第44話 「己の業」
こんにちは。輝宮藍衣と申します。ゴリゴリの偽名ですが、どうぞお許しください。
2024年11月1日より、こちらの『転生した僕は女神さまの体現者』を投稿させていただきました。完全に思い付きとノリで書いております。
タイトルから分かる通り、この物語は超王道の転生モノ(のイメージ)です。私自身が転生モノ、そしてバトルモノの物語が大好きで、自分だとこういうお話にしたいな、という欲望を極限まで詰め込める作品にしたいと思っています。
あらかじめ申し上げますと、小説を書いたことは一切ございません。学校での国語の評価も3~4の普通なので、言葉の表現がおかしいと思うことも、普段から小説を読む皆様にとって俗物になってしまうことは重々承知しております。
でも、どうしても書きたい!やってみたい!と私の好奇心が申しておりますため、どうか大目に見てやってください…。
あまり長くお話しするのもあれですので、まずは数話読んでいただければ嬉しいです。
私の妄想(こんなお話だったらいいな)を詰め込めるように頑張ります。(最初は1話なので何とも言えませんが…。)
これからを含めて面白いと思っていただけるように頑張りますので、どうかお願い致します!
追記:基本前書きはこの1話で書いたことのコピペです。ご了承ください…。
~ハエグサ拠点 バスコ視点~
パリッ!パリパリッ!
バスコ:「…。何が、起きている…?」
パリパリッ!
目の前に迸るのは、女の姿では無い。
有るのは昼を連想させるほどの眩い閃光と、何かが高速で駆ける音。
シュンッ、タッ!シュンッ、タタッ!
バスコ:「ちぃ…!」
先程まで、あの女の攻撃は俺に有効打を与えられるものではなかった。
先程まで!確かに俺が優位に立っていたはずだ!それなのに…
シュンッ!
メラク:「ここ。」
バスコ:「!?」
見えっ…!?
ドコォオンッ!
バスコ:「がはっ!」
腹部を襲う重い衝撃!
何故、俺だけがダメージを受けているっ!?
メラク:「あんたはスキル、使わないの?」
バスコ:「っ…!」
黒と金の髪の女、メラクは瞬間的に俺の目の前に現れると、こんなことを言いやがった。
バスコ:「離れろっ!(スッ)」
俺は一切の躊躇もなく拳を振おうと腕を振り上げる!
メラク:「…。遅い。」
パリパリッ!
『スキル』【鳴る神の心延え】
“閃駆者”
シュンッ!
バスコ:「…!また消えっ…!?」
奴の姿は光帯びて完全に消えた。
ブンッ!
当然振り上げた俺の拳は空を切る。
シュンッ、タッ!シュンッ、タタッ!シュンッ、タッ…
目の前には再び眩い閃光と、奴が凄まじいスピードで駆ける音が鳴り響く。
バスコ:「(姿を捉えるのは困難…。ならば…!)」
シュンッ!
メラク:「最近、結構舐められるんだよねー。私、強いんだけどな…!」
そんなことを口走りながら再度奴は目の前に現れた。
バスコ:「…。そっちこそ舐めるなよ…!(スッ)」
トプンッ!
メラク:「っ…!」
次の瞬間、メラクの身体を黒い何かが覆いつくした。閃光の様だった奴の動きがピタリと止まる。
『スキル』【暗黙の案内】
“翳空間”
グウンッ…グンッ…
メラク:「(身動きが取れない…。翳に相手を閉じ込めるスキル?動こうとすればする程、この黒いのが身体に纏わりつくし。厄介だな…。)」
奴は身体を動かすが、その動きはまるで水中の様に鈍い。
バスコ:「はぁ、はぁ…。」
勘頼りだったが、何とか奴のアドバンテージであるスピードを封じることが出来た。これでいい。
後は奴を翳の中で圧迫させれば…
バチバチッ!
バスコ:「は?」
その時。奴を封じたはずの翳から一瞬、電流が迸った。
メラク:「だからさ。そっちの方が舐めすぎなんだって。」
パリパリパリッ!
『スキル』【鳴る神の心延え】
バコォオオンッ!!
バスコ:「がはぁあっ!!」
奴の雷撃が翳を割り、流れるように俺の胸を一閃が貫く。身体が、熱い…!
メラク:「“響袈”」
ドサッ!
目の前が真っ白に染まる程の衝撃。俺の身体が地に伏すことは必然だった。
ベチョオォ…
メラク:「この黒いの服に付いたし。最悪なんですけど?」
翳から脱出した奴が不機嫌そうな顔でこちらに寄り、横たわる俺を見下ろす。
バスコ:「っ…!くそ…!」
こんな程度で返せたのか?そんな訳がない。ふざけるな。
これじゃあまだ、こんなもんじゃまだ…足りない!
