第四十一話 フェリス
フェリスのお陰でレッドマンティスに勝利したが、先に進む前にフェリスにこの森の敵を教えてもらうことにした。
「まずレッドマンティスは首と身体の節目と背中とお尻の節目が狙い目なのです。お腹も悪くないけど浅いと暴れるのです」
「成る程、じゃあバックアタックしか手はないのか?」
「インセクトは殆どそうなのです!外骨格が発達しててとてつもなく硬いのです。あとは火に弱いのです」
「他にヤバそうなヤツは?」
「熊のオーガグリズリーなのです!足を狙うのです。特に膝の関節に一撃入れたら転ぶのでその後脳天に一撃が良いのです!火じゃ死なないけどよく燃えるし怯むのです」
その後もフェリスに色々教えてもらったが、流石暗い森だ。一撃で倒せるような敵は居ない様だ。
その後も魔物と戦い続けたがフェリスは自分で言うだけあって確かに強かった。
コルが引き付けカラが魔法で隙を作り他で畳み込む。一連の流れが出来た。
途中小さな岩穴を見つけた為、暗くなる前に野営する事にした。
「夜はハイウルフが闊歩するので危ないのです。単体では強くないけど群れで行動するし気配を殺して近づくから相手にしたくないのです」
夕食の支度をしながらこの森の事を色々教えてもらった。
そしてフェリス自身の事も教えてもらった。
フェリスの出身はアリオト民族共和国と言う事。そして元々奴隷だったのだという。
「ど、奴隷だったの!?」
「そうなのです。戦闘奴隷として買われたのです」
「戦闘奴隷……」
「因みに先日の奴らは冒険者でフェリスのご主人だったのです。でも扱いが酷くて結局逃げだす事になったのです」
「でも奴隷は禁止されてるしこの国じゃ重罪のはずだよ?」
「前のご主人達はアリオト出身なのです。フェリスもアリオトで買われたのです」
「それは大変だったね…」
「性奴隷じゃないだけマシなのです。それにシリウスは優しいのです」
「酷い事だけど、実際アリオトじゃ奴隷は合法だし、それに自ら奴隷になるって話だ」
「何で自ら奴隷になるのんだよ!?奴隷なんて自らなるものじゃないだろう!?」
「落ち着けってシリウス…」
「奴隷は高く売れるのです」
「貧富の差と教育が行き届いていないせいよ」
「教育…」
「フェリスは文字が読めないのです!当然書けないのです!数も10しか数えられないのです!でも強いのです!」
そんな…本当にこんな事が。前から皆には言われてたけど…実際目のあたりにすると頭が変になりそうだった。
「フェリスはこの後どうするの?どうしたいの?」
「考えてないのです。今はシリウス達に拾われたのでシリウスがご主人様なのです」
「やめろよ!俺はフェリスのご主人なんかじゃないし、フェリスはパーティーの仲間なんだ!そりゃ…まだ会って日は浅いかも知れないけど…それでも…」
「シリウスは優しいのです。フェリスはシリウスが大好きなのです」
コルとカラがやれやれといった感じで話を聞いていた。
するとダビーが神妙な顔で話した。
「シリウス。俺も元奴隷だ…ガキの頃に闇ギルドに買われたんだ…」
そんな…ダビーまで…ウソだろ…
するとカラまで難しい顔をして話し始めた。
「シリウス…私も奴隷になるところをコルとメローペに助けられたのよ。もう少しで性奴隷にされるところだったのよ。中々言い出せなくてごめんなさいね…」
なんて事だ。カラまで…
「お前が気にする事じゃない。お前のせいじゃねえ。だが現実は甘くねえって事だ」
「なんか、みんなゴメン…俺」
「それでも納得がいかないって言うんだろ?わかってるさシリウス。背負い込むなよ。今こうして共有出来て、そんなお前とパーティー組めてるんだ」
「そうよシリウス。1人で背負わないでね。仲間じゃない」
「おいシリウス。お前の事だ、どうせもうフェリスを正式メンバーに入れたいとか言うんだろ?まったく…お前と居ると仲間が増えていつかシリウス王国ができそうだぜ」
「ダビー…」
「フェリスはシリウス王国に住んでみたいのです!」
「あはははははは」
その夜もメンタルスタビリティを練習した。
フェリスがコツを教えてくれたお陰か発動するまでに至ったがまだ実戦じゃ使えなそうだ。フィジカルブーストとの併用は無理だった。
翌日からまた魔物狩りを続けた。
森に入って早くも2週間が経とうとしていた。
複数相手にも慣れてきたので俺達は遂にダンジョンを目指す事にした。




