(04)
次の日、私が起きると屋敷で働いている使用人の人達が外を見て騒いでいたので、何事かと思って玄関の外に出てみたのですが、屋敷の周囲を見渡して唖然としてしまいました。
エルカリア伯爵邸を取り囲むように仰々しい人たちがたくさんいたからです。
私が唖然としているとドルチェス王子様が私の所にやってこられました。
そしてドルチェス王子様が私に頭を低くして膝まづきながら私に言ってくれました。
「リンゼ様、おはようございます。」
私がドルチェス王子様に言います。
「おはようございます。ドルチェス王子様。」
ドルチェス王子様が私に言いました。
「今日もリンゼ様はおかわいいですね。」
私がドルチェス王子様に言いました。
「ありがとうございます。あのう。ドルチェス王子様、この屋敷の周りにいらっしゃるたくさんの方々は一体??」
私がそう言ったのはガッチガッチに武装したファンクラブの会員の方々に加えて衛兵や騎士の人達がこの屋敷を取り囲んでいたからでした。
しかも屋敷を取り囲んでいる人たち全員が私の方を向いて頭を下げたり、ひざまずいたりしてくれています。
ドルチェス王子様が私に言ってくれました。
「現在私を入れて1200名の護衛がリンゼ様をお守りしております。」
私がドルチェス王子様に言いました。
「そんなにいらっしゃるんですか?確かに護衛はお願いしたんですけど??さすがにおおげさすぎではありませんか?」
ドルチェス王子様が私に言ってくれました。
「リンゼ様はどんな時も謙虚であられるのですね。すばらしいと思います。」
私がドルチェス王子様に言いました。
「ありがとうござます。」
ドルチェス王子様が私に言ってくれました。
「それに私も含めてリンゼ様にはもう二度泣いてほしくはないのでしょう。交代で護衛しようと話だったのですが、結局全員でリンゼ様の護衛をする事に決まりました。」
みんな私を心配してくれて来てくれているですね。
それなら文句を言うのは違いますね。
「分かりました。ドルチェス王子様本当にありがとうございます。皆さんにもそうお伝え頂けますか。」
ドルチェス王子様が私に言ってくれました。
「はい、リンゼ様ありがとうございます。みなにもちゃんと伝えておきます。リンゼ様??宜しければ今日のご予定を教えて頂けますでしょうか?護衛計画を立てたいので??」
私がドルチェス王子様に言いました。
「えっと今日の予定は昼まではこのエルカリア伯爵邸でゆっくりするつもりです。昼過ぎからは貴族学院時代から仲のいいエミリアからお茶会に招待されてまして。それに出席するつもりです。」
ドルチェス王子様が私に言ってきれました。
「分かりました。ではリンゼ様!!昼過ぎにまたお伺いいたしますので。」
私はドルチェス王子様に尋ねました。
「ドルチェス王子様?今から外でずっと待つおつもりなんですか?」
ドルチェス王子様が私に言ってくれました。
「はい、いつチャールズが現れてリンゼ様に嫌がらせをしてこないとも限りませんので。陣頭指揮を執るつもりです。」
「あのう?よろしければこの屋敷の部屋のどこかをお貸ししましょうか?ドルチェス王子様を外でずっと待たせておくわけにもいきませんし。」
「リンゼ様お気遣いありがとうございます。ですがリンゼ様を泣かせたチャールズやセシルを絶対に近づけさせないと誓いました。私はリンゼ様の為に最善を尽くしたいのです。」
「そうですか、分かりました。本当にありがとうございます。」
「とんでもありません。」
ドルチェス王子様はそう言うと屋敷の外に出ていかれました。