王子の敗北
第三章・王子の敗北
王子と僕のやりとりを見ていた先生が手の中で小さな爆発を起こし注目を集め、
こう言った。
「決闘しようがしまいが構いませんが今すべきことを最優先に行いなさい。」
先生の言葉に従わないはずがなく王子は僕を睨んで属性検査を受けに行った。
僕が呼ばれ、検査を行う。
最初はにこにこしていた先生が先の項目に進むにつれて真っ青になり、
ついには目を開けたまま気を失ってしまった。
僕は慌てて他の先生を呼び、気を失った先生と変わってもらい、検査結果を教えてもらい
検査を終了した。
他の人はみんな帰っていた。
「全属性適応、ね〜。なんかほんとに変わっちゃったんだな〜。竜人に。」
僕は気を抜いてそんな事をつぶやいていた。
「ルナリオス。変わったって何がだ?。」
「え?兄さん。居るなら声かけてよ。あと何も変わってないよ。」
「え、でも今「変わっちゃった」って言ったよね?。」
「兄さん。ほんとになんでもないから。じゃあまたあとで。」
僕は必死に隠して兄さんと別れ、先に帰った。
僕が部屋でゴロゴロしていると急に声が、頭に響いた。
『こちら、バルヴァーン。天空の守り竜。ルナリオス、返答求む。』
「あ、はい。何ですか?。」
『ルナリオス、突然ですが刻竜神殿に転送します。
エル家から刻竜神殿、ルナリオス、フォア。』
眩い光が僕を包み込み光が消えると僕は刻竜神殿に移動していた。
僕は、目の前に居た竜王様に聞いた。
「何のご用ですか?。」
『私と「覇竜王の契約」をしてほしい。』
「覇竜王の契約?って何ですか?」
『私、竜王と全ての契約のことを「覇竜王の契約」という。
我ら、竜の契約は計三つある。
それは、戦友、親友、同命の三つだ。
戦友の能力は、契約を交わした者のスキルや、所持魔法などが自由に使える。
親友の能力は、契約を交わした者と意思伝達と魔煌力の共有。
この2つはリスクが無いが、
同命の能力は、同じ命を共に生きる代わりに全ステータスを共有。
魔煌力の共有とは契約を交わした者の魔煌力を足して2乗して共有する。
全ステータスの共有は契約を交わした者のステータスを足して2乗して共有する。
この契約を全て行い2乗が5乗に変化したものが「覇竜王の契約」だ。
してくれるか?。』
「いいですよ。竜王様の頼みなので。」
『うむ。ではこれから「覇竜王の契約」を開始する』
竜王様が咆哮すると直径100m程の緋色の魔法陣が僕と竜王様の足元に浮かび上がる。
上を見ると全支配竜が円を描いて天を飛翔している。
『我、エルフェルノ。汝、ルナリオス。「覇竜王の契約」を血約とする。』
竜王様はこう言ったあと自分の血を魔法陣に垂らす。それを見た僕も魔法陣に血を垂らした。