表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/16

(16)

「死罪だと??」


「嘘でしょ??」


まああれだけの事をしてますから死罪も当然でしょうね。


当のチャールズとセシルは驚いてたようですが。


するとドルチェス王子様が二人に言われました。


「チャールズにセシル!!自分達が犯した罪を償うんだ!!特にリンゼ様を泣かした事を心の底から反省するんだ!!分かったな!!」


するとセシルが強気な態度に出てきました。


「ふっふっふっ!!!ペテン国王!!ヘッポコ王子??大事な事を忘れてない??」


国王様がセシルに尋ねます。


「なんだと??」


セシルが国王様に言いました。


「私たちはアルドラス公爵家そしてリネアス子爵家に連なる人間なのよ!!そこらの下民共と同じ扱いはできないわよ!!」


チャールズが国王様に言いました。


「そうだ。俺はアルドラス公爵家の跡取りだぞ!!薄汚い下民共と同じ扱いをしていいわけがない!!」


セシルが国王様に言いました。


「死罪にしたければそこら辺の下民を連れてきて代わりに処刑しておけばいいわ!!!このセシル・リネアスはここにしかいないのよ!!!だから私の顔に免じて特別に取り計らいなさい!!!」


国王様が二人に言いました。


「いいか!!法というのはこの王国内に住む人間全てに等しく適用される!!貴族とか王族とかそういう事は関係ないのだ。いやむしろ王族や貴族であるからこそ厳格に処罰しなければならないだろう!そうでなければこの王国で法を守って暮らしている人々への示しがつかないであろう!!」


するとセシルとチャールズが慌てたのでした。


「ちょっと待って??本気で私達を死罪にするつもり??」


「そうだ、まさか本当に死罪になんてしたりしないよな??」


国王様が二人に言いました。


「さっき死罪を言い渡したのだから死罪にするのは当然であろうが!!」


するとチャールズが国王様に言いました。


「おい待て!!俺様を死刑なんてしたら親父が黙ってないぞ!!!親父を怒らせたら怖いぞ!!」


セシルが国王様に言いました。


「そうよ私を死罪になんかしたらアルドラス公爵様やお母様が黙ってないわよ!!」


すると国王様はアルドラス公爵様とミーレウス様に尋ねたのでした。


「アルドラス公爵??ミーレウス魔導士長??この判断だがどうだろうか??」


「アルドラス公爵家は了承致します。」


「リネアス子爵家も了承致します。」


チャールズが泣きべそをかきながらアルドラス公爵に聞いた。


「親父??なんで助けてくれないんだ??」


「チャールズお前自身が大きすぎる過ちを犯してその贖いを求められているだけだからだ。ならばアルドラス公爵家の人間としてするべき事は一つだ。お前自身が犯した罪と向き合い償うしかないだろう。」


セシルも涙目でミーレウス様に聞きました。


「お母様助けてくださいよ??」


「あなたは余りにも大きすぎる過ちを犯しました。もはやセシルあなたの命でもって償うしかないの。リネアス子爵家に連なる者としてちゃんと自分の犯した過ちとむきあってちょうだい。」


するとセシルは諸侯にむけてこう大声で言ったのでした。


「ちょっとケルディス王家によって貴族が不当に弾圧されてるのよ。貴族ならこれを見逃す事なんてでしてはいけないわ!!だから私を助けなさい!!」


チャールズも諸侯にこう言った。


「そうだ、こんな不当な事をするケルディス王家を許してはいけない!!!だから俺様を助けてくれ!!」


だが諸侯達はこう言ったのだった。


「許してはおけないのはチャールズとセシルお前達の方だ!!!さきほどエセ貴族だの貴族の誇りを忘れた愚か者だのさんざん罵倒しておいてよくそんな事が言えたものだ!!!身勝手にもほどがあるぞ!!!」


