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21【母と俺達2】

『はぁ〜。

ちょっと待って。

今頭の中整理するから』


『「「.........。」」』


母さんは俺と一姫の話しが終わるまで相槌をうつぐらいで静かに聞いてくれた。

その後、大きなため息をつき俺達に少し待ってもらう様に言い黙り混んだので、俺と一姫も下手に何かを言ってはいけないと思い黙り込んだので重苦しい無言の時間だけが過ぎる。


『おっけ、いいわ。

最後に確認、もう言っておかないといけないことは無いわね?』


「う、うん」


母さんのあまりに落ち着いた声色に少しどもりながらの返事になってしまう。


『まず初めに一姫ちゃん?で良かったのよね。

その子を雨ざらしのまま放置しなかったこと、家を出ようとしたのを止めたこと。この二つに対しては良くやった。流石私の息子って心の底から思ってるわ』


「あ、ありがとう?

あと、一姫で間違いないぞ」


『だけどその後がダメダメ。

本当に呆れるぐらいね。

あんた下手したら誘拐と間違えられても仕方ない状況よ?ちゃんとわかってるの?』


「いやいや、それは言い過ぎだろ。

一姫もちゃんとそんなことはないって証言してくれるだろうし」


『あくまでも可能性の話しよ。

世の中には自分の都合のいいようにしか考えない人もいるってことは今まで生きてきた十数年でわかってるでしょ?

自分一人のことじゃないんだから“多分大丈夫だろう”じゃなくて“もしかしたら”っていう思考回路で考えなさいってこと。

それに学校で三者懇談とかもあるし成人するまでは親が関わらなければいけないことは結構あるんだからいずれあなたの家に一姫ちゃんがいることはバレるわよ。

その時、どうするつもりだったの?

本当にあんたもっと報連相を意識しなさい』


「申し訳ありません」


母さんの言っていることはもっともなことだと思うのでしっかりと反省しながら謝罪する。


『それで考えたんだけど、一姫ちゃん』


「は、はい」


『私達の家族にならない?』


「は、はい?」


「おい、母さん何言ってんだよ!」


母さんの驚き発言に一姫はすぐに理解が出来なかったのか素っ頓狂な返事をし俺は思わず声を上げてしまう。


『別に冗談で言ってる訳でも巫山戯てる訳でもなく真剣に考えた上でのこの提案なのよ。

一姫ちゃんは親戚とかのお世話になりたくないし養護施設なんかに入る気も今の話を聞いた限りなさそうだし、一人で生きていくなんていろんな意味で論外でしょ。となると信用出来る大人の人に養子縁組?里親制度?詳しいことはよく分からないけどそれに近いことをお願いするしかないわよね?

一姫ちゃんに他に信用出来る大人の人がいるならその人にお願いしてもいいと思うけど私の息子である透の家にいる時点でそんな人いないんでしょ?そうなると私達の家族になるっていうのは現状一番最善に近い話だと思うんだけどどうかしら?

でもまあ、私はそういうことの専門家とかじゃないから他にも良い選択肢があるかもしれないし一度そういう所に相談しに行くのもいいかもしれないわね』


「·····その通りだと思います。

しかし、そこまで迷惑をかけるわけには、、、」


母さんの話を聞いて一姫は俺と一緒で母さんの出した提案が最善に近い事は理解出来たのだろうが、ここで「是非お願いします!」って言えるやつなんてそういない。


『迷惑なんて考えなくていいのよ。

この話は私達家族てきにもプラスな話なのだから』


「どういうことだ?」


一姫には申し訳ないが、一姫を養子縁組として我が家に迎え入れることに対しての我が家のデメリットは簡単にいくつか考えつくことが出来るがメリットはそう簡単には思いつかない。

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