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それでも僕は夢を見る  作者: 工藤万智高
第一章『過去』
6/9

過去と贖罪と新メンバー

自室、といっても5人部屋だが、に戻って手に持ったままのリアライゼイターを見つめる。

「はぁ…」

自然とため息がもれた、明日訓練室に行かなくても追い出されるような事はないだろう、しかし…

自分のベッドにリアライゼイターと書類を放り投げる。


目を閉じれば思い出すのは、昔の戦友達と数えきれない程の思い出、今でもしっかりと覚えている。俺が殺した、俺が…殺した…。

「穢神と戦って死ぬのがせめてもの贖罪…か…」

自分に言って聞かせるが、もう一人の自分がそれは違うと呼び掛ける。止まらない。

「うるさい、うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい!!!じゃあどうすればいいんだよ!これしかないだろ!言ってみろよ!どうすればいいのか!」

薄い壁を何十回と殴った後、再びため息をつきベッドに腰かけてから先程中佐に渡された書類を手に取る。

紙をめくる音だけが一人っきりの部屋に響き続けた。


次の日、俺はリアライゼイターを持って訓練室に来ていた、時計に目をやると7:00と写し出されている。

近くに置かれている拳銃を取り的に銃口を向けた、時計の表示が7:01に変わった瞬間弾倉の弾をうち尽くす。

結果は80点中45点、相変わらず酷い腕前だ。

「はぁ…銃器はどうも苦手だ、」

拳銃に弾を詰め直しもとあった場所に置く。


その後、手頃な棒を手に取り、畳の敷かれた柔道場に一礼してから入る。その後、棒を使って短い演舞を一つ、

(やっぱこれが一番手に馴染む…)

しかし、穏やかなのは一瞬だ、すぐに過去のトラウマがフラッシュバックする。

「くそっ…」

顔を歪めて棒を置こうとした瞬間、後ろにいる何かに棒を向ける。

「おおっと!すげーな、完璧に近づいたはずなんだけどな~」

棒の先端にいたのは金色の髪をを逆立てた少年だ、トパーズのような色の瞳とあいまってどこか獅子のような雰囲気を醸し出している。

「あんたがメルセデス=レオンハルトか」

「そういうお前は六神万里だな!紙に載ってたぞ!あ、俺の事はレオと読んでくれ!お前のことは万里と呼ぶ!よろしく頼む!」

朝から大声を聞いて軽い頭痛を感じながらもよろしく、となんとか返した。


その時、射撃訓練場から銃声が聞こえてきた。

「お?他の奴かな?」

音もなく駆けていくレオの後を追いながら感心する、あれほどのスピードで走りながらも無音というのはそうそう出来るものではない

(なるほど、本当に選りすぐりのやつを集めたらしいな)


射撃訓練場では一人の少女が拳銃を構えていた、得点は

(80点中79点?!)

くるり、とこちらを向いた少女は可憐、という言葉が一番似合いそうな雰囲気の少女だ、

「よおっ!俺はメルセデス…」

六神万里(むかみばんり)さんですね!」

レオをガン無視して俺の手を握りぶんぶん振ってくる少女、

「私、四宮琉華(しのみやるか)といいます!万里さんってあの万里さんですよね!あの有名な!うわぁ嬉しいなぁ」

「あぁ、うん、まぁ…」

するとハッと我にかえったのか手を放し一歩下がってからこちらにペコリと一礼してくる

「すみません、お見苦しいところを…」

「いや、俺は気にしてないから」

手を振りながらそう言うとパアッと顔を明るくしながら

「改めまして、四宮琉華といいます、このチームの狙撃担当を担わせて頂きます。」

こちらを見つめてくる深海色の瞳が印象的だった。

「俺はレオンハルトだ!よろしく頼む!レオと読んでくれ!お前の事はルカと呼ぶ!」

いきなり俺と琉華の間に割り込んできたレオをぐいと横によけながら

「こちらこそよろしく、俺は万里でいいから」

「よろしくお願いします、レオさんもよろしくお願いしますね」


これで3人、後の二人は同時に入ってきた、

「おぉ!少年少女達、よろしく頼む」

一人は前回の戦闘で白虎を倒したクジラのおっさんだった名前は筍抖濠(スンドゥホ)

「あ!」

「おや、死に急ぎの少年ではないか、奇遇だな」

「この前はありがとうございました」

「うんむ、はっはっは」

そしてもう一人は…

「中佐…」

「やぁ、六神万里、来るとおもっていたよ」

ソフィー=バルテレモン


「さて、少し早いが全員揃った事だ、ミーティングを始めよう、顔合わせはもうすんだ事だし、我々の最初のミッションを説明しよう」

訓練室の隣のミーティングルームに移動し、全員で輪を描くように着席する

「もう決まってんのか?早ぇな」

レオの台詞に心の中で頷く、チームも顔合わせが初めてなのにずいぶんとせっかちな話だ。

すると中佐は頬を掻きながら

「うん、いや、まぁ…」

と明らかにお茶を濁した…

「中佐殿、我々はチームであなたはリーダーだ、隠し事は無しにしていただかないと信用出来ない」

言いはなったのはクジラのおっさんだ、琉華も

「そうですよ!筍さんの言う通りです!」

とそれに続く、中佐は少ししてからため息を吐き、話し始めた

「正直言ってこのチームは信用されていない、実績がないし、成功するかも分からないからな、この日本支部でも他の支部をタライ回しにされてやっと落ち着いたんだ、」

「なるほど、だから下村大佐はあんなにイライラしていたのか」

無意識に言った言葉に中佐が頷く

「その通りだ、そこで我々は実績を出すためにここで任務を与えられたという訳だ、そして我々の初戦の相手が…」

中佐がプロジェクターに画像を写し出す。

「こいつだ」


鳥に酷似した全身翡翠色の体、怒っているかのような真っ赤な眼、そして通常の鳥類型穢神『朱雀』を大きく上回る体躯

(こいつは…こいつは!)

ガタン、と音を立てて立ち上がり、フラフラと出口に向かう、いぶかしげな表情の中佐が

「おい!どうしたんだ?」

と声をかけてきたが、そちらを振り返らずに

「すみません、気分が悪いので失礼します。」

と言い、俺は4人を後にした。


まずい、このままのペースだと題名がネタ切れになる、ということで今回から量がアップしました、わーいお得デスネー

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