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吹き荒れる策ボーンの嵐

「すごいじゃないかい!ザイン!」


「そっただことねーだ」


「そんな謙遜だよー、ねっ!」


「そうだぜぇ、ザイン!

おれは戦うしか能がねーからよー

すげーと思うぜー」


「そんなおだてねーでけれ。シェイさ」


クライド、ザイン、ボニーそして

シェイがボニーの家で宴会をしている。


任務が無事終わったことに対する

打ち上げだ。



相変わらず、ナグル族、パックスを

使うことはできない。


それをどうにかする策も思いつかない。

それでも任務は次々とやってくる。


現時点では、どちらかと言えば

調査や事務的な任務が多いため

ナグル族やパックスに頼らなければ

ならないということは無い。


それでも位階が上がったことで

その難易度は上昇しており

イコン族の助けは絶対必要だし

クライド自身も八面六臂の活動を

強いられる。


平行して任務を進めなければ

ならなくなってきており限界を

迎えようとしていた。


そんな折、ザインが意外なところで

力を発揮する。


「兄者、この任務はイコン族が

遊ぶことが多いべ。だったら

こっちの任務に割いたらどうだか?」


「兄者、こっちの任務をやってる時は

兄者が忙しくなりすぎるべ。

少し期限をずらしたらどうだか?」



平行して進める任務とイコン族の能力、

クライドの状況。

これらを把握し的確な

スケジュールの提案を行ったのである。


そうなるとクライドの決断は早い。

注)人任せ、無責任とも言う。


破綻しかけている複数の任務全てと

予測される任務や状況の全てを

ザインに教え、管理を任せたのである。


必殺技部下信心(マルナゲ)!!」



その結果、破綻しかけていた

クライドの任務は全てこなすことが

でき、おかげで厳しい状況を無事

乗り越えることができた。



そして冒頭の宴会につながる。


ザインの才能が開花したことは喜ばしい。

普段ならば大喜びするクライドであったが


今は素直に喜べない。

どんなに優れた管理者がいても

それを実行する人手が無ければ

どうにもならない。


それに、もしイコン族では手に負えない

荒仕事が来たらどうする?

