裏第三章
この女の人を連れて行くのか!?
不安がよぎる
母親らしき人は心配して声をかけ続けていた
「美波!?どうしたの!?美波??」
俺は黒い煙が気になるが
誰か呼んできます!とその場を離れ
近くにいた看護師さんに声をかけ急いで戻った
黒い煙が倒れている女性を包んでいた
この人までも連れて行くのか!?
この人が兄ちゃんの言ってたみなみさんなら俺は頼むって言われてたのにと
怒りと絶望感が襲ってきた
暗い煙が倒れている人から離れて消えていった
俺は倒れている人に駆け寄った、息をしているのが確認できた
ん?なんだったんだあの煙は?と思っていたら
手に血がついていた
よく見ると倒れている人の周りに血溜まりができていた
えっえっ
何事だ
母親らしき人が泣いている
看護師さんと医者がやってきてストレッチャーに乗せて連れて行った
俺は呆然と立ち尽くしていた
すると母親らしき人が泣きながら言った
「うっ…うう…あの子のお腹には子供がいて…」
子供??
妊娠をしていたのか??
兄ちゃんの子供なのか!?
あの血はあれもしかして黒い煙はお腹の子供を連れていったのか!?
ふざけるな!?
どうしてだ!?
兄ちゃんが何をしたんだ!?
何もできない苛立ち、守れない悲しみ
抑えきれない感情が今にも出てきそうだって
看護師さんが母親らしき人を呼び連れて行った
俺は決意をするあの倒れていた女性…みなみさんを必ず守る
大切なものを奪った黒い煙を許さない
霊安室に残された兄の遺体と血溜まりが俺を奮い立たせた




