過去 3
竜人になるためには各地支配竜の竜気が必要とのことなので僕は竜王様に連れられて、
刻竜神殿に移動した。僕が移動したときにはもう竜王様を含めた12頭の竜が僕を中心に、
円を描いて座っていた。僕はこの場にいる竜に見とれていると竜王様が咆哮する。
すると、12頭の支配竜は自分の竜気をツノの先から僕に流し込む。
僕に竜気が流れ込む量に比例して体への負担が増えていく。
負担から激痛へ変化する。
特に背、腰、足、眼が熱くなり激痛が走る。
「ゔゔゔゔううう。」
激痛に耐えること数分間。
急に痛みが癒えてきた。
『ルナリオス。鏡を用意した。自身の姿を確認しなさい。』
と、竜王様に言われ僕は鏡の前に立ち、鏡に写る僕を眺めた。
最初見た時、本当に僕なのか目を疑うほどの様変わりだった。
背には緋い翼が一対。腰には碧色の尾。足には蒼色の鱗。右眼が琥珀色。
左眼が闇色。に変化していた。
竜王様が言うには、この姿が超活性化という現象らしく自分の意思でも戻せるが、
自身の魔煌力が3分の1を切ると、自動で戻るから連戦ではあまり使わないほうがいいと、
忠告を受けた。
僕は超活性化を戻し、もとの姿へと戻った。
『竜王様。こちらバルヴァーンの天空の守り竜。ルナリオスの家を発見しました。
家上空。こちら、スタンバイ完了。ルナリオス。スタンバイ求む。』
「竜王様。スタンバイとは何ですか?。」
『説明するより体験したほうがいい。ルナリオス。竜人のことは極秘だ家族にも、
絶対、人には言うなよ。』
「分かりました。」
『天空の守り竜。こっちも完了。これより、ゲート開放に入る。』
僕の足元に魔法陣が浮かび上がる。
『『刻竜神殿からエル家玄関前、ルナリオス。フォア。』』
すると周りが輝きだし眩しくなった僕は目を覆うが、一瞬で光がなくなり覆っていた手を
どかすと、懐かしの家が目の前に見えた。
懐かしい思いに浸っていると後ろから声をかけられた。
「家になにか御用でしょうか。」
僕は、懐かしい声を聞いて振り向いた。
「母さん!。ルナリオスだよ。」
懐かしさのあまり声を出してしまった。
「えっ。ほんとにルナリオスなの?」
母さんは疑いながら聞いてくる。
「うん。ルナリオスだよ。母さん、ただいま!。」
と言うと。
母さんは僕に抱きついて泣き崩れてしまった。
母さんが小声で謝ってるが何故謝っているのか僕には分からなかった。
僕は母さんに連れられて、家に入った瞬間に母さんと同じように父さんと兄さんも、
謝ってきた。
「父さん。母さん。兄さん。ただいま。」