裏第四章
兄ちゃんは俺にとって唯一の家族だった
父親は酒ばかり飲み、罵詈雑言、暴力
母親は働かない父親の代わりに夜の店で働いていたが家にあまり寄り付かなかった
みんなには見えないものが見えていてそれが当たり前だと思い不用意に発した言葉が気味悪がれ
学校ではいじめも受けていた
兄ちゃんはそんな俺をいつも守ってくれた
見えないものが見えてるのもすごいじゃん!って言ってくれた
家ではご飯がないので食事は学校の給食か兄ちゃんの友達の家で食べさせてもらうことが多かった
女の友達であぁこの人兄ちゃんが好きなんだろうなと思っていた
俺が中学生の頃、兄ちゃんは俺を連れて家から逃げた
住み込みのバイトを見つけてくれて俺と2人で暮らしていた
暴力もない、ちゃんとご飯を食べれる生活は涙が出るくらい嬉しかった
その1年後に俺たちの前に警察が現れた
捜索願いでも出されていたのかと恐怖だったが
内容は母が父を殺したとのことだった
なんでも俺たちが出て行ったから暴力の矛先が母に向かって、それに耐えかね殺したと言ったらしい
何点か質問と連絡事項を伝え終えると警察は去って行った
急に兄ちゃんが膝から崩れ泣きながら
「か…解放された…」
兄ちゃんが泣いてる姿を初めて見た
いつ見つかるかの不安と俺を守らないといけない使命感、ずっと気を張っていたんだなとわかった
俺も一緒に泣いた
父が死んで母が捕まって悲しいの涙ではなく
安堵の涙を流した
俺は兄ちゃんに勧められて夜間高校に行く事にした
兄ちゃんは住み込みの所で仕事が上手くいき
高校を卒業した俺は就職をすることにした
兄ちゃんは俺の就職にも泣いて喜んでくれた
その頃に兄ちゃんに恋人ができたと教えてくれた
兄ちゃんには幸せになってもらいたいと心から願っていた
ある日兄ちゃんが
「いいことがあったんだよ嬉しいこと!外にご飯食べに行こう」
と誘ってくれたので2人で向かっていた時
事故は起こった