「まったくだ。私に強盗した罪に擦り付けようとしておいて何が助けろだ、よくそんな図々しい事が言えたものだ!!」


すると国王様が諸侯の方々に尋ねました。


「諸侯の方々に確認しておきたい。チャールズとセシルの処罰に賛成のは手を挙げて頂きたい。」


全ての諸侯達が手を挙げたのだった。


「挙手をありがとうございました。」


国王様がセシルとチャールズに言いました。


「これでお前達の死罪は確定だ。これで文句はないだろう。」


すると二人はあろうことか私に助けを求めてきました。


「リンゼ!!助けてくれ!!!死罪は嫌だ!!!」


「助けてよ!!リンゼ!!同級生でしょ??」


「あなた達が私に何をしようとした覚えてないですか?私あなた達に散々罵倒されて婚約破棄されたうえに誘拐までされようとしたんですけど??」


「そんな事は水に流せばいいだろう。」


「そうよそんなの些細な事でしょ??」


「あなた達にとっては些細な事であっても私にとっては心を抉られたショッキングな出来事だったんですよ。よくそんな事が言えますね!!!」


ドルチェス王子様が言います。


「その通りだ、リンゼ様を泣かし心をえぐったお前達が許される事はありえない。」


ドルガーが言いました。


「お嬢様を泣かした事を少しは反省したらどうなんだ??」


カーバルド様が言いました。


「リンゼ様を泣かした事を悔いいながら刑を受けるんだぞ!!!」


「ちょっとお願いよリンゼ??死罪なんて嫌なのよ!!」


「死罪だけは嫌なんだ助けてくれ!!!」


「ですからあなた達は取り返しのつかない過ちを犯したんです。ちゃんと自分の罪と向き合ってください!!」


私はドルチェス王子様に尋ねました。


「ドルチェス王子様??二人の刑はいつ執行になるのですか?」


「はいリンゼ様、特に執行を遅らせる理由もありませんのでこの後すぐ二人を刑場に連れて行って死罪の執行をするつもりです。」


ドルチェス王子様がチャールズとセシルに言いました。


「チャールズ、それにセシル何か最後にいいたい事があれば今のうちに聞いておこう!!処刑場は騒々しい場所だからな。」


セシルがドルチェス王子に尋ねました。


「ちょっと待って??この後すぐ??いくらなんでも早すぎるでしょ??」


「そうだ、早すぎる!!もっとゆっくりやればいいだろう。」


セシルがドルチェス王子様に言いました。


「ちょっと下民共からこのセシル様の助命嘆願がたくさん来てるでしょ??それを無視して刑を執行するつもり??」


「そうだ下民共からこのチャールズ様への助命嘆願がたくさんきているはずだ。」


「大丈夫だ。お前達の助命嘆願を求める申し出は一件もきていない。」


「うそでしょ??」


「本当だ。では最後の言葉を聞いたから、これより刑を執行する。チャールズとセシルを処刑場へと連行しろ!!」


「はっ!!」


そしてチャールズとセシルの死刑が執行されようとしていました。


騎士達によってチャールズとセシルは処刑場へと引きずられていきました。


処刑場の中央にはすでに2台のギロチン(処刑台)が並べて用意されており、王都の人々や諸侯達がすでに待機していた。


まずはチャールズが処刑台へと連れていかれました。


「うあーー、嫌だ!!!死にたくない!!助けてくれ!!!」


チャールズはそう大声で叫びながら処刑台へとひきずられていきました。


そしてチャールズが処刑台の上へと乗せられました。


次にセシルが処刑台へと引きずられていきました。


「ちょっと??本気で私を殺すつもりなの??お願いよ!!お願いだから助けてよ!!」


セシルはそう大声で叫びながら引きずられていきました。


せして今度はセシルが処刑台の上へと乗せられました。


しかし処刑台の上でもチャールズとセシルが大声でわめき合っていました。


「うあーーー!!なんでこんな事になったんだ??」


「バカで無能なアンタがヘマしまくったせいよ!!」


「バカだと!!俺様はとっても賢いんだぞ!!」


「なにが賢いよ。あんたなんの提案もしなかったでしょうが!!」


「ふざけんな!!俺様じき公爵様なんだそんな事しなくていいんだよ!!!」


「何が次期公爵様よ??もうただの罪人でしょうが!!このゴブリンイカ男が!!!」


「ゴブリンイカ男だと!!!ふざけんな??この完全無欠のチャールズ様のどこがゴブリンイカなんだ??」


「完全無欠ですって??笑わせないで!!エルカリア伯爵邸の襲撃の時も王城に襲撃した時も速攻でやられてたじゃないの!!前に出ればこのセシル様の足を引っぱって後ろにいても何の役にも立たない。知恵もない実力もない体力もない度胸もない。そしてあんたはもう公爵にもなれない。つまりゴブリンイカの男でしょうが。ゴブリンイカ男で合ってるでしょうが!!!」


「俺様はゴブリンイカ男じゃねえ!!俺様がゴブリンイカ男だっていうならテメエこそがゴブリンイカ女だろうが!!!」


「キイイー!!私が最高の資質を持った選ばれた人間なのよ、そこらのゴミカスと一緒なわけないでしょうが!!私は高貴な存在なの!!ゴブリンイカ女なわけないでしょうが!!」