ニツメ様への大恩を…!返せていない…!!
~同刻 同所 トルマラス?視点~
サンッ!ササンッ!
トルマ:「…。(チラッ)メラクさんの方は何とかなりそうですね。」
私は横目で彼女の様子を確認すると、少し安堵の声を漏らした。
トルマ:「一方、私の方ですが…。」
ダンッ!
青髪:「…。」
目の前の青髪に幾度も距離を詰められ…。
ビュンッ!
トルマ:「よっ。(サッ)」
サンッ!!
トルマ:「くいっと。(スッ)」
その都度彼の斬撃を際で躱し続けるという、何ともしんどい作業に追われていた。
複製とはいえ、実力はユーエン君そのもの。かなり腕が立つようで。
トルマ:「(叶うのならスキルで一掃したい!でも!約束がある以上!それは出来ない!悲しいぃ!)」
今の私がすべき事。それは、この状態のキープ!つまり時間稼ぎ!
やられてもダメ!倒しても…恐らくダメ!
ササンッ!
青髪:「…。」
彼の斬撃が半円をなぞるように目の前を横切る。おまけに初動も読みづらい。
トルマ:「…。これ、詰んでいませんか?私。」
スキルは使えない、この剣技を前に素手の攻撃も入りづらく、私が倒したら倒したで多分怒られる。
あれ?今の私では…どうしようもない?
トルマ:「…。さて、どなたが助けに入ってくれますかね…。」
~数分前 同所 ユーエン視点~
ユーエン:「…。幻かな…?」
僕、ユーエンは現在目の前で起こっていることを幻かと疑っています。一体何故か?
小鳥:「安心してください。本物ですよ。」
ユーエン:「…。」
僕の肩に、虹色に輝く小鳥が現れたと思ったら、渋声で喋り出したからです。
あまりにも衝撃的な光景に思わず開いた方が塞がらない、状況。
小鳥:「細かい事は今は置いておいて下さい。1つ言えるのは、私は貴方の過去を知っている。」
ユーエン:「!?」
すると小鳥は更に度肝を抜く発言をした。
僕の過去を、知っている!?
小鳥:「プラリネ・ネルミス。貴方ならご存知でしょう?」
ユーエン:「!?!?」
僕の頭を過ったのは、1人の女性の姿。アクアブルーの綺麗な髪を持った、僕の…
ユーエン:「先生を知っているんですか!?いや、それより今プラリネ先生はどこにっ!?」
かなり理解が追いついた僕は、少し半狂乱状態で問うた。
15年。全く動くことの無かった歯車が今、確かに動いたのだ。仕方ないだろう。
小鳥:「…。まあ、そういう反応になりますよね。」
小鳥は少し呆れ気味に呟くと、言葉を続ける。
小鳥:「ですが、今お話しする訳には行きません。状況が状況ですから。(チラッ)」
ユーエン:「っ…!(チラッ)」
その言葉を聞いた僕は少し落ち着きを戻し、周囲を見回す。
バチッ!バチバチッ!
メラク:「ふぅううう…!」
バスコ:「…。」
ビュンッ!
青髪:「…。」
サンッ!
トルマ:「…。(サッ!)」
ユーエン:「っ…。」
自分で言うのもアレだが、僕は状況把握に長けている。
だからこそ今、自分が何をすべきかなのかは分かっている。小鳥の言う事は正しい。
ユーエン:「…。僕に、戦う権利があるのでしょうか…?」
気付けば僕の口からポツリと言葉が漏れていた。
メラクとトルマラスさんが来てくれたから、今こうして無事で居る。
言い換えれば、『彼らが来なければ、僕は業を背負う事が出来た』。
やっと解放されると思った。楽になりたかった。この血から、この呪縛から、ようやく振り切れる。そう思った矢先に、彼女らが来た。
ユーエン:「メラクたちが来た時、嬉しさや感謝はありませんでした。『どうして放っておいて来れなかったのか?』『何故この業を背負わせてくれないのか?』そう思いました。」
小鳥:「…。」
ユーエン:「仲間が命を賭して僕を助けに来てくれた。今も身を削って戦ってくれている。それなのに僕は、そんな彼女たちに感謝すら出来ない。こんな奴に、一緒に戦う権利があると思いますか?」
小鳥:「…。」
小鳥は僕の葛藤を黙って聞いていた。
人、じゃないからだろうか?内に秘めていたものの大半を初めて吐き出す事が出来た。
小鳥:「…。貴方の意見は分かりました。それを考慮して、私の率直な意見ですが…。」
ここまで黙っていた小鳥がゆっくりと口を開いた。まあ、何を言われようと別n…
小鳥:「心っ底どうでもいいです。何ですか、そのしょーもない悩み。って思います。」
ユーエン:「…。は?」
何だこいつ。焼き鳥にされたいのか?僕の全てを蝕む葛藤を、”どうでもいい” で片付けやがった。
小鳥:「私には貴方の抱えているものを理解出来ません。私は貴方ではありませんから。」
ユーエン:「…!お前いい加減に…!」
あまりにも冷淡で、身勝手な言葉。思わず怒りがせり上がる。
小鳥:「そして、それは貴方自身にも当て嵌まりますよ。ユーエン・ファン・ルーマニル。」
ユーエン:「…。はい?」
その鳥はまた妙な事を言い出した。
僕にも、当て嵌まる?何を言っているんだ?
