表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/8

プロローグ

初作品になります。

拙いところが多々あると思いますが。

お楽しみ頂けたら幸いです。

「終電もうすぐですよ先輩」

 後輩の声に顔を上げ時計を見ると、12時を過ぎていた。いくら職場が駅に近いとはいえ、向かわなければマズい。

「了解。バックアップとったらあがろうか」


 二人共急いで締めの作業をして、駅に向かった。

 今の職場は、俗に言うグレーの会社で、忙しくない時であればそこまでだが、忙しい時には真っ黒になる感じの会社だ。

 最近は忙しい為、残業も休日返上も多くなっていた。

「それにしても先輩、最近やつれてません?大丈夫ですか?」

 そう聞いてくる後輩は、入社時期が1年違いの後輩。いわゆる、初の後輩だ。お互いに歴4年と3年だが。どちらにも同期がもう居ない。

「あぁ、最近寝れてなくてね」

 寝ようとは思っているのだが、目を瞑っても頭が冴えてる感覚がして眠れない。疲れは感じているのだが、眠るまでに時間がかかり、起きたら頭痛がする始末だ。


「不眠症ですか?昼飯もゼリーばっかじゃないですか。帰ったらちゃんと食べてくださいよ」

 そう、食欲もわかなくなり、かと言って何も食べないわけにはいかず。とりあえず栄養食的なゼリーを口にしていた。

「いやぁ、帰ったら風呂入ってゆっくりしちゃうから」

「スーパーの弁当でいいじゃないですか」

 帰り道にスーパーはある。食欲があった時は、値引きされた弁当とサラダカップを買っていた。

 最近はそれすらもめんどくさいし。買い物をする気力が湧かない。その為コンビニでつまみを買い、晩酌するだけになっていた。


「お腹が空かないんだよ、それにほら、朝にはプロテインバー食べてるから」

 さすがにゼリーと晩酌のみだと、朝に貧血なった事があった為、いまはプロテインバーと野菜ジュースを摂取している。

「それはご飯じゃないです!お米と肉と野菜を摂らなきゃダメですよ」

「んー、分かってはいるんだけどね」


 後輩の言うことはもっともで、人間は五大栄養素をしっかりバランスよく摂ることが理想の食事と言える。特に自分に置き換えた場合、どの栄養素も量·順番共に良いといえるものでは無い。

 人にはそれぞれ、その身体に合う食べ方があるとは思うが。自分のは健康的とは言えないだろう。

「分かってはいるって、そーいえば先輩変な知識は豊富なんでした」

「雑学と言ってくれ」


 小さい頃から趣味はゲームと読書で、オタク街道まっしぐら。好きなジャンルはラノベ。次に料理や趣味·実用と言ったところだった。

 有難いことに、友人に恵まれ交友関係は意外とあったと思う。

 それも、仕事が忙しくなるまでの話ではあったが。

「けど知ってるだけじゃダメですよ。あ、運動でもしたらお腹空きません?」

「運動かぁ、しばらくしてないね」


 学生時代は親の意向で剣道や弓道をやっていたが、社会人になってからは武道はやめたし、ジョギング等もしていなかった。

「不健康すぎる…」

「まぁ、俺の事はいいじゃない。この間の休みは楽しめた?」

 後輩に嫌な目で見られるのを防ぐため話をそらす事にした。

「分かりやすく話そらしましたね。」

「まあまあ」

 バレバレであった。


「えぇ、先輩のおかげで有給取って遊んできましたよ」

 月の休暇申請をする時期に、後輩から1泊2日の旅行に行くから出勤を合わせて欲しいとお願いされ。特に予定もなかったので、個人的なお土産を条件に了承したのだ。

「よかった。彼氏さんと行ってきたの?」

「いつの話してるんですか!友達とですよ、彼氏とは1年前に別れました」

「ありゃ、そうなの。ごめんね」


 仕事が忙しくなる前は、会社の仲のいい人達とよく飲みに行っていたため。そこで後輩は彼氏の惚気と愚痴をこぼしていたのを覚えている。それを肴にというと悪いかもしれないが。こちらも笑わせてもらいつつ、各々アドバイスを送るということがあったのだ。

「許します。先輩こそ仕事ばっかりですけど彼女さんいないんですか」

「いないよ。基本会社にいるし、家からも出ないしね。···ん?」

 不意に胸に違和感を覚える。だがその違和感も一瞬で、ホームの改札を抜ける頃にはなくなっていた。


「どうしました?」

「いや、なんでもない。もうすぐみたいだよ」

 電光掲示板にはあと3分ほどの時間がでている。

「ほんとだ。じゃあ、私あっちなんで」

「うん。お疲れ様」

 後輩は反対方向に向かっていったが。不意にこちらに振り返った。


「…あの、先輩。」

「ん?」

 なにか口にしかけたが、ホームの放送に掻き消された。

「…いや、やっぱりなんでもないです!明日お礼にお弁当でも作ってきましょうか?」

「ははは!いいよ、気にしないで」

「…本気なのに。っと、お先です!」

 後輩は今度こそホームに向かっていった。

「おつかれ〜」



 家に着き、風呂等を済ませたあと布団で寝転がっていると、不意に胸に痛みが走る。

「ウグッ!!」

 痛みに耐えながら身体を丸めていると、だんだん意識が遠くなっていく。


 これが俺の最後の記憶となる。

読んで下さりありがとうございます。

是非、高評価やコメントお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