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またまた短い説明回その2

さて、首輪と手足に枷を付けられ檻付き馬車でドナドナされてる私ですがどうやら長に売られたようです

長の家に集められていた他のコボルトが全員居て、しかも私以外まだ眠りこけていますし私も身体が痺れていて上手く動かせませんので食事に薬でも盛られたのでしょう


少しでも情報収集するために馬車の護衛達の会話に耳を傾けます(耳も鼻もちゃんと犬並みに利くのです)

大半は意味のない雑談でしたが護衛に新人がいたおかげでそこそこ情報が集まりました


……うん、落ち着こう、余りにも頭にきてたから思わず丁寧語キャラの黒い私が出てきていたようだ

情報の整理や判断には冷静さが重要なのだ、怒りはしまっておこう

どうやら仕方のなかった部分もあったようだしね

もっとも、もしもう一度長に会うことがあったなら絶対殴るがな!!


閑話休題


昔コボルトと意志の疎通ができる冒険者が契約をもちかけて当時絶滅しかけていたコボルトは大人しく契約したらしい

契約内容は森の情報と余剰コボルトの提供で見返りは人間側からコボルトに攻撃しないこと

森の情報とはレアな動植物や魔物、それとゴブリンやオークなどの目撃情報のことで、どうやって情報のやり取りをしているのか知らないがそれなりの頻度で情報を送っているようだ

余剰コボルトというのは伴侶を得られなかったコボルト、つまり非モテコボルト(私達のことだが)のことだ


コボルトの雌(未婚・子供を産める未亡人も可)は春の花と呼んでいる桃色の花が咲くと独り身の雄に求婚する

ちなみに雄に拒否権はない

求婚する順番は犬社会のように序列があるのでそれの高い順、ただし未婚優先

雄の出生率の方が高い(より良い子孫を残すための摂理だろう)ので当然雄が余る

そして余った雄は集落の秩序を保つために集落を出なければならず(モラル低いので性犯罪が起こる)、長の家に集まって集落でする最後の食事をしてから旅立つ

っと、なっていたが実際はコボルト存続のための生贄にされてたわけだな

このことを知っていれば少しはモテる努力をした……かな?

いやそんなことせずに普通に集落から逃げ出しただろうな

別に相手がコボルトだからではない

私は変態紳士的な意味で少々ケモナー入っているのでこの世界のコボルトの雌は十分OKなのだ(リアル系だったらアウトだったが)

そんな私がモテようとする努力を放棄する理由は2つ

1つは単純に見た目だ

雌の好む顔はボルゾイやゴールデンレトリバーのように鼻筋の通った洋犬タイプなのだが

私の容姿は豆柴(黒基調で白い麻呂眉)、しかもデフォルメされてる影響で子犬のようだ

正直見向きもされなかった

2つ目は狩猟能力だ

意外なことに家庭菜園レベルの栽培は行われているがやはり狩りが主な食料調達の方法なので当然重要視される

残念ながら動物好きなしかもかなりのヘタレには動物を殺して解体するというのはハードルが高過ぎた

まぁ、私が殺してもいいと思えるレベルで敵認定した相手なら遠慮なく殺れるんだけどね

そんなわけで私が獲ってくるの魚や木の実、茸などの森の幸だけだった

雑食とはいえ肉好きなコボルトとしては致命的だろう

それに最近はゴブリンとオークを狩ってて収獲量も減っていたしね

奴らは他種族の雌を使って繁殖するので敵認定してレベル上げ(集落を出るのはほぼ確定していたから)と嗜虐心(基本嫌いな相手にしか発動しない)を満たすため狩っていたのだ


それで私達がこれからどうなるかというと特別な市に出品されたあと売れ残ったら奴隷として一般に売られるらしい

特別な市とやらで買われた場合奴隷ではないのだろうか?

その辺はよく分からなかった


逃げ出すという選択肢は採れない、檻の中に居るとか手枷・足枷があるとかはたいした問題ではない

このままでも周りに居る護衛達くらい何とかすることはできる(体の痺れさえ取れればだが)

問題は首輪だ、自分のは見れないので他のコボルトの首輪を審眼で見たところ今の私にとって大変よろしくない物のようだ、大人しくしていた方がいいだろう

ほんとどうしよう……

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