小鳥:「貴方は一度でも、その業とやらに則った何かをしたのですか?人売りに貢献したのですか?」
ユーエン:「そ、それは…。けど!一族がしてきた事です!あの家に生まれてしまった以上、僕も背負わないt…」
小鳥:「履き違えるな小僧っ!!」
ユーエン:「っ…!(ビクッ)」
あの冷ややかだった小鳥が、突如として放った咆哮に思わず肩がビクリと跳ねた。
この小さな体のどこに、そんな声を秘めていたのか。そう思わせる程に。
小鳥:「門違いも甚だしい!業?責任?それを感じているのは貴方がその一族だからでは無いっ!貴方自身がその事実と向き合おうとしなかったから、何も変えようとしなかったからですっ!!」
先程までの紳士的態度だった小鳥はもう居ない。まるで別人に切り替わったようだ。
小鳥:「本当に業を背負いたい、解放されたいと願うのならまずっ!目先の事実と向き合いなさい!しっかり向き合った上で戦いなさい!!確かに貴方が生きている限り、ルーマニル家の人間だと言う事実は変わることはない。ですが!ルーマニル家そのものを変えることは出来る!何故それが分からないのです!?人々から慕われる存在に生まれ変わろうと、何故思わないのですかっ!?」
ユーエン:「っ…。それh…」
小鳥:「『変化を恐れずに、前に進み続けること!』どこぞのアホが言っていませんでしたかっ!?」
ユーエン:「…!!」
・・・
プラリネ:「『変化を恐れずに、前に進み続けること!』ですよ、坊ちゃん。い・い・で・す・ね・?」
・・・
理屈ではない。ただ、心の奥底を…核心を撃ち抜かれるような。混沌としていた何かが一つになった気分。
ユーエン:「…。」
スクッ
様々な思考が頭をよぎっていた僕は、10秒程の間の後、その場に立ち上がった。
ユーエン:「…。小鳥さん。」
小鳥:「…。はい。」
ユーエン:「…。焼き鳥にするぞとか思ってすみませんでした。」
小鳥:「…。え?」
~ウェブの屋敷 ラフ&ロック視点~
ニツメ:「…、話はこんなところかしら?」
ロック:「…。あぁ、十分だ。」
あれから数十分の問答の末、ニツメとロックの会話が終了した。
やっとだよ。結構喋ってたよ?この2人。
ニツメ:「疑わないのね?」
ロック:「それを見抜くのが、俺の力だ。」
そう言うロックの瞳は深紅に染まっている。全てを見透かすような鋭い視線だ。
『スキル』【嘘つき殺し】
“真なる眼”
ニツメ:「そうだったわね…。」
ニツメは納得した様子を見せると、顔が少し綻んだ。
僕:「はいっ!僕もそろそろ質問いいですか!(ビシッ!)」
タイミングを見計らった僕はビシッっと挙手をする。
ニツメ:「構わないわ。この際だしね。」
ニツメは軽い感じで手を振りながらそう答えた。
僕:「ども!で!これって、何の機械なの?(スッ)」
そう言って僕が指したのは背後にある灰色の機械だ。
ポコポコポコッ!
後ろから泡が噴き出るような水音がするコレ。ずっと気になっていた。
ニツメ:「あぁ、私よ。」
僕:「へ?」
ロック:「私、だと?」
ニツメの言葉に僕もロックも理解が追い付かない。
ニツメ:「…。まあ、見てもらった方が早いかもね…。(スッ)」
何故か悲しげな表情を浮かべるニツメ。
奴はポケットからリモコンらしきものを取り出し、それを操作する。
ウィイイインッ…!
