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おやつ  作者: 文歩
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おうち

「ただいま」


そう沙織は呟き赤いランドセルを投げ捨てる。



そして、テーブルに置かれてあるクッキーを頬張る。



クッキーはちょっと焦げてるけど、甘くておいしい。



クッキーを噛み砕く音が静寂を打ち消す。



時計に目をやると、2つの針は遠く離れた6と12を指していた。



パパとママ達みたい

と、沙織は思った。



テレビをつけると、ママがニュースを喋ってる。



ママと逢える貴重な時間。



夜ご飯を食べながらテレビ越しにママと逢う。



ママの声は聞こえるけど、あたしの声は届かない。




やっと2つの針が重なるときパパとママが帰って来る。



ママのほうがマイナス2。



ママの声はカラスになる。



パパはすずめかな。



「沙織が…」

あたしのことを毎日煙らせるのはパパ。



沙織の成績

沙織の友達

沙織の先生

沙織の…

全部あたしの近辺。



あたし自身は丸裸。

ぴっかぴか。

洋服選んで着せてみて、髪の毛きれいにして…

沙織ちゃん人形のできあがり!



あとはにこにこ笑ってくれさえいればいいから笑ってみる。



あたしは…

何のために在るの?


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