第二章
この病院に来たのは1ヶ月前になる
急にお腹が痛くなりそのまま入院になった
まだ18歳なのになんの病気なんだろう
お父さんもお母さんもすぐ治るよと病名は教えてはくれない
すぐなのにもう1ヶ月
何か重い病気なのだろうか
ただ病院食は普通の食事で病院内では自由に行動できる
桜の木の下にも行ける
初めて見た時からずっと気になっていた
あの黒いパーカーの人
声をかけてみようかな?
でも人見知りだからなぁ
何かきっかけないかなぁ
ってか今日も来るのかなぁ
そんな事を思っていたら
来た!
大部屋で窓側だからすぐわかった
なにか携帯で喋ってるなぁ
ん?
廊下で走る音が聞こえてきたなにやら看護師さんがバタバタしている
二つ隣の病室のおばあちゃんが亡くなったらしい
また亡くなったのかなんて思い桜の下に目を戻した
えっ
目が合った!?
こっちを見ていた?
びっくりして目を逸らした
気のせいかもしれないと思って
恐る恐るもう一度見てみると黒いパーカーの人は居なくなっていた
「昼食の時間ですよ」
看護師さんが昼食を持ってきてくれた
私はふいに死神さんまた来てましたねと声を掛けてみた
「やだ!また来てたの!?今日も亡くなった人出たもんね、ほんとに死神さんかもね」
看護師さんが言う冗談も私は少し本当に死神さんなんじゃないかと思っていた。