表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/8

第3話 後世でも悪名高い二つの政策


 さて、時のオルゴニア皇帝はたいそうな野心家だった。彼は後世でも悪名高い二つの政策を実行した。


 ひとつは、政治弾圧である。独裁を試みたこの皇帝は、貴族議会の強制解散を断行した。

 そしてもうひとつは、外地進出のための外征軍の設立である。大陸最大の領地を持つ帝国全土から徴兵された平民から成るこの外征軍は、不格好ながらも大軍といえた。

 大陸西方に浮かぶ『大島』が、外征軍の最初の進出目標だった。この大島に先住するのは、部族社会を営む化外人だ。外征軍は軍事的圧力や調略により、大島北岸にいくつかの拠点を設けるに至った。

 しかし外征軍はそれよりも先に進むことができなかった。なぜなら、大島の大部分が、オルゴニア帝国とは別の侵略者、カルドレイン王国によってすでに征服されていたからである。


 カルドレイン王国は大陸南部の大国であり、『砦の修道会』により冊封された王権の一つである。沿岸諸島部を有するかの国はもとより海洋国家であり、外地への進出において、オルゴニア帝国の一歩先を進んでいた。


 この状況において、オルゴニア帝国外征軍は一計を案じた。すでにカルドレイン王国によって征服されている化外人土候たちの反乱を促すことで、大島におけるカルドレイン王国の支配権に揺さぶりをかけ、その隙をついて大島におけるオルゴニア帝国勢力を伸張させようとする作戦だった。

 この作戦のためには、大島の土候たちと細やかに連絡をとる必要があった。

 なお、大島で使われる化外人の言葉は、大陸における古代言語とよく似ている。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