裏通りを抜ければ
お題:重い町 必須要素:残尿感 。。。一体どうしろと?
繁華街の物置の様な小道に入ればビルの隙間からピンクのネオンが見え隠れする。表通りの小洒落たレンガの外装の裏には厨房の小窓と換気扇から黙々とあがる白い煙と小便で汚れた適当に固められたコンクリートの裏道。
店を出た瞬間に体温を奪われて、この裏道の30歩程歩いたところで立ちションをしているんだが、キレが悪い。水分を取らずに飲んでばかりいるツケを払っている。酔いが回って面倒臭い俺は出したモノを「よっこらしょ」といいながら前立てを閉じようとして前立てからでるシャツに金具が噛んで、ガニ股のまま金具を適当に引っ張って歩く。
中華の油っぽい香りのする区画に辿り着くと、ちょうど前立ての金具からシャツがとれて俺はお尻を突き出してようやく仕舞えてホッとする。
そんな無防備な俺が出てきた通りは石鹸臭い。
またコレはコレで厄介だ。
今も黒服の若僧がチケット持って誘ってくるわ、外人の姉さんが俺より上手い日本語で誘ってくる。
吹き抜ける冷たい風に、また、裏通りに引き返して慌てて前立てを開けた。
お題:重い町 必須要素:残尿感 制限時間:15分