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(6)

(リンゼ)は昼過ぎとなりエミリアの屋敷へと出発する準備をしていました。


準備が完了してから屋敷の外に出ました。


そして玄関の前にはズラリと私の出迎えるように皆さんが膝まづいて待っていてくれました。


私は用意された馬車に乗りました。


するとドルチェス王子様が出発前に熱烈ファンクラブのみなさんに向かって言われました。


「ファンクラブ会員の諸君!!!リンゼ様はご友人であるティルモール伯爵家夫人であるエミリア殿の所に向かう!!リンゼ様が安心して移動できるようみな全力を尽くすぞ!!」


ドルチェス王子様が大きな声で言いました。


「リンゼ様熱烈ファンクラブ鉄の掟第1条!!!リンゼ様の笑顔が俺達の幸せ!!!」


私の護衛をしてくれているファンクラブの人達が一斉に言いました。


「リンゼ様熱烈ファンクラブ鉄の掟第1条!!!リンゼ様の笑顔が俺達の幸せ!!!」


ドルチェス王子様が大きな声で言いました。


「リンゼ様熱烈ファンクラブ鉄の掟第2条!!!いついかなる時もリンゼ様の笑顔を優先する!!俺たちの都合など2の次だ!!」


私の護衛をしてくれているファンクラブの人達が一斉に言いました。


「リンゼ様熱烈ファンクラブ鉄の掟第2条!!!いついかなる時もリンゼ様の笑顔を優先する!!俺たちの都合など2の次だ!!」


ドルチェス王子様が大きな声で言いました。


「リンゼ様熱烈ファンクラブ鉄の掟第3条!!!リンゼ様を泣かせる奴は絶対に許さない!!」


私の護衛をしてくれているファンクラブの人達が一斉に言いました。


「リンゼ様熱烈ファンクラブ鉄の掟第3条!!!リンゼ様を泣かせる奴は絶対に許さない!!」


ドルチェス王子様が言いました。


「リンゼ様の笑顔は絶対に守るぞ!!」


ファンクラブの皆さんが一斉に言いました。


「おう!!」


ドルチェス王子様が言われました。


「それでは移動開始!!!」


私を乗せた馬車が移動を始めると馬車を取り囲むように護衛をしてくれているファンクラブ会員の人たちも周囲を警戒しながら移動を始めました。


そうだ。私はドルチェス王子様に伝えたい事があってドルチェス王子様を呼びました。


私が乗った馬車の少し前方で馬に乗って指揮をとっていたドルチェス王子様が私の馬車に近づいてきました。


私が馬車の窓越しにドルチェス王子様に言いました。


「ドルチェス王子様、アルドラス公爵邸への殴り込みの件ですが中止にして頂けませんか?」


ドルチェス王子様が私に尋ねました。


「リンゼ様、よろしいのですか?奴に泣かされたのです。その分のお返しをしてやらねば!!リンゼ様のためならばどんな事でもする覚悟はできています。」


私がドルチェス王子様に言いました。


「お気持ちはとてもうれしいんですが、現アルドラス公爵であられるアルフレッド様には礼をもって接して頂いておりました。アルフレッド様にご迷惑をおかけするわけにはいきませんので。」


ドルチェス王子様が私に言いました。


「リンゼ様はやはりおやさしいですね。分かりました。では今夜予定していたアルドラス公爵邸への殴り込みは中止致します。」


私がドルチェス王子様に言いました。


「ありがとうございます。」


ドルチェス王子様が私に言いました。


「いえ、我らファンクラブ会員にとってはリンゼ様笑顔こそが大事ですので。では警護に戻ります。」


ドルチェス王子様はそう言われると馬車から離れていきました。


私を乗せた馬車はゆっくりと進んでいきました。


すると馬車が止まりました。


すぐに動き出すのかなと思っていたのですが、馬車が止まったまましばらく動きませんでした。


すると馬車の外からドルチェス王子様の声が聞こえてきました。


「リンゼ様??宜しいでしょうか?」


「ドルチェス王子様どうかされたんですか?」


「どうやらこの先フェルム川が増水しているようで渡ることができないようです。」


「ええそうなんですか?」


「ええ私も自分の目で確認してきましたが、かなり増水しておりました。」


「そうですか。ここから迂回するとなるとかなり遠回りになってしまうんですよね。」


私は少し考えてドルチェス王子様に言いました。


「遅刻したらエミリアには悪いですけど仕方ありません。迂回していきましょう。」


「リンゼ様?リンゼ様が困る姿を見たくはありません。私に任せてもらえないでしょうか?リンゼ様を濡らさずに向こう岸までご案内いたします。」


「はい、ではドルチェス王子様お願い致します。」


私はドルチェス王子様にお願い致しました。


ただどうやって渡るのかがまったく想像できなかったので、私はドルチェス王子様がどうやって川を渡るのか馬車から顔を出して見させてもらう事にしました。


ドルチェス王子様川の手前までやって来ると、懐から水色のとてもきれいな宝石を出しました。


あれって確かケルディス王家に伝わると言われるミリアの涙でしったけ??


そんな事を考えているとドルチェス王子様が言いました。


「ミリアの涙よ、その奇跡を持って荒れ狂うフェルム川を鎮めたまえ!!!」


するとミリアの涙が大きく輝きだして周囲は光に包まれました。


そしてドルチェス王子様が私に言いました。


「それではリンゼ様、参りましょう。」


「ドルチェス王子様?何が起こったんですか?」


「ミリアの涙を使ってフェルム川の水を制御致しました。御覧の通り水が無くなっております。」


私がフェルム川を確認すると先ほどまで荒れ狂うように流れていた川の水がきれいに消えていました。


「私のためにミリアの涙を使ってくれたんですね。ありがとうございます。」


「いえいえリンゼ様の笑顔が最優先でございます。」


そういえばドルチェス王子様が持っていたミリアの涙が手から消えていました。


私がドルチェス王子様に尋ねました。


「ドルチェス王子様??あのうミリアの涙はどうされたんですか?」


「ミリアの涙は一回きりの宝なのです。ミリアの涙を使ってしまったので消失したのでしょう。」


「消えてなくなってしまったんですか?」


「ええ恐らく。」


「ミリアの涙が消えてしまって大丈夫なんですか?」


「大丈夫です。私が父上に怒られればすむだけの話なので。ささそれよりもはやく川を渡りましょう。」


ドルチェス王子様のおかげで私達は無事にフェルム川を渡る事ができました。


それからしばらくして私たちはエミリアの住むティルモール伯爵邸へと到着しました。






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