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第四十七話  卒業と失踪4




その夜俺達は合流して捜索に向った。

メイサが行くと駄々をこねたが今日は大人しくしてもらった。

先ずはニハルの失踪した階段の踊り場へ向う。


「やっぱり痕跡は残ってねえなぁ」


「変な匂いは残ってるのです!」


「地道に他を当たるか」


結局その日は何も発見できなかった。



翌日も学生として授業に参加した。

1時限目は座学だった。


「ですから2つの自然数aとb(a>b≧0)において、aをbで割ったときの商をq……」


「た、大変!シリウスが」


「兄上ー!あぁーフェリスさんも……」

(チーン…)  (ニャーン…)


「な、なあ…お前らこれなにやってるか理解してるのか……?」


「当然でしょ!楽勝よ!」


「そ、そうか……」



3時限目は実技訓練だった。


「今日は臨時講師のコルさんとカラさんが来てくれました。皆さんしっかり学ぶように」


「宜しく、コルだ。今日は無属性魔法について体験してもらおうと思う」


「アイツら先生役似合うな…」


「まあ…二人共面倒見良いからね…」



「ではみんな適当でいいから集まって」


(なにするんだろう〜)

(女の先生綺麗〜)


「ほら集中〜。フィールドデコイ!」


不意を突かれ思わず俺達3人は後ろへ飛びフィールド外へ出てしまった……それを見たコルとカラはクスクスしながら笑いを堪えていた。

プロキオンはじめ、クラスの皆はコルに釘付けになっている。


「解除…っと、これがフィールドデコイだ。これは一定の範囲の対象を惹きつける効果がある。そしてそこの3人のように、この魔法を回避するには一定の範囲の外に出る事だ。ソコの3人見事だった。はいみんな3人に拍手〜」


(やんややんや、わ〜パチパチパチパチ)


「ニャハハ照れるのです!フェリスは強いのです!」

(コルの野郎……ブチ殺す!)

(まあまあダビー…)



放課後俺達は再度サルガスとプロキオン達と警備に当たってくれているアケルナル様を交えて状況整理と情報交換を行った。


「憶測の域を出ないが、今までの状況からして隠蔽魔法でその都度場所を変えている可能性が高いぜ」


「なるほど、では相手は此方の動きを把握している言うのか?」


「分からねえが、可能では高いだろうぜ」


「その隠蔽魔法は解くことは出来るのか?魔法陣かなにかだと聞いたが」


「それは問題ない。魔法陣なら、その陣術式をちょっと壊してやればいい。落書きみたいにな」


「しかし此方の動きを読まれているとすると捕縛は愚か見つける事すら難しい。どうにか誘き寄せられぬだろうか」


「まるでハイウルフなのです!コソコソと獲物を観察しているのです!」


どうしたものか…

(ハイウルフ…)


「そうか…でも」


「どうしたコルカロリ。申してみよ」


「いや…囮なんてどうかなと」


「馬鹿な危険過ぎる!これ以上子供達への危害は私が許さぬ!」


「落ち着けアケルナル!コルカロリ、申してみよ」


コルが言うには、誰か囮になってこちらも隠蔽で囮役を囲み相手が現れたら一斉に突入するという事だ。だが其れには危険が伴う。当然隠蔽魔法も使えなければならない。


「しかし誰が囮になるのだ!」


「兄上達じゃ駄目なのでしょうか」


「無理だな。ニハルって野郎は恐らくイレギュラーだろ…相手は5年ばかり狙いやがる。俺達は5年じゃない」


では誰が…


「これ以上犠牲は出せぬ。予が囮になろう」


「なりません殿下!危険過ぎます!!」


「落ち着けアケルナル!ではそなたが予を守ってくれ!」


「殿下……で、では隠蔽はどうするのですか。こんな大所帯を隠蔽するのは流石に厳しいかと」


「それなら大丈夫ですよ」


「スピカは隠蔽魔法が使えるのか?」


「はい!ダークハイドが使えます」


実際にスピカはやってみせた。するとプロキオンとメイサ、スピカ自身も消えてしまった。


「術式を書き換えたので範囲魔法になってます」


「これは驚いた…決まったな」


「よし!ならば今夜決着をつけるぞ!予を囮にこの事件を解決するのだ!これは命令である!」


そして皆が寝静まった頃…

サルガスが単独で徘徊した。

勿論一歩後ろ、目と鼻の先に俺達が居る。

ダビーが裏闇声で殿下とやり取りしながら進んだ。

一階トイレの前に来た。ニハルが拐われた近くだ。

階段に差し掛かろうと言うときに床から無数の長くて黒い手がサルガスを掴もうとした!


「サルガス!」


咄嗟に俺とダビーが投げナイフで床の魔法陣を傷つけた。すると中から黒い人影が現れサルガスを連れて一階階段の裏へ逃げ込んだ!


「逃がすかー!」


アケルナル様が激昂し突撃する。

するとそこには隠蔽で隠されていた様な入口があった。


考える間もなく皆一思いに突入した。




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