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骨とおじいちゃん

「おぉおお、よぅ来たなークライド」


ナグル族の屋敷。

ナグル族当主、ワズム・ナグルが

クライドを、孫が来たかのように

出迎える。



ワズムは、クライドが大物である。

(大物になるに違いない)

と勘違いしているおじいちゃんである。


破壊工作を専門とするナグル族の

当主であるため普段は厳しく威厳ある

オーラを醸し出しているのだが

クライドに対してはなぜか甘い。


クライドも初めて自分を最初から

認めてくれた相手、初めて任務を

成功させることができれた相手

そして色々と教えてくれるおじいちゃん。

ということで好意を持っている。


「ワズムさん!ご無沙汰しています!」


「おーおー、立派な挨拶して、

見違えたぞぉ」


「いやいや、あはは、照れる」


などと応じながらクライドは

ナグル族と手を組むにあたり

自分の地位をどこまで説明すれば良いのか

どういう方向性で話を持っていけば良い

のか、思考を巡らせていた。


ナグル族の屋敷に来ると居心地が

良いものだから、気が抜けてしまうが

流石にそこらへんは油断しない。


さて、どうしたものかと思案していると


「クライド!エイトから聞いたゾ!

お主、魔王様直属の諜報員になった

そうじゃな!お祝いじゃて!」


バレテーラ。


っていうか漏れすぎじゃね?

まぁ良いや。だったら話が早い。



「ワズムさん、今日来たのはその件

なんです」


「ふむ、魔王軍諜報員としてか・・・」


クライドは、自分が隠れ諜報員である

ということと

今回の任務の話をした。


「というわけなんです。

そして今回の任務だけじゃなく

今後、ナグル族とより一層の深い継続的

関係をと、魔王軍諜報員の立場としても

お願いいたしたいのです」


と頭を下げると


ワズムは

「おぉ!おぉ!クライド!

大きくなったのぉ!良い、良い

お願いされるでもない!

こちらこそ、お主との継続的な良き

関係を希望する!

ナグル族全てを上げ、

全力で協力いたそう!

よし、おい、誰か!ジュニを

呼んでまいれ!」


と奥へ声をかけた。


ジュニ?


しばらく待つと


「失礼します」


と、若いナグル族の男が入ってきた。


「うむ、こちらへ」


とワズムが若いナグル族を仰々しく

クライドのほうへ来るように促す。


「クライド殿。

これは、わしの息子、

ジュニ・ナグルじゃ」


ワズムの息子と紹介された若いナグル族の

男は


「ご紹介にあずかりました。

ジュニ・ナグルでござます。

若輩者ではござますが、

ご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い

いたします」


と完璧な儀礼にのっとって頭を下げた。


ワズムさんの息子・・・

あれ??もしかして

シーノさまと結婚するはずだったのが

婚姻破棄されたのって

コイツじゃね?


時代にほんろうされる

かわいそうな御曹司ってやつ?


「覚えているかどうかわからんが

クライド殿が、わしのところへ

やってきてイコン族シーノ殿との

婚姻破棄を伝えた際の破棄されたのは

これじゃ」


あ、やっぱり。

何?恨みか何か?勘弁して!


「もちろん婚姻破棄の件は事情が

あったのは今では十分理解しておるし

何よりクライド殿と知り合えたの

じゃからむしろ感謝しておるから

気にせんでの?一応ということで」



じゃあ、何の用があって息子さん

ここに連れてきたんですかねぇ・・・。


「息子をクライド殿に紹介したのは

他でもない、こやつを使ってやってくれ

ということじゃ」


使う?


「今後、ナグル族とクライド殿は

密に連絡する必要があろう?

ワシは残念ながら年齢もあるし

当主という立場もあるゆえ、ここを

離れられん。そこでこやつを

伝言役にでも使ってやってくれ。

もちろん迷惑かけんように一通り

ナグルの技能は仕込んでおる」



ワズムの息子ジュニは


「クライドさん、ご活躍はいつも父より

聞かされております。

どうぞよろしくお願いいたします」


と深々と頭を下げた。



あら、ごっつ良い奴やーん。



「一応、ジュニはナグル族で

トップクラスではある故

クライド殿の足を引っ張ることは無い

と思うが、まだまだ未熟者ゆえ

鍛え上げてやってくだされ!」


鍛え上げるて・・・。

ナグル族のトップクラスなら

教えることなんかなんもねーべ。



「良いか、ジュニ!

クライド殿から多くの事を学べ!

そしてナグルを背負うにふさわしき者

になって戻ってこい!」


「はい!父上!」


えーっ・・・

何も言ってないのに話勝手に

進んでるやーん。



ジュニ・ナグルはクライドのほうへ

向き直り、改めて姿勢を正し


「クライドさん。足手まといに

ならぬよう精一杯務めさせて

いただきますので、どうぞよろしく

お願いいたします」


深々と頭を下げた。


いやーん、ごっつ良い奴やーん。



「クライド殿、不出来な息子だが

どうぞよろしくお願いいたす」


ワズムまで、深々と頭を下げた。



もう断れる雰囲気じゃなくね??

し、仕方ない。



「じゃ、じゃあジュニさんには

パックスとナグル族の伝言役で

動いてもらうことが多くなると

思いますがよろしく」


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