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チャールズとセシルの捕縛するための作戦が始まっていた。


カーバルド様がチャールズを捕縛にドルチェス王子様を含めたそれ以外の方々でセシルを捕縛するために動いていました。


騎士の一人がカーバルドに報告した。


「カーバルド様、どうやらチャールズとセシルは二手に分かれたもようです。チャールズは北側のルートをセシルが南側のルートを進行してきております。」


カーバルドが騎士達に言った。


「中央階段を封鎖しているから一気には4階まで上がってこれないはずだ。よしまず我々でチャールズに当たりこれを潰すぞ!!!」


「はっ!!」


すぐにカーバルドのチームはチャールズと相対したのだった。


チャールズがカーバルドに言った。


「よお??エセ貴族?テメエは今も貴族としての恥をさらしてやがるよな??」


カーバルドがチャールズに聞き返す。


「何?」


チャールズがカーバルドに言った。


「カーバルド貴様は公爵という身分のくせに下民を大事にしろとかいつもぬかしてやがったからな?そんな事を言うのは真の貴族ではない!!貴様は偽物の貴族、つまりエセ貴族だ!!」


カーバルドがチャールズに言った。


「私の事はなんとでも呼べばいい??それよりもチャールズ一つ確かめておきたい事がある。」


今度はチャールズがカーバルドに聞き返した。


「確かめておきたい事だと??」


カーバルドがチャールズに言った。


「なぜリンゼ様との婚約を破棄した??しかも暴言を吐きまくったそうだな!!リンゼ様がどれほど辛かったか分かっているのか?」


チャールズがカーバルドに言った。


「リンゼ??ああゴブリンイカ女の事か!!!どいつもこいつもゴブリンイカ女を事をなんでリンゼって呼びやがるんだ!!あの女はゴブリンよりも劣った女なんだ、ゴブリンよりもはるか下の存在、ゴブリンイカ女なんだ、分かったか!!!」


