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スケルトン転生記  作者: ルーラル
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これ、どうすんの?

「ここが修練場だ」


俺たちはナゲットに連れられ修練場に来ている。リーベとナゲットが言い争った結果、俺とナゲットが戦って白黒つける事になった。俺は全く同意してないけど。


「……あの、お辞めになった方が……」

「……受付は引っ込んでて。そもそもギルドは冒険者同士の争いに不干渉なはず」

「いえ、ですから……」

「そうだぜ、カレンちゃん。これは俺らの戦いだ」


なんか、受付嬢がすごく微妙な顔してるんだけど……。やっぱ辞めない?


「それじゃあカルホネ準備して」

「へっ、腰抜けはビビって動けねーんじゃねえか?」


無理ですか、そうですか。やりたくないなぁ。これ勝ったところでどうするのか考えてるのかな、リーベとハクギョクは。


『むっかつくぅぅ!! なんなんですかこの人! カルホネさん、軽くひねってやってください!』

「カルホネ、早く」


……考えていなさそうだな、これは。


リーベに押されナゲットから数メートル離れた所に立つ。ナゲットはすでに武器を構えていて、こちらをすごく睨んでいる。手に持っているのは刃が潰されていない本物の武器。こう言うのは普通刃が潰されたものか、木製の武器を使うもんじゃないのか?


「さっさと構えろよ。それとも本当に怖気付いたか? 針にすら怯えるんだ、お前には冒険者は向いてねぇ。怖かったら帰んな」


先ほどから何度も向いてないだの止めろだの言われてるが……、もしかしてこの人いい人か?

考えてみよう。冒険者になっても針に怯え血を流すことを拒むものがいたとしたらどう判断するか。……俺なら絶対辞めさせるな。

もしかしなくても、ナゲットはその辺りを気にして俺を冒険者にならないようにわざと難癖をつけているのかも知れない。

そう考えたら申し訳なく感じてきたな。散々気を使ってくれたのに、なんかウチのアホどもがムキになってすみません。


とは言え、ここで引けるような状況ではない。ギルドにいた冒険者は見世物とばかりに俺たちの小競り合いを見物。俺とナゲットを円形に囲み囃し立てている。おい、やめろ。リーベまで煽るな。ほら、怒っちゃったよ。


「仕方ない……」


適当にやって、それっぽく負けよう。そうすればナゲットの思いを無駄にすることなく自然にギルドから出られる。


「カレンちゃん、合図よろしくな」

「……はぁ、もう知りませんからね」


カレンと呼ばれる受付もいい加減に諦め、俺とナゲットの中間にたつ。


「それでは、初めてください」


え? そんなヌルッと始められてもタイミング取りずらいんだ——


「オラアアァァ!!!」


あぶなっ。攻撃してきたぞ、あいつ。いや、始めって言われたから攻撃するのも納得なんだけど。普通、武器抜いてすらいないのに攻撃するかよ。


ナゲットの攻撃は、本人の粗雑な見た目とは反対に基本に忠実。パワーもあり其れなりの実力者なのだろう。しかし、リーベの特訓を乗り越えた俺にはその軌道を読むことはたやすい。俺に攻撃を当てたければ全方位から毎秒数百単位でランダムに斬撃を飛ばすぐらいの攻撃じゃないと当たらないぞ。


「くっ、このっ。ちょこまかとっ、よけ、やがって」


しかし、このまま避けていてもしょうがない。だいたい力もわかったし、二、三回打ち合って攻撃を受けて終わりにしよう。

俺が腰にぶら下げた刀に手をかけるとナゲットは警戒したように下がった。


「ようやくやる気になったか……。避けるのは得意みたいだが実力の程はどうかな」

「まあ、そこそこだよ。そこそこ」


ステータス通りの純粋な筋力なら俺はスライムにも負ける。しかし、魔力による強化、スライムの肉体による増力、二つの強化で俺は力を調整できる。ナゲットの力より少し劣るくらいに調整して……


「身体強化か……それぐらいは出来なきゃな。なら俺も使わせてもらうぞ」


え? ちょっと待って。それだと調節が……


「オラァァ」「ちょ、ま」


身体強化により加速したナゲットは瞬きにも満たない時間で距離を詰める。俺は未だに刀を抜いていない。完全に出遅れた。どうせ大した速度は出ないと思って油断してた。このまま剣を受ければ傷から血が出ず俺が人間じゃないことがバレる。


こうなったら!


「な、グボォッ」


気持ち悪い声を発しながら、回転をかけ吹き飛ばされるナゲット。野次馬はナゲットを避けるように割れる。


「……あぶねぇ、うっかり攻撃くらうところだった」

『やりましたね、カルホネさん! しかし、まさか刀に手をかけておきながら腹に一発拳を叩き込むなんて、意外と策士ですね』

「性格悪い……」

「うっせ……。急に身体強化されて刀を抜くタイミングを逃したんだよ」


ま、これでナゲットに勝つことが……勝つことが、——勝つことが?


……あれ? 負ける予定だったのに、勝っちゃたんだけど。


「お、おい、コイツ息してるか?」

「てかあいつナゲット殴り飛ばしたぞ?」

「ナゲットって言ったらそれなりに強かったよな」

「なんであれだけ強くて針が怖いんだ?」


野次馬が騒がしくなってきた。ナゲットはゴキブリみたいに足をピクつかせてるから大丈夫だよな。


しかし、野次馬たちに囲まれて逃げられないんだよなぁ。


これ、どうすんの?


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