情報伝骨
「なにぃぃぃぃぃぃぃ!!!」
シックスが片眉をあげながら声を張り上げる。
「まぁまぁ、たいしょー」
クライドが、シックスをなだめる。
シックスの機嫌が悪くなった理由は
シリウスの提案のせいだ。
クライド隊戦力の整備を計画から管理まで人選を含めて
全てシリウスに依頼してるのだが
その一環として、ゴロム、エイト、ジュニ
に対して、話し合いや連携をしたい。
という申し出がシリウスから出たのだ。
その申し出を聞いた瞬間、シックスが声を張り上げた。
「まぁまぁじゃねーだろーが!
ゴロム、エイト、ジュニ、つまりパックス、ナグル族、
イコン族と連携がしたいということだ!」
「そうだけど?」
すまし顔のクライドに対し、シックスはさらに
ヒートアップしながら
「バカヤロー、なにすました顔でそうだけど?だ!」
「何怒ってんだよ大将」
「諜報工作部隊と連携したいと言ってるんだゾ!」
「わかってるけど?」
「本当にわかってて言ってんのか?あー?
諜報工作部隊はオメーの力の源泉だろうが!」
諜報部隊が力の源泉?俺の?
形はクライド隊でも実際はそれぞれに当主がいる。
イコン族に至ってはクライド隊ですらない。
それが俺の力の源泉?そうなの?
そうなのかな??違うんじゃない?
「力の源泉かどうかはともかく、まぁ何が問題なの?」
「問題なの?だとぉ!!混沌者だぞ!」
俺達を心配してくれているのはありがたいけど
仲間になってくれたシリウスをいつまでも敵扱いする
その態度はちょっとイラっとする。
「大将!まだ疑ってんのかよ!この間納得したって
いってたじゃんかよ!けつのあなちいせーなー!」
「ワシはなぁ!おめーらのことを考えて!」
「いや、違うね!」
「なんだとぉ!コノヤロー!!」
今にも殴り合いが始まりそうなクライドとシックス。
「まぁまぁ、大将もクライド様も」
二人の間にふわりと割って入る者がいる。
シリウスだ。
「シリウス、てめーコノヤローお前のことでもめてんだ!」
シックスの怒りの矛先がシリウスに向く。
しかしシリウスは、動じずニコリと笑い
「では大将、なんだったら今、先日の約束
果たしてもらっても構いませんよ?」
「・・・」
シックスが黙り込む。
なんだろー、穏やかな表情なんだけどこの凄み。
大将がちょっと引いてる?約束って何??
しばらく沈黙の後、シリウスが
「まぁ、大将のご心配もわかります。
皆の最期の砦という心意気もご賛同できます。
ですからここは・・・」
そういうとシリウスは、奥に引っ込み
ボニーをつれてきた。
「な、なんだい、なんだい??」
急につれてこられたボニーは戸惑っているが
それを気にせずシリウスは話を続ける。
「ということで、ボニーさんに間に入ってもらいましょう。
パックス、ナグル族、イコン族からの報告は
ボニーさんが間に入る。
私はボニーさんからのみ報告を受ける。
そして、パックス、ナグル族、イコン族への指示は
私から直接ではなく、ボニーさんから行う。
私は、決して彼らと接触しない。いかがですか?」
シリウスは穏やかに微笑みながらシックスを見る。
「けっ、そこまで言うなら仕方ねー。
お嬢ちゃん、たのんだぞ」
ボニーの肩をポンとたたくシックス。
「え?え?なに?なんなのさ?」
急に連れてこられたボニーは
事態を飲み込めていないようだ。
そこで、クライドが経緯を説明する。
「えーーー!!!ちょっと無理だよ!急にそんなこと
言われてもアタシそんなことできないよ!」
両手を前に出し、無理無理無理とボニーは手と首を振る。
そんなボニーに対しシリウスは
「大丈夫ですよ。ボニーさん。
何が重要か重要でないかは判断せずに
全て報告を受けてください。
その後、どんな些細なことでも構わず私に教えてください」
「報告って・・・クライドとか大将とか魔王様とかが
やってることだろう?そんな大切なこと、
みんな、アタシにちゃんとしてくれるか心配だよぅ」
不安そうに下を向くボニーにシリウスはニコリと微笑み
「大丈夫です。
彼らの言うことを真心を込めて聞いてあげてください。
それで良いのです」
「真心を込めるってどうやって・・・?」
「彼らを心から愛せば良い。慈しめば良い」
「あいす・・・」
「そうです」
「いやーーんシリウスさん、きちゃない連中から
蹂躙されるのが許されるはイケメンだけだよぅ」
何かスイッチが入ったボニーに対しクライドが
「何言ってんだ、えろばばぁ」
「んだと!クソ骨!」
「ま、まぁボニーさんがいつも屋敷の皆に接しているのと
同じようにやれば良いですよ」




