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第四十五話  卒業と失踪2




「眠いー…」


連日連夜の捜索で少し昼夜逆転しつつあった。

授業中、強烈な眠気が襲ってきたが気力で耐える。


「……ですから、属性ごとに得意不得意な分野が有ります。火の属性はメイサさん魔法の様に強い攻撃性を持ちます。メイサさん、聞いてますか?」


「あはははメイサ言われてる〜」


うっつらうっつらしていたメイサに釘を差したかの様な先生の講義にクラスは笑いに包まれたが。


「眠くてそれどころじゃ無いわよ……」


「…しかし防御や隠匿、回復魔法には向いていません。…メイサさん!聞いてますか!?」


「あはははは」



その夜…


「どうしたのよニハル」


「い、いや別に…」


「何だか最近落ち着かない感じだけどどうかしたの?」


「だ、だって…女の子と同じ部屋で寝るなんて…恥ずかしいというか何というか…」


「ちょ、ちょっと何言ってるのよアンター!」


全く気にもしていなかったがニハルの一言で全員が変に意識してしまい非常に気不味くなってしまった。


「き、気にし過ぎだよニハル…」


「そ、そうだよ、そんなんじゃないよ…」


「ご、ごめん!…本当にゴメン恥ずかしいー!穴があったら入りたいよ!」


ダメだ、意識すまいとすればするほど恥ずかしい!

…思わずスピカの顔を見ると目が合ってしまった!益々恥ずかしくなってしまった。顔を真っ赤にして、まるで顔から火が出とはまさにこの事だろう。


…火…穴?

(…しかし防御や隠匿、回復魔法には向いていません。…メイサさん!聞いてますか!?)


「そうか!」


「何よー!ビックリするじゃないのよー!」


「隠蔽魔法だよ!それで隠れてるとか何処かに秘密の入口か何かあって隠蔽してるんじゃないかな!?」


「そっか!じゃあそれが解れば!」


「で、でもどうやって見つけるの?」


「う〜ん…」



途中経過でサルガス殿下にも報告をした。


「結局解決できぬまま年を越してしまったな…」


「すみません…」


「いや、そなた等が謝ることではない。しかし一体何故…そもそも誘拐なのか自ら失踪しているのかすら解らぬ…」


「共通点は無いのですか?」


「ほぼ無い。分かっているのは5年生という事だけ。科も違えば平民も貴族も行方不明で2人同時に消えた時は貴族と平民、同時なのだ」


八方塞がりである。


「そこで…シリウス達を召集した」


「兄上達を!?」


「うむ、彼等にも学園へ潜入して捜索をしてもらう事にした。仲間の1人に手練れのシーフが居る。きっと何か手がかりを見つけてくれる筈だ」


兄上達も来くれれば進展しそうな気がした。



次の日の夜…


「や、やっぱり夜の校舎は怖いなぁ…」


「ちょ、ちょっとニハル!押さないでよー!」


「ヒッ!ご、ゴメン!」


「この視聴覚室は前も見たね」


「このまま階段を降りよう」


階段を降りると一階のトイレがあるのでそこを再度調べる事にした。


「まずは男子トイレから…」


「ちょっと待って!ニハルが居ない!」


何て事だ…一番後ろに居たニハルが居なくなってる!物音も一切しなかった。


「いつから!?」


「今気が付いたのよ!階段降りる時は居たのよ!」


不味い…メイサもスピカも怯えている…


「階段を戻ろう。皆手を繋いで!」


僕はスピカの手を強く握った。するとスピカは腕にしがみついてきた……

階段の踊り場まで来ると不気味な声がした…


「何!何なのよこの声ー!」


「プロキオン怖い…」


「誰だ!」


光魔法で照らしていた明かりをまるで昼間のように強く灯した。


「許さない……どいつもこいつも……邪魔をするな……」


「文句が有るなら出てきて言えよ!」


しかしそれ以上は反応が無かった。

一瞬ここに兄上がいたらと考えが過ぎってしまった……


翌日サルガス殿下へ報告に行った。


「なんという事だ…すまない」


「まさか卒業生だけでなくニハルまで消えるとは思っていませんでしたから」


「ああ、しかし今回で完全に誘拐だと言うことは分かった。これはもはや国家の大事だ。そして張本人がまだ学園にいるという事も」


今後はアケルナル様率いる神殿騎士が昼夜問わずに警備に当たるそうだ。そしてニハルの事は心配だが兄上達が来る迄、僕達の捜索は一時中断する事になった。



       〜現在王宮〜



「なるほど……」


「犯人に心当たりも無いんだな?」


「さっぱりなのだ。誰が何の為に。ニハルまで…」


「ニハルって子は……というよりプロキオン達はが嗅ぎ回ってたから邪魔だったんだろ」


「だと思うが…」


「もしかするとそれはメイサ姫だった可能性もあるって事だ」


「予の失策だ…」


「事情は分かりました。すぐにでも学園へ向かいましょう」


そうして俺達は学園へ潜入する事になった。





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