ドルチェス王子様が呆れた様子で二人に言いました。


「はあ全く!!お前達は静かにしていることはできないのか?」


ドルチェス王子様が宣言しました。


「ではこれよりチャールズとセシルの死罪の執行を執り行う!!!」


チャールズとセシルはお構いなしに叫び続けました。


「待ってくれ!!!殺すならこの女だけにしろ!!!こいつが実行犯なんだ!!全てこの女が悪い!!だから俺は助けてくれ!!」


「余計な事言うんじゃないわよ!!殺すならこのゴブリンイカ男にして、こいつが首謀者なのよ!!!私だけは助けて!!!」


「おいテメエ余計な事言うんじゃねえ!!」


「ゴブリンイカ男こそ黙りなさいよ!!!」


「よし構え。」


ドルチェス王子様が手を上にあげました。


「うあああ!!!いやだああああ!!!たすけてくれ!!!」


「お願いよおおお!!!殺さないで!!!!殺さないで!!!死にたくないー!!!」


「執行!!!」


そしてドルチェス王子様の号令と同時にギロチンの鋭い刃がチャールズとセシルの首にめがけて振り下ろされました。


そして次の瞬間にチャールズとセシルの首が地面転がり落ちました。


チャールズとセシルの体は頭部を切り落とされて、ドサッと地面へと崩れていきました。


二人の処刑が完了しました。


「全く最後の最後まで不快でやかましい連中だったな。」


「そうですね。」


私はみなさんにまずお礼を言いました。


「みなさん本当にありがとうございました。私のファンクラブの会員になってくださって。」


「とんでもありません。」


「そうです、お嬢様の笑顔を何よりも望んでおりますので。」


「リンゼ様への幸せが第一ですので。」


そして私は一つの提案をしました。


「みなさん、それでなのですが、私の熱烈ファンクラブはここで解散させてもらえないでしょうか?」


ファンクラブ会員の人達が少し驚いた様子で言いました。


「ファンクラブを解散??」


「はい、チャールズとセシルはもういませんし、ファンクラブを続ける理由はなくなりましたね。」


ドルチェス王子様が私に言いました。


「分かりました。ではリンゼ様のご希望通りにファンクラブは解散と致します。」


ドルチェス王子様が他のファンクラブ会員の人達に言いました。


「みんなそれでいいな。」


「ああ、もちろんです。」


「もちろんいいですよ。」


私はフウーと深く深呼吸をしてからみなさんに言いました。


「みなさんは私に求婚をして頂きました。その返答も一切せずにお待たせしていました。その返答をさせて頂こうと思います。」


皆さんがさらに驚いた様子で私に尋ねてきました。


「それではこの中にリンゼ様と結ばれる幸せ者がいるという事ですか??」


私が言いました。


「その通りです。」


ザワザワと周囲がざわめきました。


「分かりました。ではリンゼ様??我々は目を瞑っていればいいでしょうか?」


「はいそうして頂けると助かります。」


そういうとファンクラブの人達は全員目をつむりました。


そして私は心に決めた人の前にやってきました。


私はドルチェス王子様の手を握って言いました。


「ドルチェス王子様、これからもよろしくお願いいたします。」


ドルチェス王子様は驚いた様子で言いました。



「リンゼ様私を選んで頂けるのですか?」


私は少し恥ずかしかったですがドルチェス王子様に言いました。


「ええ本当によくして頂きました。陣頭に立って私を守ってくださった事本当に感謝しております。危険を顧みず私の為に戦ってくれたことずっと私を思い続けてくれた事本当にうれしく思います。」


「これは現実なのでしょうか?まさかリンゼ様が私を選んで頂けるとは??」


「はい、これからもよろしくお願いしますね。ドルチェス王子様。」


「はい分かりました、こちらこそよろしくお願いします。リンゼ様!!」


「ドルチェス王子様、一つお願いしてもいいですか?」


「はいなんでしょうか?リンゼ様??」


「私の事はリンゼとお呼びください。ドルチェス様。」


「ええっ??宜しいのですか?」


「これからドルチェス様と歩んでいきたいので。できれば私もドルチェスとお呼びしたいのですが??いいですか?」


「私の事はもちろんドルチェスで構いませんが、リンゼ様に様をつけないというのは。」


「私がドルチェスにそう呼んでほしいんです?ダメですか??」


「分かりました、以後はそうさせてもらいます!!リ、リンゼ。」


「ええドルチェス、これからもよろしくお願いしますね。」


ドルガーやカーバルド様も私達を祝福してくれました。


「リンゼ様、お幸せに。」


「ドルチェス王子、リンゼ様を幸せにするのだぞ。」


「ドルチェス王子どうかお嬢様の事をお願いしますよ。」


「ええもちろん誓います。どんな事があっても生涯リンゼを支え幸せにすると。」


私はドルチェスの真っ赤になっている顔を覗き込みました。


ドルチェスも私も見つめています。


わたしもきっと赤い顔をしてるんだろうな。


するとドルチェスが私の唇に唇を近づけてきました。


それを見た私はドルチェスに応えるように静かに目を瞑って待ちました。


そして私はドルチェスと熱い口づけを交わしました。


ドルチェスが美しい青い瞳で私を見つめます。


そして優しく私に言ってくれました。


「リンゼ、そなたがとても愛しい。」


「私もです。ドルチェス。」


END

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