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第四十四話  卒業と失踪1




サルガスに召集された俺達は王都で一晩過ごし翌日王宮へ向った。

応急に着くと陛下とサルガス、そして見たことのない人物が居る部屋へ案内された。


「来たか、先ずは座って楽にせよ」


「シリウス、久しいな。随分逞しくなったように見える」


「お久しぶりです陛下、サルガス」


「早速だが紹介しよう。こちら王立学園理事長のメンカルだ」


「初めましてメンカルです」


学園の理事長さんか、プロキオン達は元気かな……


「シリウス、今回は事態が複雑なので少し話が長くなる。順を追って説明させてくれ」


学園での出来事か?まさかプロキオン達がなにかやらかしたとか…?


「事の始まりは今年の冬に入ってからになる……」




   〜遡る事3ヶ月前12月の学園〜



「コペルニクス先輩内定おめでとうございます」


「有り難うプロキオン。オートマタはまだ完成出来なかったけど、これからも魔道具研究所で合間に開発させてくれる事になったよ」


「それ良かったですね!僕達も偶に遊びに行かせて下さい」


「そうしてくれると僕も嬉しいよ」


「でもまだ三学期もありますし、色々教えて下さいね」


僕等が入学して2度目の冬。コペルニクス先輩は王立魔道具研究所に就職が内定し、今日は少し早めの壮行会をクラブで行なっていた。


この時あんな事が起こっているとは知らずに……



(……クソッ何で奴らが……俺様の方が……あんな愚民共!許さん…絶対に許さん!)



       〜1か月後〜



「コペルニクス先輩が居ない?」


「うん…一昨日顔出すって言ってたのに連絡が取れないんだ…寮にも居ないし」


そう話したのは次期部長のデネボラ先輩だ。

一昨日に部室の私物を取りに来るとコペルニクス先輩が言っていたがまだ来てないと言う。言っては悪いが、あんなに神経質なコペルニクス先輩らしからぬ行動だった。


「几帳面な先輩にしては珍しいですね…」


「もうすぐ冬休みなのにどうしたんだろう」



      〜その日の放課後〜



「プロキオン、ちょっと良いか。話がある」


魔道具クラブに客が来る事も珍しいが、訪問したのはサルガス殿下だった。


「お兄様が何の用なの?」


「メイサか、お前達も来るが良い」


そうして僕とメイサ、スピカにニハルも呼び出された。


「最近不可解な事が続いているのだ」


サルガス殿下の話によると今年の卒業予定の生徒が数名、行方不明なのだと言う。殿下の騎士科の貴族1名は一ヶ月前から行方が分からず、コペルニクス先輩もそのうちの1人だ。他も魔法科や政治経済科でも貴族や平民数人行方が解らないらしい。


「予は今年で卒業することになる。しかしこの事を引きずったまま卒業するのも気が引ける。まだ大事にはしておらぬが、何か解決の糸口でも良いから見つけたいと思う。そこで予が信頼しているお主達に頼みたい」


殿下は僕達に情報を集めて欲しいとの事だった。このまま学園の不祥事となれば国家の威信にも関わる。らしい。

既に教員達も動き出しているらしいが事なかれ主義も居て中々進展しないのだと。

偶然が重なった生徒達個人の事情…っという事にしたいらしい。


「では僕達は何をしたら…?」


「予は嫌な予感がしてならぬ。探偵ごっこをさせるわけにもいかんが……この学園の敷地を徹底的に調べてくれぬか。普通なら見落としてしまいそうな何かを」


それから僕達は作戦会議を行った。


「先ずは施設を隈無く見てみるのよね?」


「そうだね、普段見慣れている所から行かない所まで隅々だね」


「な、何だか探偵みたいでワクワクするね」


「地味よねー…」「メ、メイサ!」


それから毎日僕達は手分けをして気になるような所は無いか隈無く探して回った。

しかし一向にそれらしい所は無かった。

1週間が経った頃……

サルガス殿下が険しい表情で声をかけてきた。


「少し良いか?」


何事かと思い話を聞くと、昨晩また生徒が2人消えたという。しかも2人同時に……


「そこで今日から日中だけでなく夜間の捜索も頼みたい。危険は承知なのだが…」


「分かりました。乗りかかった船です」


「すまない。諸々の許可はこちらで申請し得ておく。ただ絶対に単独では動いてくれるなよ」


そしてその夜から夜間の捜索に乗り出す事になる。

男子と女子で寮が分かれており不便なため、僕達は宿直室で寝泊まりする事になった。


「夜間の捜索は日中より危険な感じだから皆で固まって行こう」


「よ、夜の学校って怖いよね…」


「ちょ、ちょっと何でそういう事言うのよー!」


「ご、ごめん」


「でもニハルの言いたい事は分かるよ」


「捜索は僕が先頭で光を灯すね」


「私はプロキオンの後ろがいいな…」


「じゃ、じゃあ僕が次に…」


「なんでよー!なんでアタシが一番後ろなのよー!」


「だ、だって…一番後ろって怖いじゃない…」


「だったらアンタ後ろ行きなさいよー!なんで女の子に一番後ろ行かせるのよー!ふざけんじゃないわよー!」


「ヒィ…」


「メ、メイサ落ち着いて!」


そして夜は更けていく…





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