第七章
黒川さんはゆっくりと喋り出した
【俺があの病院に行っていたのは仕事で行っていた…】
【俺の仕事は……】
言うのを躊躇っている様子だった
なにを言うの?
なんの仕事?
早くしてなんて言えないけど
気になって仕方がなかった
黒川さんは口を開き
【…魂を回収する仕事…】
えっ?
よくわからなかった
そんな仕事聞いた事ないし
顔に出ていたのか黒川さんは苦笑いをしながら続けた
【俺はその日亡くなる人の魂を回収にある方まで届けるという仕事をしている…】
ある方って?
と聞いてみた
【魂をあの世に連れて行く役目の方…】
そんな仕事がこの世にあるの?
非現実だ
本当なの?
何者?
人間なの?
頭の中が色んな思考でグルグルしてよくわからない
【まぁよくわからないよな…俺は昔から霊感が強くて見えないものが見えていた…】
【この仕事はそれを活かしてできる仕事で…】
よくわかってない情報にあとの話が入ってくるわけもなくただただ唖然としていた私を見かねて
黒川さんは優しく
【まぁ信じないよな…ただの妄想癖のあるやつだと思ってもう忘れてくれ…】
そう言い黒川さんは席を離れようとする
待って!
私は引き留めた
知り合って全然時間は短いが
黒川さんが嘘をついているようには思えなかった
まだちゃんと理解はできてないけど
嘘じゃないと思う
話してくれてありがとう
私は伝えた
黒川さんは優しく笑ってくれた
その笑顔は誰かに似て嬉しくなり
私も笑顔になった
その時1人の女性が声をかけてきた
「優斗くん…?」
その女性は大学生ぐらいで髪が長く綺麗な人だった