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flying

作者: ataru

今日は灰色の曇り空

無表情に、無機質に

青いはずの空を覆っている

何だか悲しい


私は、自由になりたい

光に還りたい

あの青い空の向こう側へ飛んでみたい

まるで、自由を手に入れた天使のように


でも今日は曇り空

空へ飛び立つことはできない

私は、自由になれないのだろうか

何だか悲しい

あの空の向こうはどうなっているのだろうと

窓越しの曇り空を眺めながら

一人空想する


*


今日は澄み切った青空

太陽の光が眩しい

でも今日は、私と友達の大事な日だ

欠かす訳にはいかない


友達の墓に花をお供えする

手を合わせお祈りしながら

私は言葉にできない悲しみを覚えた


私の友達は、半年前に死んだ

交通事故だった

信号無視で突っ込んできたトラックにぶつかったとのこと


友達の死を知った当時

私は悲しみを通り越して

なんで死んだのだろうという疑問を覚えた

昨日まであんなに近くにいた友達が

なぜ突然いなくなったのだろうというのが

私の本心だった


私は疑問と悲しみを胸に

墓参りを終えた


*


今日は打ち上げ当日

私は今日、あの青い空の向こうへ飛び立つ

ロケットは青い空を突き抜け

宇宙に飛び立つのだ


私は飛行前

友達の写真を見る

あなたの思いは、ちゃんと受け取ったよ

私はそう伝える

管理官から、もうすぐ打ち上げだよと言われた

私は飛行場へ向かう


5

4

3

2

1

start off


私は宇宙(そら)へ飛び立った

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