砂漠で思い出したこと
懐かしさの果てに聞えた
抑えきれない鼓動
空の気まぐれに
流れていった君
逆らえない無力を突きつける
雨が嫌いだった
悔しさで溢れた涙と汗の
見分けをつけない
雨が憎かった
もしも、あの時・・・という
雲を掴む徒労が
体中の水分を奪って
砂漠化した胸の真んなかで
夢が干涸らびる
わずかに残った涙を垂らし
記憶を取り戻す
水に戻る乾物みたいに
けれど・・
裸の陽射しに蒸発するばかり
なぜ、だろう・・・・?
ぼくは今、冷たい雨が待ち遠しくて
頭に鳴る土砂降りの響きさえも
何も知らない産声に聞こえてくる
読んでくださりありがとうございました。