次の瞬間カーバルドはチャールズの顔面を拳で殴ったのだった。


「もう二度とリンゼ様を侮辱するような事は言うな!!!いいな!!」


チャールズが口から血を流しながら一歩後ろによろけたがすぐに体勢を戻したのだった。


「ああテメエもヘッポコ王子と同じ口か?どいつもこいつもこのチャールズ様の邪魔ばかりしやがって!!!」


カーバルドが怒り心頭でチャールズに言った。


「寝言をほざくな!!リンゼ様を泣かした罪!!!しっかり償ってもらうぞチャールズ!!」


チャールズがカーバルドに大声で言った。


「やってみな!!!エセ貴族!!!先に言っておくが全力で来なきゃこのチャールズ様には勝てないぜ!!」


カーバルドが大声で言い返した。


「言われるまでもない!!」


カーバルドは己が持ちうる最高の一撃を拳に込めてチャールズに突進していった。


「食らえ!!チャールズ!!!水月拳(すいげつけん)!!!!」


チャールズは不敵な笑みを浮かべながらこれをかわそうとしたがかわせなかった。


カーバルドの拳はすさまじい速さでチャールズの額に到達すると、カーバルドの全力の水月拳(すいげつけん)がチャールズの顔面にさく裂したのだった。


すさまじい衝撃でチャールズの体がはるか後方に吹き飛ばされたのだった。


そしてそのまま廊下の壁にチャールズの体は激しく叩きつけられるのだった。


「ぐは!!」


カーバルドが大きな声で言った。


「どうだ、チャールズ!!!」


チャールズが言った。


「た・・い・・。」


カーバルドが聞き返す。


「チャールズ??今なんと言った??」


するとチャールズは起き上がる事もできずにその場に倒れ込み大声で泣き叫ぶのだった。


「ウギャー!!!痛い!!!痛い!!!体中が痛い!!骨が折れてる!!!うーわん!!助けてくれ!!!」


チャールズは無様に泣き叫ぶのだった。


「痛いの嫌だ!!!うああああ!!!!うああああんん!!!」


カーバルドが呆れてチャールズに言った。


「あれだけ大口叩いといて一発で大ダメージを食らったわけか。まあ渾身の一撃を与えたつもりではあったが、それにして情けない奴だな。」


「とりあえずうるさいから黙らせておこう。」


カーバイドはそう言うと軽くチャールズの顔面を殴っってチャールズは気絶させたのだった。


「これで良しと。」


すぐにカーバルドはチャールズを縄で縛ったのだった。


「よし、これでチャールズは捕縛できたな。あとはセシルか??」


すると騎士がカーバルドに尋ねた。


「カーバルド様??我々はどうしますか?」


カーバルドが騎士に言った。


「我々もドルチェス王子の応援に向かおう。」


騎士がカーバルドに尋ねた。


「こいつはどうします?」


カーバルドが騎士に言った。


「チャールズも連れていこう。大広間に連れていけばリンゼ様に何をするか分かったものではないしな。」


一方のセシルは大暴れをしていた。


セシルが大声で叫んだ。


「どきない、この地にある全ての者をその輝かしき眩い閃光と猛々しき轟音で貫け!!サンダーストーム!!!」


セシルは走りながら雷撃の魔法であるサンダーストームを発動させていた。


「うあー!!!」


雷の嵐が周囲を埋め尽くし衛兵達は雷に貫かれてバタバタと倒れていった。


セシル対策チームは三階でセシルが来るのを待ち構えていた。


衛兵がドルチェス王子に報告する。


「ダメです。セシルの足止めすらままなりません。」


ドルチェス王子が言った。


「やはりセシルを止められないか。」


ミーレウスがドルチェス王子に言いました。


「ドルチェス王子様、準備は整いました。」


ドルチェス王子がみんなに言った。


「みんな!!!ここで必ずセシルを捕まえよう!!!」


他の人々が答えた。


「おう。」


そしてセシルは2階を突破して階段を上り3階に突入しようとしていた。


走りながら廊下を進んでいくと先のフロアで騎士達が集まっているのを見つけるのだった。


セシルが言った。


「はん??衛兵やら騎士がどれだけ集まろうがこのセシル様は止められないわよ?」


セシルは強行突破しようと走りながら詠唱を始めた。


「灼熱の業火よ、その輝きをもって形あるすべての物を焼き尽くせ!!テラフ」


だがセシルはセシルはある事に気がついて詠唱を中断した。


「リフレクションを発動し展開している?なるほど私の魔法を封じようってわけか?」


この様子を見ていたドルチェス王子が指示を出す。


「よしセシルが詠唱を中断した!!!よし一気にセシルとの距離を縮めるぞ!!」


「はっ!!!」


宮廷魔導士と騎士達が連携をして前に進んでいった。


するとセシルが詠唱を始めた。


「遥かなる御力(みちから)よこの場に集いし者達に祝福を与えたまえ!!ヒーリングライト!!」


セシルは上級の回復魔法であるヒーリングライトを発動させたのだった。


ドルチェス王子が驚いた様子で言った。


「なに??俺達に向けて回復魔法だと??」


するとドルチェス王子達の頭上に展開されていたリフレクションの壁がたくさん消失したのだった。


ミーレウスがドルチェス王子に言った。


「まずい、セシルはヒーリングライトでリフレクションを消滅させるつもりよ。」


ドルチェス王子が指示を出す。


「魔導士はすぐにリフレクションの詠唱を始めろ!!!」


リフレクションは魔法を一度だけ跳ね返す事ができる魔法であり、その魔法を跳ね返す効果は全ての魔法に対して有効であった。つまりセシルはヒーリングライトを騎士達にかけて厄介なリフレクションを消した後で改めて魔法攻撃を行おうとしていたのだ。また回復魔法であれば魔法が跳ね返ってきても自分がダメージを受ける事はなく傷が回復するだけなのでリフレクションを消すためだけなら最適な魔法と言えた。


ミーレウスがみなに言った。


「慌てないで!!リフレクションを全て消滅させなければセシルは私達を攻撃できないわ。前に進む事を考えて。」


魔導士達がリフレクションの詠唱を行う。


「今ここに奇跡すらも跳ね返す聖なる壁を作りたまえ!!リフレクション!!」


セシルがヒーリングライトで発動しているリフレクションを消して、宮廷魔導士達が全力でリフレクションを新たに発動させていくという争いになった。何度も何度もヒーリングライトでリフレクションが消されていったがミーレウス達宮廷魔導士達その都度リフレクションを新たに発動していった。


