第2章 – Wolf Knows Where I Am
どうやらミスター・ナインティはフェンリルを説得できなかったようだ。彼が無事だといいけど。
普通の大きさの狼が8匹とフェンリルが相手だ。
ちょっと不公平だと思うよ。
別に俺が助けられるわけじゃないし。
このATVは攻撃用に作られてないからな。
少なくとも、そうは思えない。
ミスター・ナインティがR.A.V.でやったようなことには、十分な質量が足りない。
待て?
何が起きているんだ?
こんなことするつもりじゃなかった…いや、もしかして?ATVが私の身体の周りに形成され始めたが、ミスター・ナインティの時とは違う。
まるで小さな鎧で身体を覆うように、腕にはラインが走り、手にはグローブが装着される。
腕と同様に、脚にも線が走り、既に履いているブーツを覆うブーツが現れる。
おっと!ヘルメットもある。
ATVが安全確保を優先していたから、これは理にかなっている。
攻撃手段が残っていれば良かったのに。
そう思った瞬間、角を曲がって二匹の狼がこちらに向かってくるのが見えた。
なんて運だ?私は狼たちから逃げ出す。
わあ、本当に速く動ける。狼たちは私のペースに追いついているが、追い越してはこない。
待て、銃はまだ持っているはずだ。
足元に手を伸ばすと銃があったので、掴み取る。
走りながら狼たちに数発撃ち、少し引き下がらせようとする。
奴らは弾をかわす。隠れ場所を探そう。
少し距離は開けたが、どこに隠れる?
あれは洞窟か?
そうだ、入り口を塞いでミスター・ナインティが迎えに来るのを待とう。
さらに数発撃ち、距離をさらに広げる。
方向を変えて洞窟へ向かう。
内部に入ると、狼たちが入口に迫ってくるのが見える。
銃を構え、開口部の上方を撃つと岩が崩れ落ちる。
岩が狼の一匹を直撃して倒すが、もう一匹は間一髪で飛び越え、私と共に洞窟に閉じ込められる。
洞窟内は暗いが、装着したヘルメットのおかげで真っ昼間のように視界が確保されている。
着地した狼はすぐに身を起こし、私を探し始めた。
跳びかかってくる狼に銃口を向け、慎重に狙いを定める。
まさに飛びかかってくる瞬間、二発の銃弾を放つ。
一発目は外れ、二発目が右前足に命中した。
傷ついた狼は私の上に着地し、反射的に銃を落とし両手で狼を掴みながら地面へ崩れ落ちた。
噛みつかれないよう両手を喉元に押し当てた。
狼を押さえつけるのは驚くほど容易だった。
なら片手で十分だ。
左手で押さえながら、右手を後ろに引いて平手で殴りつける。
狼は私から吹き飛ばされ、右前足を上げて朦朧とした状態で着地した。
こいつ…結構なパンチ力だ。
唸り声をあげながら、狼は足を引きずって私の方へ近づいてくる。
狼から目を離さずに、ホルスターに収まった銃を掴もうと手を伸ばす。
あれ?…ない?
足元を見ると、そこにある。
ホルスターに戻すには距離が足りないらしいが、思いついた。
狼から目を離さず、足を後ろに引いて銃を蹴り飛ばす。
銃は狼に向かって飛んでいき、一瞬狼の注意をそらす。
は狼に届く直前で消え、私は腰に収まった銃を拾い上げる。
銃を手にすると狼が迫ってきた。
私は五発の弾を放ち、狼を仕留めた。
「ふう!」
私は安堵のため息をついた。
「ごめん、ウルフィー。また死ぬ準備はできてないんだ」
と手を合わせて言う。
さあ、あとはミスター・ナインティを待つだけだ。
爆破で脱出を試みる手もあるが、外に待ち伏せている狼がいるかどうかわからない。
今は目の前のことに集中すべきだろう。
さて、ミスター・ナインティの状況を確かめねば。
強く願えば、ATVを取り戻せるかもしれない。
そう考えた途端、外骨格がATVの姿に戻り、再び私はその中心にいた。
さて、あとはミスター・ナインティの様子を見守るだけだ。
モニターが点灯し、ミスター・ナインティがフェンリルと戦っているのが見えた。




