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魔王  作者: 英雄 大好君
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はじまり

初投稿です!!!昔書いたものをうつしてみました!続きも作ります!ぜひぜひ見てってください!!

 人には才能がある。これはこの世に生を受けた際に、手にいれたものではならない。努力や気遣いだって一つの才能だし、何か人より優れたものがあるなら、その原点は才能である。しかし、家から一歩踏み出し、駅前や学校を見渡してみよう。そこを歩いている人間の才能はこの世を、この世界を変える才能であると言い切れるだろうか?


 もちろん、だれだってそんな才能を持っているわけない。そう、持っていていいわけないのだ。だからこそ、あの教師の頭はイカれているといえるだろう。小学3年生、全てが順調だった。授業は流し聞きしていればテストで100点がとれる。美術ではお手本さえ見ればそれを模倣し、コンクールで最優秀賞をとる作品を作れる。このクラスはみんな仲良くてとても平和だ。僕の書いた作文をほめてくれ、宿題をやらなくていい理由を熱弁したら必ず「確かに」と言ってくれる。だから僕もみんなの相談に乗って、大好きな本の感想を語り合ったり、得意な理科を教えたり、そりゃあ楽しかった。


 狂い始めたのは小学4年生、大学を卒業してすぐの男が僕たちのクラスの担任となった。歳は23歳、イケメンで趣味はサッカー。先生は僕たちと適切な距離を取り、僕たちから先生に話しかけ、僕たちにとって最高の先生だった。そして、先生はまともという言葉を教えてくれた。絵は抽象的なもので想像が混入してはいけない。宿題は宿題だからやらなくてはならない。僕の頭には3つのハテナが浮かんだ。なぜ?宿題なんてのは授業の復讐だろ?一般人が一回の授業で記憶しきれないからってこっちに押し付けるな馬鹿野郎。テストだって95点以下はとったことがない。ずっとそうだ。好きなことが主役で、嫌いなことは脇役。何も間違ってない。これは嫌だ。


 冬は地獄だった。隣のクラスの担任が生徒に道徳心のかけらもない言葉を吐き、登校拒否する子を2人も出したのだ。隣のクラスはずっと嫌な雰囲気。それがこっちまで漂ってきて、モヤモヤ、モヤモヤ。毎日怒られて嫌になった。この年は小学2年生からやっていたバスケットボールに真剣に打ち込んだ気がする。だからなのか僕はレギュラーに昇格し、学校以外の友達とよく遊んだ。


 春がやってきた。あの教師は移動になった。次は教師歴5年の女教師が担任になった。クラスも変わりモヤモヤはどこかへ消え去ってしまった。きっとみんなも嫌だったのだろうあのモヤモヤが。みんなで頑張って埋めようとしたんだ。何もなかったことにしようとした。それが一番だったから。


 順当に1学期が終了して、夏休みが始まった。先生は僕たちと仲良くなりたいらしい。距離が近くて僕はなんだか嫌な感じがしたけど、みんなが楽しそうで何よりだった。そして、クラスの子を僕は好きになった。その子の一番仲のいい子によると、その子は2年生のころから僕のことが好きで、両想いらしい。夏休みもあっという間に終わって学校が始まった。運動会に委員会の仕事。部活だってあってとても楽しかった。林間学校では好きな子と同じ班になっていっぱいおしゃべりした。バスケも冬の大会に向けて監督による指導がヒートアップしてる。僕は監督が大好きだし、好きなものに囲まれた僕はなんでもできた。試合では平均15点を記録し、3学期がやってきた。


 ツケが回ってきた。宿題をずっとやらなかった。美術の作品の期限を過ぎた。友達と言い合いの喧嘩をした。先生は僕に怒った。ずっと怒った。家へ逃げても「7時までに計算ドリルをやってもってこい」、「こんな喧嘩があって...全部僕が悪いんですけどね」そんな電話がお母さん向けに来た。いやだった。もう嫌だった。宿題はなんとか終わって、提出した美術の宿題はコンクールで最優秀賞をとった。授業の課題も校長先生に表彰されて、バスケで最優秀選手のとトロフィーもとったんだ。なんでなんだ。僕はあんたらより頭が良いんだから僕の言葉は重いだろ。なぜ僕の主張は聞き入れられないんだ。どうして?この疑問はいつまで経っても答えが出ない。


 小学6年生。また同じやつが担任だ。少しでもまともになろうとして、生活リズムを整えた。7時に起きて8時に登校。4時に帰って4時10分にバスケに向かい、8時に帰宅。くたくたの体でお風呂に入り、ご飯を食べて、宿題をはじめる。大体プリント2枚と漢字ドリル2ページ、計算ドリル4ページ。みんなは2時間あれば終わるなどと言っているが、僕には時間がないので1時間で終わらせ10時に就寝する。それを1学期が終わるまで続けた。ほめられた。やっとまともになれたねと褒められた。あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ


 もうだめだ。なにも考えられない。バスケットボールは監督が交代し、変な大人が指揮をとり始めた。僕はベンチに追いやられ、公式戦はぼろ負け。大人は何がしたいのかわからない。限界だ。リセットボタンを押したい。一度リセットしたい。


 そのまま怒られて、ベンチにいて、僕の小学校生活は終了した。


 中学校。僕は嫌いなやつと大喧嘩を起こして学校に行かなくなった。主張は聞き入れられない。全部嫌いだ。僕を大丈夫?と言ってくれる友達は女の子が5人。男の子が15人。全員凡人だ。いじめられている子を見てもしらんふり、宿題はやるものだと思っているアホ。英雄(ヒーロー)はいない。魔王を探そう。全部支配してくれる魔王を。

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