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第五章
その次の日に私は退院した
せっかく名前を知れたのに黒川さんとはもう会えないのかと残念に思い、桜が散った木の下に向かってみた
あの時座っていたベンチを見ると1通の便箋が置いていた
いつもは気にしないのになぜか気になって中を見てみると
【白石さんに話したいことがある今夜8時病院の斜め向かいにあるファミレスで待つ 黒川】
私宛の手紙で驚いた
彼は私がこれを読むとわかっていたのだろうか
そして退院して病院の外に出れるのをなぜ知っていたのだろうか
気になる会いに行こう
でも少し怖い気持ちもあった