険者ギルドとして正式な謝罪をするためと言う事だろう。

しかし、正直あれは俺らにも非はあると言うか……。あのナゲットとか言う冒険者が言ってた事は大体正論だし。冒険者なのに血を流すのはできません、なんて事言ってたら帰れと言われるのも当然なわけで……。それを、リーベが売り言葉に買い言葉で引っ込みを突かなくさせただけなんですよね。

……これ完全にこっちが悪いよな。


「あの、やっぱりこっちにも悪いところありましたし、本当に気にしないでください」

「そうは言ってもなぁ……。にいちゃんは気にしなくても他のところがうるさいんだよ」

「他のところ?」

「ああ、冒険者ギルドとは別のギルドの奴らだ。あいつら、隙があればすぐにつけ込んでくるからな。今回の件をうやむやに解決しようとしたら、どんなことを言われるか……」


そういってギルドマスターは頭をかかえる。その姿からは悲壮感が漂い、相当苦労している事が察せられた。


『他のギルドって?』

『商業ギルドとか、鍛治ギルド、薬品ギルドなんかの大手ギルドのこと。表向き手を結んでるけど、大体いつも利権争いしてる』


リーベに確認したところギルドとは冒険者ギルド以外にも存在しているらしい。その上、笑顔で握手をしながらテーブルの下で蹴り合うような仲だと言う。

なんかやだな、その関係。


『しかし、そうなると俺はどうすれば良いんだ? 賠償でも求めれば良いのか?』

『うーん、私もそれが一番丸く収まるのではないかと。今回、経緯はどうあれカルホネさんは被害者と見られるようなので……』

『めちゃくちゃ気がひけるんだが……』


ハクギョクも同意してくれているがここで金を受け取ってもなんか悪いことしたみたいで罪悪感がすごい。他に何とかする方法はないだろうか。


『そう言うことなら私に任せる』

『リーベ、何か案でもあるのか?』

『妙案を思いついた』




「ギルドマスター、提案がある」

「……何だ?」


悲壮感を漂わせていた所に急に話しかけられ驚いたように顔を上げるギルドマスター。しかし、提案と言われ訝しげにリーベを見る。


「問題になっているのはカルホネが未登録の一般人だから。なら、すでに冒険者登録を終えていたことにすれば良い」

「……つまり、あれか? 冒険者と一般人が争ったのではなく冒険者同士が争ったってことにしろと?」

「そうすれば、ただの喧嘩。ギルドの不介入に口を挟む事はできない」

「確かにそうだが……、そのために不正を働けと?」

「どの道ギルドには入るつもりだった。時間が少しずれるだけ。あなたたちとしてもこれは悪くない取引」

「元々、そういう落とし所に持ってくつもりだったが、……そっちのにいちゃんはそれで良いのか?」


突然話を振られ驚く。正直、それができるのならそうしたいが、冒険者登録のためには血が必要なはずだ。あいにく、俺には血なんてものは流れていない。なにせ、スケルトンだからな。


「できれば、そうしたいが……」

「確か、血を流すのがダメなんだったな」

「まあ、そうだな」

「それでよく、冒険者になりたいなんて言えるな……。何か理由でも……いや、これは聞かないことにしよう。迷惑かけた詫びと思ってくれ」

「いえ、ありがとうございます。でも、血がなくて登録できるのか……じゃない、ですか?」

「無理に堅苦しく話す必要はない。それと質問の答えだが……そろそろ来るはずだ」


ギルドマスターがそう言うと同時だった。扉がノックされ、カレンと呼ばれていた獣人の受付が入ってくる。相変わらずすごい胸……ではなく、何か手に持っている。


「ギルマス、言われたものをお持ちしました」

「おお、ちょうどよかった。それの話をしようとしてたんだ。こっちに持ってきてくれ」


ギルマスはカレンさんから水晶のようなものを受け取ると、俺の目の前に置く。この世界では、魔道具のほとんどは魔物の核が使われている。電池のように魔力の供給源にするものもあるが、これは魔物の核に直接魔法陣を刻み込んだものだろう。ちなみに俺の核にも刻まれているが詳細は知らない。

これをこのタイミングで持ってきたと言うことは、血を利用しない冒険者登録に必要ということだ。


「ま、だいたい予想はつくだろうがこれに魔力を流せ。そうすれば登録が終わる」

「……カードはどうするんだ?」

「安心しろ、魔力を流すとそばにある未登録のカードに登録されるようになってる。この装置は高貴な血を流したくないとか抜かす貴族様の為に作られたものだが、ちょうどにいちゃんにはぴったりの代物だ」


確かに俺にはぴったりだ。

魔力を流すと近くに置かれていた俺の冒険者カードに魔力の糸が伸びていくのがわかる。冒険者カードと繋がり、しばくすると魔力の糸が切れてカードが一瞬だけ発光した。

面倒はあったが、これで晴れて冒険者の仲間入りを果たすことができたな。


「これで登録完了だな。いろいろあったがとりあえず、ようこそ冒険者ギルドへ」


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