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ありがとう、さよなら

現当主であるサー・ドーガ。


本人評価は

自分が世界で一番、俺つえー。

しかし、現実、本人の実力は

残念な物である。


周辺評価は

自分と血がつながる親戚と寵愛する愛人の

親戚以外は信用できねー。

頭使う系は弱者。

という考えでこれまでドーガ家を

支えてきた功労者である3貴族を

邪険に扱っている。

とくに"混沌者"を忌み嫌っている。




魔王城庭園。

頭巾をかぶりリラックスした服装の

魔王が、クライドと庭園で謁見していた。


「報告以上でございます!

僭越ながら、今後の方針ですが

"混沌者"を含め3貴族の離反を促すような

策をとることをお勧めします」



「長期にわたる調査ご苦労であった。

骨!キサマの御庭番の任を解く!」


え!?

ええええええええええええ!!!


「えー!!!

今の提案まずかったっすか!!!」



「"っすか"って

なんじゃーーーーー!!!!

私は絶対に体育会系の口調は

認めんぞーーー!!!!!!」


ぎえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ

「すいません、すいません、すいません」


久しぶりにガチで怒られた

クライドであった。




「じ、じゃあ、任を解くって

報告にマズイことが・・・」


「そうではない、

先ほどの報告とその分析、提案は

見事である。

私の思惑とも一致しておる」


「じゃあなんで・・・?」


「骨!

御庭番の任を解き、正規兵を命じる!」


「え・・・、え!!!!!」


これまで諜報員という裏方であった

クライドが正規兵、表に出る

ということだ。



思いのほかドーガ家攻略に手間取っている

魔王は業を煮やし、

とうとう自分の戦略を理解し、

器用に情報部隊を使いこなす

この使い勝手の良い骨を裏の世界から

表の世界へ引っ張り出す決心を

したのである。



そして理由はそれだけではない。


魔王はクライドから目をそらしぽつりと


「シーノの・・・あいつの

最期の頼みでもあるからな・・・」



「え???」


「シーノは天から

お前を見守っておろう。はげめ」


そういうと魔王は去っていった。




「がんばってるあの子に

余計な心配をかけたくありません」


というシーノのたっての願いで

ドーガ家調査中のクライドに対して

シーノの体調がすこぶる悪いことも

その後亡くなったことも

魔王とエイトにより全て伏せられた。





魔王城を出て一人

とぼとぼと歩くクライド

ただ、無表情でぼんやりと歩く。

その表情からは何もうかがうことが

出来ない。



「お名前はクライドと言うのですか」


「クライド!

ちゃんとスットコドッコイに

餌あげましたか?」


「クライド the スケルター

というのはどうですか?」


「ふふっあわてんぼさんですね」


「そうですか、よーくがんばりましたね」


「クライド、迷惑に思うかもしれませんが

私はあなたのことを

弟のように思っていますよ」


「クライド、羽ばたきなさい!」


「元気にしていましたか?クライド」


「あの子は一流の大将になります!!」



クライドの脳裏に浮かんでくるのは

優しいシーノの笑顔。

この世界に来てこんなに

優しくされたことがあっただろうか?

いや、この世界に来る前から

こんなにも温かく迎え入れてもらった

ことがあるだろうか?


いつも自分を信じて優しく、そして

温かく見守ってくれたシーノがいない。




クライドは魔王領内をトボトボと歩き続け

やがて周囲に誰もいない街外れの森へと

たどり着いた。




突然膝をつき倒れこむ骨一体。


「おぉぉぉぉぉおぉぉぉぉぉ」


恐ろしくもひどく悲しい

慟哭があたりに響き渡る。








どれくらいの時間がたっただろうか。


やがて涙も枯れたころ

クライドは、ふと後方に気配があることに

気が付いた。




ゆっくりと振り向くとそこに

シェイが立っていた。


とても悲しそうな顔をしながら


「魔王様からの伝言だ」


と口を開く。



今までの深い悲しみが反転したかの

ように、クライドは激しい言葉を発する。


「伝言?そんなのどうだって良い!

どうしてエイトさんや魔王様は

俺に何も教えてくれなかったんだ!

そんな相手の言うことなんか

聞きたくない!」


シェイは何も関係ない。何も悪くない。

ただの八つ当たりだ。

そんなのクライドにだって

よくわかっている。


だけど、どうにも抑えられないのだ。



「わりぃな俺も言えなかったんだよ。

お前に何も伝えるな。というのは

シーノさんの頼みだったんだ。

あの子に心配かけたくないってな」


「うぅぅあぁぁぁぁあぁ」


慟哭するクライド。


その背中に優しく手を当てるシェイ。

その目は真っ赤だ。



「クライドよぅ

伝言預かってるけどよぅ

今日は飲もうや」









翌朝。

シェイの優しさのおかげで



悲しいことは悲しいけれど。



シェイに八つ当たりしちゃったなー

と反省するくらいには

平常心を取り戻しつつある

クライドであった。



部屋へシェイがぼさぼさ頭で

入ってくる。


「おう起きたか?」



「あぁ、シェイ、昨日はすまなかった。

ありがとう・・・」



「んだよ、水くせーな。

困ったときはお互い様だろ?

気にすんなよ」


シェイの照れたようなニヒヒと笑う顔に

救われた気がする。



「でな、クライドよぅ

昨日伝えそこなったけ件なんだどさ」


「何だっけ?」


「魔王様からの伝言だよ」



あーそうだった、何か伝え忘れたことが

あったのかな?魔王様。


「部下を一人つれて

正式の辞令を受けにこい。だそうだ」


部下?


なんだそれ?


「部下って誰よ?部下って何よ?」



「正規兵になったんだろ?

正規兵はな、本採用になると

一人、自分の手足となるような

部下を一人持つことが出来るんだ」


自分の手足となり、また自分が

動けない時に代理人をつとめるような

そんな重要な人物だ。


「それってめっちゃ重要じゃないか?」


「そうだよ、普通は自分の一族、親戚に

なるなー。俺は、兄貴に頼んだ」



「兄貴?弟じゃなくて兄貴?」


「そう。6番目の兄貴。

頭は切れるし物腰柔らかいんだけど

体が弱くてな、でも優秀なんだぜ!

魔王軍に入れなかったから

おれの最初の部下という形にしたんだよ」



6番目てお前何人兄弟だよ?と

思ったがまぁそれは、

そのうち聞くとして。


「俺親戚とかいねーよ?」


転生者だもんね。



「そうさなー、

スケルトンの同族とか

親戚とかよくわかんねーなー。

門にいる奴とは違うもんなー。

意思のあるスケルトンかー」



「・・・・」


クライドは、おっちょこちょいで

ちょっと臆病者の「だべだべ」なまってる

スケルトンの顔が思い浮かんだ。




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