神獣国
第四章・神獣国
僕らは、刻竜神殿までの旅を満喫していた。
朝は、朝日に照らされながら起床し、昼は森や川で食料の確保、夜は星を見ながら肉や魚を食べたりしていた。
「兄さん。明日街に行きたいんだけど寄ってもいい?。」
「街に行くのは良いんだがが、バルヴァーンたちはどうするんだ?。」
『人化してついていくことも出来ますが、私達は少し先にある岩山のくぼみでの休憩を希望します。』
僕は休憩を求める竜に自分の護衛を任せるような鬼じゃないので、
バルヴァーンに休憩の命令を出し、僕は兄さんと街に入った。
街はすごく静かでどこにも人の姿が見えなかった。
情報が欲しくなり情報屋とも言われるギルドに入るとA級冒険者、10人程が僕たちに向けて武器を構えていた。
(僕たちはここでも敵視されてるのか。)と思った。
「何用でここへ立ち寄った?。」
その質問に僕が答えた。
「ここには凄腕の鍛冶師が居ると聞いてその方に鍛冶を教えていただきたく思いまして。」
「そうか。悪いがこの街からは出てってもらう。お前らのような兄弟で旅をする者にいい噂は聞かないからな。」
「兄さん。バルヴァーンたちには悪いがこの街を出よう。」
「おう。ルナリオスがいいならそれでもいいがほんとにいいのか?。」
「うん。ほら、兄さん。行くよ。」
僕らは街を出てバルヴァーンの居る岩山を目指し歩きだした。
途中、火の粉が降り掛かってきたが、難なく振り払いバルヴァーンのもとへ着いた。
「兄さん。バルヴァーンたちの休憩も含めてここで野宿するけどいい?。」
「ああ。いいよ。俺は殲乱熊[フォルベア]を狩って来ようか?。」
「うん。お願い。干し肉も残り少ないしね。」
「じゃ、行ってくる。」
僕は兄さんが狩りに行ってる間にエルフェルノと連絡を取ろうとしたときだった。
「「「バケモンが出たぞおおお。バケモン狩りだあああ。」」」
(この声。人か?。でもどうしてここに?。)
と思いながらもバルヴァーンを起こし、空に逃がす。
僕は兄さんを探しに森林に入った瞬間に腕輪を外し襲撃に備えながらも兄さんを探す。
数分後に兄さんを見つけたが酷い有様だった。右腕、左足共に折れ、
額からは血を流していた。
「兄さん。今、回復掛ける。」僕が兄さんに触れて回復を掛けようと行動した瞬間、
後方から矢が無数に飛んでくる。
「邪魔をするなああああ。」
僕はそう叫び、超活性化を始めた。僕はこの時、竜人の能力を開放していた。
それは、竜盾「守護竜[ホーリーアストレナ]」無限の相手から対象者だけを回復し、守る。といった能力を持つスキルだった。
僕は兄さんにホーリーアストレナを付与する。その後すぐに、漆黒を纏う
空間魔剣の「ヴォーストラ」を次元魔法で取り出し、矢を放ってくる輩を、
力強くそして速く薙ぐ。薙ぐ。薙ぐ!。
静寂に包まれていた森林は阿鼻叫喚の地獄に晒された。
至るところから肩から先を斬られた男の叫びが聞こえてくる。
僕はそんな声には耳を傾けず兄さんを担ぎバルヴァーンのもとへ運ぶ。
「最速で飛んでくれ。兄さんは落ちない様に上から押さえながら飛ぶ。
バルヴァーン行け。」
『了解です。ルナリオス。天空の守り竜、瞬翔[ハイ・スピード]形態。活性化、開始。』
二頭のバルヴァーンの身体が青く光りだし、翼を折りたたみ自身の魔煌力の飛翔に変換。
瞬間的に加速し、1秒を数えるよりも速く音速を超え、最高速度がマッハ7。
わずか3秒で神獣国に着いた。
僕が超活性化してもついていくのがやっとだった。
着いてからしばらくすると兄さんが起きた。
「兄さん。神獣国に着いたよ。」
「ルナリオス。俺の周りを浮いてる金色の盾はなんだ?。」
「今、付与を解くね。」
「ん?。これは付与魔法なのか?。」
「兄さん。これは竜人が持つ特殊付与スキルらしい。」
「特殊付与スキルか。聞いたこと無いな。」
「兄さんにもあるんじゃない?特殊付与スキル。」
そんな話をしながら刻竜神殿を目指し、神獣国の城下町を歩いていると
衛兵の獣人が話しかけてきた。
「ねえ。君たち人だよね。ここから出てってくれる?。ここは君たち人が居て良い場所では無いんだよ。」
「ここに居れる証明があればいいですか?。」
「まあそうだね。証明ができればだけど。」
「兄さん。超活性化だね。」「おう。」
僕らは衛兵に証明するため超活性化をする。街の商店街で。
「衛兵さんこれでも証明になるかな?。」
「は、はい十分な証明です。ずっとその姿でいることは出来ないのですか?。」