もっと言えば、この状況が続けば

クライドは調査や事務といった裏方は

できるが、荒仕事は任せられない

というレッテルを貼られてしまうと

魔王軍で成り上がるという

クライドの野望が躓いてしまう。


どうしたものか・・・・。


わいわいと宴会をする3人をよそに

クライドは一人ふさぎ込んでいた。




翌日

クライドの元へラ・モンドから

の使者がやってくる。


任務だ。



どうにか任務地獄を切り抜けたが

根本的な解決にはまったくなっていない

ところに、休む間もなくまた任務だ。


やれやれ、とクライドは一人

ため息をつき、魔王城内、デグの

執務室へ向かう。



部屋には、デグとラ・モンドがいる。

ラ・モンドがいるということは

特別な任務だ。


「よくきたクライド。先日から任務の連続

ご苦労。休みもまともに無い状況で

疲れているところ申し訳ないが

任務だ」


ラ・モンドがクライドにねぎらいの言葉を

かけながら、次の任務の話をする。


高位にある者が下位の者に気を遣う

というのは、目をかけている

特別視している。

とも言えるのだが、どうもそこらへんが

鈍いクライドは


「はっ!疲れておりますが

任務いたします!」


と答えてしまう。


「通常であれば次の任務まで間を

あけるのだが、魔王様直々でお主指名

の任務なのだ。許せよ」


とラ・モンドが返す。



正規兵として、もう大分上の位階だからな

魔王様直々のご指名はあっても

おかしくないさ。

だけど、ナグル族、パックスが使えない

という状況は悪いよね。


っていうかこんな状況を作り出したのは

カーツやジュードの暗躍があるとはいえ

魔王様じゃん。


と不満タラタラのクライドの気持ちを

気が付かないのか、無視してるのか

ラ・モンドが続ける。


「任務の内容の前に現在の状況の話だ。

知っての通り現在我々はドーガ家と

争っておる。

そのドーガ家が我々に仕掛けてきたのだ」


へぇ、今まで守る一辺倒、後手後手だった

ドーガ家が何か仕掛けてきたんだ。



「正確にはドーガ家というよりも

"混沌者"が仕掛けてきた」


あ、やっぱり。


「"混沌者"は周辺各国と大同盟を組んで

魔王軍にあたろうとしている」


確かに一国で魔王軍に相対するのは

キツイ。ましてや疲弊している

ドーガ家にとってはもはや絶望的だ。

それゆえ、他国の力を借りるという

手段は有効ではあるが、そもそも


「そんなのこと、できるんですか?」


だいたい、いつの時代、どこの国も

突出した一つを叩こうと周囲が大同盟を

組もうとするとバラバラになって結局

撃破されちゃう。

というフラグだ。

それほど人間の欲望は罪深い。



「もちろん難しい。

だが共通する目的があれば可能だ」


人間の欲望は罪深い。

しかしその欲望が逆に連携を深めることも

ある。たとえば


「魔王を倒して平和を取り戻すとか?」



「ふふっ、

人間はそんなに清廉ではないよ。

もっと欲望に根差すか差別意識を

くすぐるような目的じゃないと動かん」



「じゃあ何を・・・?」



「そこが"混沌者"の

恐ろしいところであるが。

やつの主張はこうだ」


他の魔王軍の連中はにっくき"混沌者"

ってシンプルな感情なのだが


"混沌者"の話をするときの

ラ・モンドさんは、憎々し気なのか

嬉しそうなのか

計り知れない雰囲気を出す。


好敵手って感じなのかな?

強敵と書いて友と呼ぶ。的な?



「我々人間軍はリュウ位貴人皇団を

お守りしているが

魔王軍には

そういった正当性が何一つ無い!

そんな下賎な者どもをはびこらせて

良いのか!ってな」


ナニソレ。


「そうだ、人間どもはリュウ位貴人皇団

守るなぞしておらん。

ただリュウ位貴人皇団に金を出して

守っているという形式の正当性を

買っておるのだ。

しかし人間の高い地位にある者どもは

この正当性を理由に本気で動くのだよ」


「それって"混沌者"に

良いように操られている。

奴の思うつぼじゃないですか」


恐るべし"混沌者"。

自らの手を煩わせずに

舌先三寸で他勢力を利用して

魔王軍に圧力をかけてくる。


「その通りだ。愚かな人間よ。

そしてお主に与えられた今回の任務は

この"混沌者"の策を潰すことだ」


策を潰せって言われても・・・。

困惑した表情のクライド。


「どうやってでしょうか?

各国に何か通達を出すのですか?」


だめだ、何も思いつかん。



「違う。魔王様は

お主に何か策を張り巡らせよという理由で

ご指名はせぬよ」


とラ・モンドがちょっと笑う。


あれ?さりげなく失礼じゃね?

とクライドは思うがとりあえず聞き流す。


「魔王様がお主を指名した理由は

お主、リュウ位貴人皇団にツテが

あるそうだな?」


あー、御庭番の時

魔王様の命令で、リュウ位貴人皇団の

一つ、ガーチェ・ノアっていう

金に汚いおじゃおじゃ言う

おっさんと顔つないだわ。


「我が魔王軍には対等に

リュウ位貴人皇団と顔をつないだものは

おらん」


デグが心なしか残念そうな顔をする。



「そこで、お主がリュウ位貴人皇団に

掛け合い、魔王軍にも正当性を与える

ように工作せよ。これが今回の任務だ」


なるほど、相手が攻めてくる理由である

正当性の無さを取り除けば今回の

"混沌者"の策は不発に終わる。


理由は理解したが

ガーチェ・ノアと言えば・・・。


「でも、金かかるっすよ?」


そう、

良く言えば非常にお金を大事にする。

悪く言えば金に汚い。


ということは、正当性を依頼するとなると

大金がかかることは容易に想像できる。



「かまわん。

相手の望む額を与えてやれ。

というのが魔王様のご意向だ」



なるほど、金額に制限が無いなら

なんとかなりそうだな。


だけど、ガーチェのおっさんには

このことは隠さないとな。

無制限に要求されてしまうし。


あ、そうだガーチェのおっさんだから

ザンビエ商会のケイ・ウラーに

一応許可とろう。

ボニーがちょいちょい世話になってるし

何よりガーチェのおっさんと

顔つなぎできたのはケイのおかげだ。


それに、最近ご無沙汰だもんな。



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