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結果報骨

魔王軍として初任務で小麦をできるだけ

高値で売るという任務を受けた。


商売と言えば、ザンビエ商会。

つまりケイ・ウラーの助けを借りようと

来たわけだ。


クライドがケイに詳しい話をすると


「良いでしょ!喜んでひきうけましょ!

ウラー家の粋を集めて最高の結果を

叩き出しましょ!

第一歩を踏み出したあんさんへ

ワテからのご祝儀だす」


快く引き受けてくれた。




「それじゃよろしくたのむよ」


クライドはウラー商会に対して

小麦の運送、金銭の授受その他もろもろの

手配をザインと一緒に済ませた。

―こういった細やかなことは

ザインにもしっかりと

覚えてもらわないといけないからね―



「手配全部終わったよ」


クライド達がケイの部屋に戻ると

ケイ・ウラーとボニーが

楽し気に話ている。



女子会ってやつですか。


「あ、終わったかい?じゃアタシも

そろそろ」


とボニーが席を立つ。





「おおきに、また来てや」



にこやかなケイに見送られ

3人は帰宅の途に就く。




「なんの話をしてた?」


「財政のコツとか、そんなこと。

いっぱい勉強になったよ。

楽しかったし。

ケイさんが、また商売の勉強しに

おいでって言ってくれたんだけど

ホントに行っても良いかな~?

図々しいかな~?」


とボニーが楽し気に言う。


「良いと思うよ。

図々しいとか気にすんな」





それに、社交辞令なら

また遊びにおいで

とか当たり障りのない表現で言うはずだ

商売の勉強しにおいでってのは

ニュアンスがちょっと違う。


ケイは、もしかしたら

ボニーに何か見出してくれた

のかもしれない何て都合よく思う。





魔王城へ帰城してデグへ報告。


デグがいつも詰めている執務室へ入る。


個室へ報告に行くって、なんだか

パックスの大将への報告を思い出す。

大将は受け答えが下品なんだよな。


さて、デグさんは。


部屋へ入るとデグが何かの書類に

目を通していた。


一通り任務の報告を終えると


「うむ、クライドご苦労。

一番乗りだな」


と声をかけてもらった。



魔王城から帰り道。

これから数日のことを考える。


まだ全員の結果が出てないから

結果が出るまで待機。

次の任務は出ないそうだ。

つまり、しばらくお休みだ。


この間は、何してても良いらしい。

過ごし方は

自分を磨いたり休んだり色々らしい。


そこでボニーには

ケイのトコ行っても良いから商売の

勉強しろや、と指示をしようと思う。


ザインには城の施設の説明を

してまわろう。


自分の部屋に戻ると

シェイがいた。


「よぅ!俺休暇中なんだよ。

クライド!おめー暇か?」


「あぁ、任務結果待ちだよ」


「おぉ!休みか!どうだ

どっか遊びにいかねーか?

ザインとボニーも誘って4人でよー。

ここら辺の遊び場案内するぜ!」


「おぉ良いねぇ!ぜひ遊ぼうよ」


とクライドは即答する。



シェイ、ボニー、ザイン。

言ってみれば会社の同僚だ。


会社の同僚達と遊ぶ・・・。


前の世界では考えられないことだ。


会社の人間と過ごすなんて

絶対にありえない。

個人的になんでプライベートまで

会社の連中と過ごさなきゃならないんだ

なんて思っていたクライドだが

今は、こんな関係も楽しいな

なんてふと思う。



4人で大いに遊び

またそれぞれ自己研鑽に励み

充実した数日を過ごしていると


ある日、魔王城から使いが来た。

デグさんからの呼び出しだ。

どうやら結果が出たらしい。




魔王城、ラ・モンド軍専用広間へ

行くと既に数人の魔物が待っていた。


任務を受けた時より人数が少ない。

まだ全員来てないのかな?


なんて考えていると


クライドの到着をもって

デグが


「それでは、任務の結果を知らせる」


と、発表をし始めた。



思わずクライドは


「ちょ、ちょっと待ってください。

まだ全員そろってないと思うんですが?」



「いや、今回の任務で残ったのは

これで全員だ。

他の者は、任務中に死亡及び逃亡だ」


任務中に死亡って

小麦売るのに何したら

死亡できるんだよ・・・・。


あと逃亡って・・・小麦売るのが

逃げるほどつらいか???


と不思議そうにしていると

クライドの隣に立っていた魔物が

小声で


「なんでも小麦持ち逃げしようとして

殺された奴と逃げ切った奴が

いるらしいゼ」


と話しかけてきた。


仕事の小麦持ち逃げて・・・・。

ここらへんはさすが魔物や・・・。

モラル低すぎだろう・・・。


しかも失敗して殺されるて・・・。

ここらへんはさすが魔王軍や・・・・。


などとあきれるような

何とも言えない気分でぼーっと

していると


デグによる今回の任務の総評が終わり

結果発表が行われだした。


小麦換金の金額を下から順に

発表している。


当然と言うべきか何と言うべきか

クライドは、換金額一位だった。


しかも二位と10倍以上差がある

ぶっちぎりだそうだ。


同じ任務をこなした魔物達が

驚きの表情をしている。


デグさんが言うには

クライドのぶっちぎりの結果だけで

持ち逃げされた損益は余裕で

回収できており、逃亡分はまったく

気にしないで良いそうだ。


気にしないで良いというわりに

持ち逃げした奴の数人は消されたけどな。



そしてクライドの小麦換金の金額は

魔王軍始まって以来の記録だそうだ。


デグさんが言うには

ラ・モンドさんもお喜びだそうだ。


クライドの任務結果の説明がなされる

たびに、同じ任務をこなした魔物達の

表情が驚きから羨望へと変わっている

のがわかる。


「そして、クライド。

君には追って7位階の任命が下りる」


魔王軍は

第7位階から第一位階まであるのだが

その一番下の7位階に昇進だそうだ。


一番下の位階とは言え、ほとんどの

魔物は位階無しである。

つまり今回の任務で魔王軍の幹部候補

くらいにはなったといえる。



クライド的には、はやくね?

って思たが

一回の小麦の分量で10回分の任務を

こなしたようなもんだから

まぁ将来性も見てってとこかな。

と思うことにする。



「以上だ」


デグの説明が終わった。





広間を出る時の他の魔物達の

羨望の眼差しがちょっと心地良い。




魔王城を出ると

ボニーとザインが心配そうな顔して

待っていた。


「兄者!どうだったべ!?」


「どうだったんだい?クライド!」


クライドはニイっと笑いブイサインを出し


「ぶっちぎりの一位だったぜ!」



「やったーーー」

「やったべーーーーー」


三人は手を取り合って喜んだ。


しかし

相場の高いところを狙って換金できる

とはいえ、他の魔物達と同じ小麦の

分量なのに10倍はちょっと

大きすぎだろうと思いボニーに


「でも2位と10倍以上差があるって

言われたんだけど変じゃないか?」


と聞くと


「あー、何回も売り買いを

繰り返したんだよ。

まず高いとこで小麦を売るだろう?

そのお金で今度は小麦が安いとこで

小麦を買うんだよ。

そしたら前より小麦が増えるだろう?

そしたらまた高値な地域で小麦を

売るんだよ。これを繰り返したのさ」



なるほどね。

もちろん相場は動くから

そんなに単純なことではないが

ケイの力を持ってすればこれくらいは

可能なんだろうな。



さらにボニーが言うにはケイはあと

数回繰り返してもっと増やしたかったけど

期間もあるから、

今日のところはこれくらにしといたろ。

だったそうだ。





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