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おやつ  作者: 文歩
8/11

あしあと

「こはる、今日は俺らの友達に会うんだよ」

こはるの長い髪を結いながら千秋が言った。




こはるの名をもらって3日が経ち、初めて千秋と美夏以外の人間と会う。




「美夏さんは?」


「ちょっと用事済ませてくるって」


「そっかぁ」



ピンポーン

玄関のベルが鳴る。



「あっ、お客さん」

こはるが立ち上がろうとすると、千秋はこはるを隠すようにトイレへ連れていった。



「最近変な人が多いから、子どもは隠れてなさいっ」

千秋は笑顔でこはるの頭を撫でると玄関へ向かった。



だがこはるの好奇心も高まる。



ドアからそっと様子をうかがう。



「……」


「…知らねえ」



「…テレビ見てないのか」




千秋以外に2人の男の声が聞こえたが、何を話しているのかはこはるの耳まで届かなかった。




「いこっか」

千秋は笑顔でこはるを迎えに来たが、その笑顔の奥に焦りがあることをこはるは感じていた。




千秋はこはるの額に軽くキスをするとヘルメットを被せ、ようかいバイクを走らせた。



久々に見る街並とようかいバイクの乗り心地にこはるは胸を躍らせた。



交差点に止まるとビルの大画面のテレビにこはるは目をやった。




なんと千秋が大きく映し出されている。




今は金髪をなびかせる千秋。




大画面にいるのは黒髪の千秋、だが顔つきは同じだった。




何と報道されているのかと目を細めると、バイクは大画面から大きく反れてしまった。




千秋は何も言わず走り続けた。



千秋くんて有名人なのかなあ?

こはるは不思議に思いながら風を吸い込んでいく。



流れる風景を見つめていたらバイクは止まった。



「着いたよー」


千秋は笑顔でこはるをバイクから降ろした。



ヘルメットを外したこはるは驚いて何度も瞬きをした。



「沙織のおうち…?」



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