「俺は出来るが、ルナリオスはどうだ?。」
「僕の場合は魔煌力を常に減らしながら成れる形態なので少し厳しいですね。
あっ。でも超活性化の状態だと魔煌力はほぼ無限なので大丈夫そうです。」
「ルナリオス。無限ってホントか?。」
「んー。無限じゃないけど9矜羯羅[こんがら]って言っても分からないでしょ?。」
「うん。分からん。」
「ふふ。やっぱりね。だって僕にも分からないから。」
『ルナリオス。そんなに雑談ばかりしていていつ神殿に行く予定だったのだ?。』
エルフェルノの声がして上を見上げるとエルフェルノの姿があった。
衛兵はエルフェルノの声が聞こえた瞬間に服従の姿勢を取っていた。
服従の姿勢を取った瞬間に街に居た者、全員が服従の姿勢を取っていた。
するとエルフェルノが『このような場では服従はいらん。自由にせよ。』
と言った。その後街の住民は困惑しながらも姿勢を戻し言葉に従いさっきまで行っていたことを再開した。
「エルフェルノ。ここまで来たなら神殿まで乗せて〜。」
『おう。いいぞ。』
僕は兄さんを連れてエルフェルノの背に乗り神殿に向かう。
・・・
王城
「おい。目標は見つかったか?。」
「申し訳ございませんルベルト様。目標はまだ見つかっておりません。」
「使えない。下がれ。目障りだ。」
「はっ。失礼しました。」
使いの者が部屋を出ていくのを見届けてから窓に向かって声を発した。
「出てきていいぞ。死殺鴉[ブラッドラプラス]目標の情報は?。」
すると影が立体的な人の形を形成していき話す。
「王子よ目標は北東に向かう姿を見かけた者が居たよ。そこから先は遠い空の彼方
だね。まぁ。何にせよ行ってみないと分からないね。じゃあ私の仕事は終わったよね。帰っても良いかい?。」
「ああ。これが報酬だ。」
といいルベルトは金貨の入った麻袋を渡した。
「ちゃんと120金貨受け取ったよ。じゃあね。」
ブラッドラプラスは漆黒の影に消えていった。
「屈辱を返しに準備するか。」
ルベルトは、部屋を出ていった。
・・・
「ルナリオス。やはり空は楽しいな。」
「うん。兄さん。」
刻竜神殿
『ルナリオス。どうして神獣国まで来たんだい?。』
「王族に命を狙われてるからここに隠れ住もうと思って。相手は王族なので下手に手を出すと周りの国も敵になる可能性が高くて兄さんと逃げてきました。
あ、兄さんの。」
と、僕が言うと。
「ラファルです。エルフェルノさん、これからよろしくお願いします。」
兄さんが答える
『ラファルと言ったか、さん付けはやめてくれ呼び捨てで構わん。』
「はい。分かり、ました。」
『よし。話を戻そう。
そういう事なら親も連れてくればよかったんじゃないか?。』
「エルフェルノ。父さんと母さんは殺されました。」
僕は涙目になっていた。
『そうか。悪いことを言った。すまない。」
「エルフェルノさんは悪くない。俺が居たのに俺はまた何も、できなかった。
自分の無力を感じたよ。」
『ラファル。自分がどれほどの強さなのかこの国の学園で確かめてはくれないか。
もう、争うのは嫌だと言うなら前居た学園では学べない歴史などが学べる。
どうだ入ってみないか?。ルナリオスと共に。』
「ルナリオス。行こうぜ。」
「うん。兄さん。」
「あ、でもエルフェルノ。僕が竜人だと知ったら反応がすごいんじゃないかな。
静かに生活したいから質問攻めになるのはちょっと避けたいな。」
『それなら幻影[リゼクション]を使うといい。姿を変える魔法だ。』
「うん。使ってみるよ。」
僕は姿を変えるそのままのイメージで魔法を使った。
すると僕の姿は兄さんの超活性化に似た姿に変わった。
「おお。これが幻影魔法か。ホントに姿が変わるんだな。」
ラファルが驚き声を上げる。
「エルフェルノ。学園は明日から行ける?。」
『ああ。行けるようにするよ。あと、学園には寮があるからそこで住むと良い。』
「ありがと。エルフェルノ。あと今日の夜は宿で寝よう。」
「エルフェルノ。ここでは王都の金は使えるのか?。」
『いや、残念ながら使えん。ギルドで換金しないといけないな。』
「ギルドがあるのか。」
獣人にも冒険者は存在するらしく色でランクを判別するらしい。
上から黒、金、銀、青、赤、の5つで構成されているとのことだった。
「兄さん。僕たちで組んで冒険者やってみたい。いい?。」
「おう。ルナリオス。」
また二日ほど休みます