セシルは全力でヒーリングライトの詠唱を続けていったが、セシルは一人で詠唱を行っており、一方のドルチェス達には多数の魔導士達が参加しており詠唱速度では圧倒的にドルチェス王子側に分があった。ドルチェス王子達はセシルとの距離を順調に詰めていき、至近距離まで接近することができた。


そしてミーレウスが魔法を封じるサイレンスの魔法の詠唱を行った。


「この者に沈黙と静寂を与えたまえ!!サイレンス!!」


魔法を封じるサイレンスの魔法がセシルに発動しました。


セシルは言葉を発する事ができなようで、ウーアーと言葉にならない叫びをあげていました。


ミーレウスがセシルに言った。


「セシルあなたの負けです!!!」


セシルが声を出そうとしていた。


「お お、」


ミーレウスがセシルに言った。


「しゃべろうとしても無駄です。サイレンスは全ての言葉を発するのを封じてしまいますからね。しばらくの間は何も言葉を発することはできませんよ。」


すると突然セシルが詠唱を始めたのだった。


「今この地におぼろにかすむ白きいぶきで覆いたまえ!!ミスト!!!」


そしてセシルの周囲に深い霧が発生したのだった。


周囲が一気に霧に包まれた。


「ミスト??なぜミストが??」


すると霧の中にセシルの声が響いたのだった。


「いやさすがにお母様に出てこられるとキツイですね。」


ミーレウスが霧の中のセシルに尋ねた。


「セシル??どうやってサイレンスを解除したの??」


「解除したのではなく無効にしたんです。」


「セシルあなたマルティスのブローチを隠し持っていたのね。」


「はい、マルティスのブローチでサイレンスの魔法を無効化させてもらいました。とはいえ今日はここまでです。お母様の助言があったとは言え下民にヘッポコ王子そしてエセ貴族共!!!ここまでやるとは思いませんでした。今日の所は諦めてまた明日出直すことにします!!!それではお母様!!」


そして徐々にミストが晴れて視界が戻った時にはチャールズとセシルの姿が消えていた。


「チャールズとセシルの姿が見えません!!!」


ドルチェス王子が言った。


「ちっ!!セシルのやつチャールズも連れて逃げるつもりか。」


ドルチェス王子が指示を出した。


「すぐに城門および王都の出入り口を封鎖せよ!!」


すると騎士がドルチェス王子に尋ねた。


「ドルチェス王子様??どうせセシルは魔法を使って逃げてしまうのでは?王都の出入り口を封鎖しても二人を捕まえる事はできないのではないですか?」


するとミーレウスがその騎士に言った。


「いえその心配はしなくても大丈夫でしょう。セシルが諦めて逃走したという事は恐らくマジックポーションも魔力もほとんど残っていないから撤退を選択したのだと思います。」


私は危険とは分かっていながらも大広間をでてドルチェス王子様の所まで来てしました。


私がドルチェス王子様達に声を掛けます。


「みなさん??」


ファンクラブの方々が私に振り返って言ってくれました。


「リンゼ様??」


私はみなさんに言いました。


「すいません、みなさんが命がけで私を守ってくれてるのに、私だけ何もしないのは悪い気がして来てしまいました。」


ドルチェス王子様が私に言ってくれました。


「リンゼ様、まだここは危ないです。すぐに大広間にお戻りください。」


ミーレウス様が私に言いました。


「まあ今のセシルは魔力が残っていないでしょうから、そこまで心配する必要はないかもしれませんが。」


私はミーレウス様に尋ねました。


「魔力がほとんど残っていない??どういう事ですか?」


私は皆さんからこれまでの事を聞きました。


「なるほど、セシルはマルティスのブローチを使って、サイレンスを阻止してしまったんですね。」


ドルチェス王子様が私に言いました。


「はい、それで大規模な捜索をこれから行うところです。」


私はミーレウス様に尋ねました。


「セシルは魔力がほとんど残ってないんですね。」


ミーレウス様が私に言いました。


「ええ。恐らくは。」


私は少し考えた後でドルチェス王子様に言いました。


「なるほど、ではこうしてもらえませんか?」


私はある事をドルチェス王子様にお願いしました。


「分かりましたリンゼ様。そのように騎士と衛兵達には指示を出しておきます。」


ドルガーが私に言いました。


「お嬢様の方法でセシルをあぶり出せるかもしれませんね。」



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