第九章
あれから1週間後
赤羽さんと会う日がやってきた
この1週間は大学の事でバタバタしていた
入院している時に入学式は終わっていた
少し出遅れた私は新しい環境についていくので必死だった
なぜ私はこの大学にしたのだろう
記憶がある高校2年の進路希望では選んでいなかった大学だった
高校の同級生は数人いたが仲がいいと言うわけではないので喋っていない
赤羽さんとは黒川さんと喋っていたファミレス出会う事になっている
待ち合わせ時間より5分早く着いたが赤羽さんはもう居た
「こっちですよ。」
赤羽さん私を見つけて呼んでくれた
「来てくれてありがとう、さっそくだけど…」
そう言いかけて私は食い気味に
赤羽さんが聞きたい事は私はわかりません!
黒川さんの事だって会ったばっかりで全然知らないし!
と伝えた
「そう…ごめんね、知っているとばかり思っていて」
と赤羽さんは残念そうな顔を見せた
私はあの黒川さんの事知ってるんですか?
私は聞いてみた
「優斗君というより優斗くんのお兄さんの方が知ってるかな…高校1年と2年の時に同じクラスでね、その時に優斗くんは確か2個下だからまだ中学生だったかな」
ちなみに赤羽さんは22歳で今年社会人と聞いたので
黒川さんは20歳なんだと推測できた
「私がお兄さんに一方的に好意を持っててね、よく優斗くんと一緒に家に呼んで晩御飯とか食べていたの…でも高校3年の時に突然なにも言わずに居なくなったの…」
えっ!?
驚いて私は声が出てしまった
「あんまりベラベラ喋るものじゃないのだけど…家庭環境がよくなかったみたいで優斗くんは虐待を受けていて…」
衝撃だった
黒川さんにそんな過去があったなんてと
「そしてお兄さんは優斗くんを連れてどこかに逃げ出していなくなったと思ってたんだけど…」
だけど?
「最近知ったんだけどお兄さん亡くなったらしくて…」
なんて悲しい展開なんだろう
私は本当になにも知らないんだなと痛感した
もしかしたら私が入院していた病院にいたのかなと思いちなみにお兄さんの名前は?と聞いてみた
「黒川康太…」
あれ?
痛い
痛い
頭が痛い
あれ?
痛い
「白石さん!?大丈夫!??」
赤羽さんが慌てている
痛い
痛い
目の前が暗くなる……