僕・ロック:「…!」
すると、背後から謎の機械音が会場内に響き渡った。
背後を振り返れば機械を覆いつくしていた灰色がどんどん上へとせり上がっており、機械の中の様子が露になっていく。
僕・ロック:「っ…!」
やがて全て上がりきったソレ。僕たちは中のものを見て言葉を失った。
ニツメ:「私の言葉の意図、分かってもらえたかしら?」
〜時は戻り 再びトルマラス視点〜
青髪:「“鮮塵”」
ビュンッ!!
トルマ:「っ…。」
青髪の彼がそう呟き、こちらに突進して来る。
剣圧も素早さも、先程よりも早くなった!
ザンッ!!
トルマ:「ほっ…!(サッ!)」
私は何とか直撃は回避しようと半足引く、のだが…。
スパンッ!
トルマ:「あらっ、掠りましたか…。」
自身の頬がざっくり切れていた。やはり反撃出来ないのはキツイですね。
トルマ:「ふっ…!」
私は体勢を整えるべく、バックステップで一度彼と距離を離す。
青髪:「…。」
『スキル』【終着点への道標】
ビュンッ!!
しかし、彼は一瞬で私との距離を0にした。
トルマ:「あら。」
無駄のない、まさしく最短ルート。確か、彼のスキルは…。ロックから聞いた…。
青髪:「…。(スッ)」
トルマ:「弱点看破…!」
慣れないバックステップで体勢を崩した隙を突かれましたか。
彼のスキルと剣技を前には悪手でしたね。
青髪:「終わりだ…。(サッ)」
奴は自身の剣で突きを放つ構えを取る。狙いは…鳩尾か!
トルマ:「ならばまた、左手で…。」
私はやむを得ず先程切られた左手を前に出し、受ける体勢を取る。
骨で止まってくれますように。
青髪:「“血n…
カァアアンッ!!
トルマ・青髪:「!?」
しかし、攻撃が当たる事は無かった。私の左手をを刃が貫く寸前、青髪の剣が弾かれたからだ。
それでもここで止まる彼でもない。すぐさま追撃に入る!
青髪:「…。“鮮z…
?:「“血貫き”」
ドコォオッ!!
青髪が攻撃をよりも早く、私を救ったもう1人の打突が彼に届く方が速かった。
青髪:「…!」
打突は青髪の横腹辺りを捉えると、彼の身体は地面を滑る。
スタァアア…
スクッ!
だが青髪は何事も無かったかのように体勢を整えると、普通に立ち上がった。
トルマ:「…。思ったより掛かりましたね?」
?:「すみません。思いの外時間が掛かりまして。」
何はともあれ、これで私の役割は終わりです。
後は、私と刃の衝突を回避してくれた彼にお任せしましょう。
ユーエン:「ご心配お掛けしました!後は僕が、引き受けます…!」
そう笑顔で話す彼、ユーエン君の目にはゴウゴウと燃える光が灯っている。すっかり自信を取り戻した様子。
トルマ:「えぇ。是非お願いします。」
青髪:「…。」
さぁ、ここからですよ。ユーエン君。
ユーエン:「ふぅぅうう…!」
ここからは文字通り、貴方自身と向き合う時です…。
※虹色の小鳥さんイメージ(ChatGPTより)
続く…。
以上、44話を更新させて頂きました。輝宮藍衣と申します。いかがでしたか?
今回はですね、『復活のユーエン』ってところかな。
小鳥さん、カッコよかったですね。言うまでもないと思いますが、この小鳥さんはトルマラス本人のスキルで生まれた存在です。
彼のスキル名やその詳細についてはまだ明かしてはいませんが、この小鳥さんの視覚や聴覚、あらゆる感覚をトルマラスは共有出来ます。一種の連絡手段ですね。(言い方最低)
その小鳥さんの激怒や説得もあり、ユーエンは無事闘う意志を取り戻しました。ここからユーエンは更に決着を着けなければなりません。もう1人の自分、ニツメの複製で作られたもう1人の自分と。次回です。
さらにさらに、ロックとニツメの答え合わせも無事終わったようです。この間の話した内容については今のところ詳細を本編で明記するつもりはありません。
内容の一部を言えば、「魔物の改造方法」や「2年前のミーシラ襲撃」「ニツメ本人の事」など、最早取調べに近いです。
そしてその後のニツメの発言、灰色の機械の正体ですね。「これは私」と答えたその真意とは?
と言った感じで終わりましょう。私の就活も最近また雲行きが怪しくなって参りました。祈る事くらいしか出来ません。悲しい。
次回、ユーエンvsユーエンの決着。そして、予想だにしない展開が起きます。またピンチになります。お楽しみに…。
それではまた次回の後書きでお会いしましょう!これからも『転生した僕は女神さまの体現者』をよろしくお願い致します…。
2025年5月23日 輝宮藍衣