プロローグ
初投稿です。文章が下手なのは許してください。
周囲の音が遠のき世界と自分が切り離されていくような感覚に浸る。薄れゆく意識の中でコンクリートにゆっくりと染み渡っていく赤を眺めていた。
彼は〇〇大学の学生で、今年でちょうど二十歳を迎えた。
どこにでもいる普通の人間で、特別不幸な人生を歩んできたわけでもなければ、すごく幸せな人生だったわけでもない。
友達もいるし、家族中も悪くない。失敗もしてきたし後悔なんて数えることが無意味に思えるほどしてきている。
それでも、それは特別なことではなくごく当たり前に誰もが通る道ばかりだ。
そもそもの始まりは些細なことだった。それこそ、道端に落ちている石ころを小突いてみたとか、適当にゴミを投げたら偶然ゴミ箱にうまく入っていったとか、話題にすらならないようなことだったのだろう。
いつものように起きて、いつものように家を出て大学へ行き、サークル活動をして、友人と飲み屋に行って帰る。そんな日常を送るはずだった。
しかしこの日、そうはならなかった。
実際は大学に向かう途中に誰かがうっかり割った窓ガラスが頭上降ってきて、驚いて回避した先に車が来ていて、さらになんとか回避した先で・・・。
気づけば、彼はコンクリートに打ち付けられていた。
(ああ、これ死ぬなぁ)
どこか他人事のように考えながらも突然訪れた死にどことなく理不尽も感じる。
(こんなことなら二次会に参加すればよかった)
今頃楽しく飲み明かしているだろう友人の姿を思い浮かべ悪態をつく。明日、早くからある講義を気にして二次会の誘いを断ってしまったことが悔やまれる。
指から熱が遠のき、痛みもとうに引いている。ついに光すらも霞んでいき、残されたのは孤立感と身を凍らせるような寒さだけだった。
長く、長く、走馬灯のように引き伸ばされた時間を終え、深い闇の中へ沈んでいった。