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4 君は夜の下に咲く

 ベランダで、年に数度だけ月下美人が白い花を咲かせる。

 僕のことなんて君はすっかり知ってるはずだけど、高校生になった僕は、まだ新しい制服姿で少しだけ緊張しながら夜を歩く。だって、君はいつだって僕を見ているのに、僕は年に数回しか君を見られないんだ。ちょっとぐらい緊張したっていいだろ。


 そう遠くないうちに、僕は君の年齢を追い越すだろう。身長だって、もしかしたら既に追い抜いたかもしれない。いつしか大人になって、知らない世界で打ちひしがれる日もくるはずだ。

 それでも、どんな姿も見ていてほしい。君が隣にいてくれるなら、僕は全てを乗り越えられる。

 いつもの高台。あの頃並んで座ったベンチがある。草たちが風にそよぎ、夜空には明るい満月が輝く。

「ひさしぶり」

 変わらない姿の君は、振り返ってはにかんで笑う。美しい黒髪が、涼やかな風に流れる。

「ひさしぶり」

 僕もそう言って、右手を差し出した。確かに君が、僕の手を握る。

 月下美人は夜の下で、見事に咲き誇っていた。


 さあ、今夜はどこに行こうか。


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