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06 光(ひかる)
もしもこどもが生まれたら
「光」っていう名前にしよう
男の子でも女の子でも
いい名前だねとぼくは言った
きみはいろいろ楽しそうなことを
夢に描いているみたいだった
人はたぶん夢をみないと
生きていけない動物だから
もっとたくさん夢をみるべきだ
たとえその確率が
端数処理をしたらなくなってしまうような
わずかなものだとしても
きみとぼくが親になったら
光からはどう見えるのか
そんな想像だって悪くない
明日
鸛が光をつれてやってくる
その確率は
ゼロより少ないとしても
ぼくらにはもっとたくさん
楽しいことが待っているはずだ
信じることをやめなければ
微笑むことをやめなければ
きみもぼくも
ずっと手をつないで歩いていける
たとえそれが夢だったとしても
もっとたくさん夢をみるべきなのだから
歩き続けるためのエネルギーなのだから
目には見えなくても
なくしてはいけないものだって
よく分かっているのだから